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アップガレージグループのニュース
*14:33JST アップガレG Research Memo(3):リユース業態・流通卸売業態の2事業を主軸に展開(1)
■事業内容
アップガレージグループ<7134>は、カー&バイク用品リユース業態と流通卸売業態の2事業を軸に事業を展開している。
1. リユース業態
同社の直営店舗、FC店舗及びECサイト(Croooober.com)にてリユース商品の買取・販売事業を行っている。買取の際には過去の購買履歴などのデータベースと同社のパーツに対するノウハウを活用することによって、同社と顧客双方にとって適正な価格での買取を可能にしている。買い取ったパーツを商品化する段階においては、買取商品の点検整備・クリーニング・修繕を行うことにより商品価値を高め、かつ商品により期間は異なるものの原則として1週間以上の「保証」をつけて販売し、CtoCとの差別化を図っている。2022年3月期からは新たにアップガレージラボラトリーという自社内でのホイール加工・修理を行う取り組みを開始しており、従来はリユース商品として扱うことができずに処分していたキズや劣化したホイールをリユース商品として再生し販売できるようになった。これにより、同社事業の収益性が高まっていることに加えて、SDGsの観点からも社会に貢献している。パーツを販売する際にも、在庫管理に関する過去のデータベースや販売履歴などに関するデータを活用し、価格を柔軟に設定することにより、長期間にわたって在庫となるような状況を回避している。また、ECサイトであるCroooober.comには、オークション機能も設けており、同オークションサイトを活用することにより、3ヶ月以内にすべての在庫を売り切るビジネスモデルを構築している。
(1) 店舗展開戦略
同社はリアル店舗による事業展開とECサイトを通じた販売という2つのチャネルを通じて顧客との接点を構築している。EC販売だけを拡大するのでなく、リアルの店舗展開も行っている理由は、商品の買取をいかにして全国のユーザーから行うかを重要視しているためだ。取付・取外しや複雑な車種適合確認、不定形梱包の煩雑さ等があるカー用品・バイク用品では、ECや宅配買取等の手段がまだまだ敬遠される傾向にあり、そういった顧客にも気軽に買取の持ち込みやリユース品の購入を促すために、店舗を大切な顧客接点として重視している。先述のようにカー用品・バイク用品は命を乗せる大切なものであり、リアル店舗でのプロによる取付作業などが顧客に安心感を提供しているというメリットもある。加えて、パーツの購入に付随して取付などの収益性の高いサービス業務が発生することから、同社の収益性を向上させる要因にもなっている。同社は、カー用品を扱う「アップガレージ」ブランドで店舗展開を始めたが、徐々にバイク用品の取扱需要が高まったこと、カー用品とバイク用品ではユーザーが異なり、バイク用品を販売するためには新たにバイクユーザーへの認知が必要であったこと、車のカスタムには興味がなく摩耗したタイヤの買替、タイヤホイールセットの購入のみを希望する顧客が認知とともに増加したことなどを受け、新たな店舗ブランドの展開と業容の拡大を図ってきた。現在、主力となるアップガレージに加え、展開しているブランドは以下の通り。
(a) アップガレージ ライダース
2000年に中古バイク用品の買取・販売専門の店舗ブランドとして事業を開始した。バイク用品は、カー用品と比べ比較的パーツが小さく、店舗立地や候補物件の選定もしやすくなることから、アップガレージと同一敷地内にアップガレージ ライダースを出店できるといった相乗効果も生み出している。
(b) アップガレージ ホイールズ
中古カーホイールの買取・販売を行う。カー用品のなかでも、カーホイールというより専門分野に特化した商品を扱う店舗ブランドとして、2005年に開始した。カスタムに興味はないものの、タイヤ・ホイールをリユースで利用したいというユーザーが増加していたなかで事業を開始した。タイヤとホイールに取扱商品を特化することで在庫や陳列スペースが絞られ、比較的小型店舗での運営が可能という特徴がある。これにより、地方や大型店近接でカニバリゼーションが懸念されるエリアへの出店も可能となっている。
(c) パーツまるごとクルマ&バイク買取団・アップガレージカーズ
パーツまるごとクルマ&バイク買取団は、中古車の買取を行うブランドとして、2017年7月に開始した。カスタムした車は、スポーツカーであってもセダン乗用車であっても、中古車買取業者から見るとその後の販売につなげることが難しく、かつパーツの査定ができないため、敬遠されるか、買取査定を低くされるという傾向があった。そうしたなかにあって同社では、中古パーツ用品に関する事業を運営してきた強みを武器に、カスタマイズされた車両をオーナーが少しでも満足できる価格での買取査定を可能にしている。パーツを買取・販売している同社だからこそ、買い取ったカスタムパーツを店舗で販売することも、在庫の純正パーツを使いカスタム以前の状態に戻すこともできるため、1品ごとにパーツをしっかり査定し、買取価格をつけることができる。カスタムカーでも買い取ることができるという同社の強みを生かし、2023年3月には中古カスタムカーの販売を行う「アップガレージ カーズ」を新業態として開始している。中古パーツを扱う同社ならではの特徴を生かした中古車販売で他社との差別化を図ると同時に、同社にカスタムカーの買収を依頼する顧客が増えることを狙っている。カスタムカーの買取が増えれば、同社で販売することのできるパーツラインナップも拡大することになり、ユーザーにとってより魅力的な店舗となる。今後は、店舗数を拡大していく計画だ。
(d) アップガレージ ツールズ
2018年に開始したブランドであり、中古工具の買取・販売を行っている。カー用品・バイク用品のカスタムユーザーは工具にもこだわりを見せるほか、建設業やDIYユーザーといった、今まで「アップガレージ」と取引のなかった新たな顧客層の獲得が期待できる業態である。
(e) アップガレージ サイクルズ
2022年3月に、中古自転車の本体・パーツの買取・販売を目的に開始された事業である。中古自転車市場においては、多店舗展開を行うメインプレイヤーが不在であり、リユース業態の他ブランドで蓄積した店舗運営ノウハウとEC・在庫管理システムの横展開が可能なことから、早期にマーケットリーダーとしてポジションを確立することを目指す。2023年3月期においては、女性や子ども連れなど従来接点があまりなかった顧客が店舗を利用しており、新たな顧客層の開拓にも貢献している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<SI>
アップガレージグループ<7134>は、カー&バイク用品リユース業態と流通卸売業態の2事業を軸に事業を展開している。
1. リユース業態
同社の直営店舗、FC店舗及びECサイト(Croooober.com)にてリユース商品の買取・販売事業を行っている。買取の際には過去の購買履歴などのデータベースと同社のパーツに対するノウハウを活用することによって、同社と顧客双方にとって適正な価格での買取を可能にしている。買い取ったパーツを商品化する段階においては、買取商品の点検整備・クリーニング・修繕を行うことにより商品価値を高め、かつ商品により期間は異なるものの原則として1週間以上の「保証」をつけて販売し、CtoCとの差別化を図っている。2022年3月期からは新たにアップガレージラボラトリーという自社内でのホイール加工・修理を行う取り組みを開始しており、従来はリユース商品として扱うことができずに処分していたキズや劣化したホイールをリユース商品として再生し販売できるようになった。これにより、同社事業の収益性が高まっていることに加えて、SDGsの観点からも社会に貢献している。パーツを販売する際にも、在庫管理に関する過去のデータベースや販売履歴などに関するデータを活用し、価格を柔軟に設定することにより、長期間にわたって在庫となるような状況を回避している。また、ECサイトであるCroooober.comには、オークション機能も設けており、同オークションサイトを活用することにより、3ヶ月以内にすべての在庫を売り切るビジネスモデルを構築している。
(1) 店舗展開戦略
同社はリアル店舗による事業展開とECサイトを通じた販売という2つのチャネルを通じて顧客との接点を構築している。EC販売だけを拡大するのでなく、リアルの店舗展開も行っている理由は、商品の買取をいかにして全国のユーザーから行うかを重要視しているためだ。取付・取外しや複雑な車種適合確認、不定形梱包の煩雑さ等があるカー用品・バイク用品では、ECや宅配買取等の手段がまだまだ敬遠される傾向にあり、そういった顧客にも気軽に買取の持ち込みやリユース品の購入を促すために、店舗を大切な顧客接点として重視している。先述のようにカー用品・バイク用品は命を乗せる大切なものであり、リアル店舗でのプロによる取付作業などが顧客に安心感を提供しているというメリットもある。加えて、パーツの購入に付随して取付などの収益性の高いサービス業務が発生することから、同社の収益性を向上させる要因にもなっている。同社は、カー用品を扱う「アップガレージ」ブランドで店舗展開を始めたが、徐々にバイク用品の取扱需要が高まったこと、カー用品とバイク用品ではユーザーが異なり、バイク用品を販売するためには新たにバイクユーザーへの認知が必要であったこと、車のカスタムには興味がなく摩耗したタイヤの買替、タイヤホイールセットの購入のみを希望する顧客が認知とともに増加したことなどを受け、新たな店舗ブランドの展開と業容の拡大を図ってきた。現在、主力となるアップガレージに加え、展開しているブランドは以下の通り。
(a) アップガレージ ライダース
2000年に中古バイク用品の買取・販売専門の店舗ブランドとして事業を開始した。バイク用品は、カー用品と比べ比較的パーツが小さく、店舗立地や候補物件の選定もしやすくなることから、アップガレージと同一敷地内にアップガレージ ライダースを出店できるといった相乗効果も生み出している。
(b) アップガレージ ホイールズ
中古カーホイールの買取・販売を行う。カー用品のなかでも、カーホイールというより専門分野に特化した商品を扱う店舗ブランドとして、2005年に開始した。カスタムに興味はないものの、タイヤ・ホイールをリユースで利用したいというユーザーが増加していたなかで事業を開始した。タイヤとホイールに取扱商品を特化することで在庫や陳列スペースが絞られ、比較的小型店舗での運営が可能という特徴がある。これにより、地方や大型店近接でカニバリゼーションが懸念されるエリアへの出店も可能となっている。
(c) パーツまるごとクルマ&バイク買取団・アップガレージカーズ
パーツまるごとクルマ&バイク買取団は、中古車の買取を行うブランドとして、2017年7月に開始した。カスタムした車は、スポーツカーであってもセダン乗用車であっても、中古車買取業者から見るとその後の販売につなげることが難しく、かつパーツの査定ができないため、敬遠されるか、買取査定を低くされるという傾向があった。そうしたなかにあって同社では、中古パーツ用品に関する事業を運営してきた強みを武器に、カスタマイズされた車両をオーナーが少しでも満足できる価格での買取査定を可能にしている。パーツを買取・販売している同社だからこそ、買い取ったカスタムパーツを店舗で販売することも、在庫の純正パーツを使いカスタム以前の状態に戻すこともできるため、1品ごとにパーツをしっかり査定し、買取価格をつけることができる。カスタムカーでも買い取ることができるという同社の強みを生かし、2023年3月には中古カスタムカーの販売を行う「アップガレージ カーズ」を新業態として開始している。中古パーツを扱う同社ならではの特徴を生かした中古車販売で他社との差別化を図ると同時に、同社にカスタムカーの買収を依頼する顧客が増えることを狙っている。カスタムカーの買取が増えれば、同社で販売することのできるパーツラインナップも拡大することになり、ユーザーにとってより魅力的な店舗となる。今後は、店舗数を拡大していく計画だ。
(d) アップガレージ ツールズ
2018年に開始したブランドであり、中古工具の買取・販売を行っている。カー用品・バイク用品のカスタムユーザーは工具にもこだわりを見せるほか、建設業やDIYユーザーといった、今まで「アップガレージ」と取引のなかった新たな顧客層の獲得が期待できる業態である。
(e) アップガレージ サイクルズ
2022年3月に、中古自転車の本体・パーツの買取・販売を目的に開始された事業である。中古自転車市場においては、多店舗展開を行うメインプレイヤーが不在であり、リユース業態の他ブランドで蓄積した店舗運営ノウハウとEC・在庫管理システムの横展開が可能なことから、早期にマーケットリーダーとしてポジションを確立することを目指す。2023年3月期においては、女性や子ども連れなど従来接点があまりなかった顧客が店舗を利用しており、新たな顧客層の開拓にも貢献している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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