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イントラストのニュース
■中長期の成長戦略
(3) その他新規マーケット、事業育成
その他の新規マーケット、事業育成としては、まず介護費用保証では、フロントランナーとして、市場の開拓及び活性化を進める計画だ。介護費用については、少子高齢化が進むなか、サービス付高齢者向け住宅に入居するためには、保証準備金の前払いが一般的だが、入居者家族の事前負担が大きいとの問題がある。イントラスト<7191>の介護費用保証はこの資金負荷を軽減し、取引拡大を円滑にする役割を担うものだ。今後の成長戦略として、1)大手施設事業者へ保証提案を行い、保証の拡大を進める、2)現時点で最も優れた保証商品の提供を行う、3)アフターコロナを見極めた積極投資を行うーーなどを推進することで、売上高を2021年3月期の36百万円から2024年3月期には130百万円へ3.6倍の増収を図り、市場シェアも0.17%から0.6%に拡大する計画である。
また、養育費保証では、保証の力でひとり親家庭の生活を公平にすることを目指し、5年後には1万人に届ける計画である。ひとり親家庭において、安定的な養育費の受給は子供の成長にとって必要不可欠なものである。養育費保証は社内起業制度から実現した商品であり、同社として初めてのBtoC(企業と一般消費者との取引)でもある。成長戦略として、1)養育費保証のフロントランナーとしての地位を維持する、2)BtoC事業として取り組みを進め、ネット事業者と提携する、3)第2次中期経営計画の3ヶ年で事業化の目途をつけるーーなどを掲げている。
さらに同社では、破壊的イノベーションの創造を目指して、医療、介護、養育費に続く新事業の創造に挑戦する計画である。その実現のために、社内や顧客との創発(想定していなかった意図や計画を超えるイノベーションを生み出すこと)による商品開発を進めるほか、パートナー企業との事業提携/社内取り込みを目指して、ベンチャーとの提携・出資やM&Aを検討する方針だ。
3. その他重点政策
その他重点施策では、まず成長を支える投資方針として、15億~20億円を目安に成長投資を計画する。具体的には、将来成長をサポートするDX投資、独自マーケットの成長や差別化のための新事業成長投資、それらの投資及びその他の成長機会を模索するための全社投資などを計画している。また、財務戦略として、東証新市場再編では「プライム市場」を選択し、企業価値向上に邁進するほか、中期経営計画3ヶ年で見込む累計営業キャッシュ・フロー25億円を、成長投資と株主還元に配分することを目指す。
さらに、ESG/SDGsの取り組みの推進として、安心の提供によって、機会不平等の緩和、公正な取引の拡大、社会変化に伴う新たなパートナーシップ実現などを促進する。例えば、高齢者向けの家賃債務保証は、定期的な見守りサービスを付帯し、貸し手の不安を解消することで、高齢者の賃借機会の拡大を実現する。医療費用保証でも、連帯保証人が確保できない入院患者や、医療未収金を抱える医療機関の課題を保証によって解決し、患者の入院機会の確保や医療経営の安定に貢献する計画だ。近年、欧州や米国を中心に、ESGの観点から企業を分析して投資をするESG投資が増えており、日本でも急拡大している。同社が、ESG/SDGsへの取り組みを重点施策の1つに掲げたことは、そうした潮流に即した動きと言えよう。
以上で見てきたとおり第2次中期経営計画は内容が充実しているが、まだ緒についたばかりであり、各々の重点施策の進捗状況の評価には時期尚早であろう。ただ、2022年3月期第3四半期までを見るかぎり、主力の家賃債務保証はまずまずの状況である。また、医療費用保証は上期にはコロナ禍の影響を受けたものの、下期に入り回復傾向であるようだ。その他の新規マーケット及び事業育成は、今後も研究を継続すべき分野である。第2次中期経営計画の、これからの進捗状況に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<SI>
(3) その他新規マーケット、事業育成
その他の新規マーケット、事業育成としては、まず介護費用保証では、フロントランナーとして、市場の開拓及び活性化を進める計画だ。介護費用については、少子高齢化が進むなか、サービス付高齢者向け住宅に入居するためには、保証準備金の前払いが一般的だが、入居者家族の事前負担が大きいとの問題がある。イントラスト<7191>の介護費用保証はこの資金負荷を軽減し、取引拡大を円滑にする役割を担うものだ。今後の成長戦略として、1)大手施設事業者へ保証提案を行い、保証の拡大を進める、2)現時点で最も優れた保証商品の提供を行う、3)アフターコロナを見極めた積極投資を行うーーなどを推進することで、売上高を2021年3月期の36百万円から2024年3月期には130百万円へ3.6倍の増収を図り、市場シェアも0.17%から0.6%に拡大する計画である。
また、養育費保証では、保証の力でひとり親家庭の生活を公平にすることを目指し、5年後には1万人に届ける計画である。ひとり親家庭において、安定的な養育費の受給は子供の成長にとって必要不可欠なものである。養育費保証は社内起業制度から実現した商品であり、同社として初めてのBtoC(企業と一般消費者との取引)でもある。成長戦略として、1)養育費保証のフロントランナーとしての地位を維持する、2)BtoC事業として取り組みを進め、ネット事業者と提携する、3)第2次中期経営計画の3ヶ年で事業化の目途をつけるーーなどを掲げている。
さらに同社では、破壊的イノベーションの創造を目指して、医療、介護、養育費に続く新事業の創造に挑戦する計画である。その実現のために、社内や顧客との創発(想定していなかった意図や計画を超えるイノベーションを生み出すこと)による商品開発を進めるほか、パートナー企業との事業提携/社内取り込みを目指して、ベンチャーとの提携・出資やM&Aを検討する方針だ。
3. その他重点政策
その他重点施策では、まず成長を支える投資方針として、15億~20億円を目安に成長投資を計画する。具体的には、将来成長をサポートするDX投資、独自マーケットの成長や差別化のための新事業成長投資、それらの投資及びその他の成長機会を模索するための全社投資などを計画している。また、財務戦略として、東証新市場再編では「プライム市場」を選択し、企業価値向上に邁進するほか、中期経営計画3ヶ年で見込む累計営業キャッシュ・フロー25億円を、成長投資と株主還元に配分することを目指す。
さらに、ESG/SDGsの取り組みの推進として、安心の提供によって、機会不平等の緩和、公正な取引の拡大、社会変化に伴う新たなパートナーシップ実現などを促進する。例えば、高齢者向けの家賃債務保証は、定期的な見守りサービスを付帯し、貸し手の不安を解消することで、高齢者の賃借機会の拡大を実現する。医療費用保証でも、連帯保証人が確保できない入院患者や、医療未収金を抱える医療機関の課題を保証によって解決し、患者の入院機会の確保や医療経営の安定に貢献する計画だ。近年、欧州や米国を中心に、ESGの観点から企業を分析して投資をするESG投資が増えており、日本でも急拡大している。同社が、ESG/SDGsへの取り組みを重点施策の1つに掲げたことは、そうした潮流に即した動きと言えよう。
以上で見てきたとおり第2次中期経営計画は内容が充実しているが、まだ緒についたばかりであり、各々の重点施策の進捗状況の評価には時期尚早であろう。ただ、2022年3月期第3四半期までを見るかぎり、主力の家賃債務保証はまずまずの状況である。また、医療費用保証は上期にはコロナ禍の影響を受けたものの、下期に入り回復傾向であるようだ。その他の新規マーケット及び事業育成は、今後も研究を継続すべき分野である。第2次中期経営計画の、これからの進捗状況に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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