＜動意株・２７日＞（大引け）＝三井金、ＩＴｂｏｏｋ、動物高度医療など

　三井金属＜5706.T＞＝反発。２６日の取引終了後、１５年３月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の４７００億円から４７３０億円（前期比７．２％増）へ、営業利益を同２７８億円から２９８億円（同１５．８％増）へ上方修正したことが好感されている。機能材料セグメントで各事業が総じて好調に推移したことが要因。最終利益は、持ち分法適用関連会社パンパシフィック・カッパーが子会社を通じて運営しているカセロネス銅鉱山関連資産について減損損失を計上したことから同１９０億円から１４０億円（同３．８倍）へ下方修正したが、むしろ悪材料出尽くしにつながったとの見方が強いようだ。

　ＩＴｂｏｏｋ＜3742.T＞＝急騰。１６年１月から施行されるマイナンバー制度に絡み、関連有力株としての位置付けで買われている。同制度は今年１０月から付番・通知が開始される段階にあり、従業員への給与支給や健康保険、厚生年金にかかわる手続きなど企業レベルで対応が焦眉の急となっている。そのなか、同社は官公庁や民間企業向けに全体設計やセキュリティー対策などを含めたシステム最適化で先駆、ビジネスニーズを正面から享受し成長期待が強い。

　日本動物高度医療センター＜6039.T＞＝ストップ高。２６日に東証マザーズ市場に新規上場した直近ＩＰＯ銘柄の一つで、公開価格１１３０円に対して、初値は５００円（４４．２％）高の１６３０円の初値をつけた。株式市場には珍しいイヌ・ネコ向けに高度医療を行う二次診療専門の動物病院というビジネスモデルが注目されているほか、動物病院代の年間支出額が年々増加傾向にあるという市場動向から、成長性への期待感も強いようだ。

　三晃金属工業＜1972.T＞＝後場プラス圏に急浮上。午後２時ごろ、１５年３月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の３４３億円から３４７億円（前期比５．０％増）へ、営業利益を同１７億７０００万円から２２億５０００万円（同５４．６％増）へ、純利益を同１１億３０００万円から１４億６０００万円（同２０．８％増）へ上方修正した。工事原価管理の強化で、完成工事総利益が前回の想定を上回る見通しとなったことが要因という。また、業績予想の修正に伴い、従来６円を予定していた期末一括配当を７円５０銭（前期５円）に引き上げるとあわせて発表しており、これも好材料視されている。

　ニューテック＜6734.T＞＝ストップ高。２６日の取引終了後、集計中の１５年２月期の単独業績について、売上高を従来予想の２１億２０００万円から２１億７７００万円（前の期比３．０％増）へ、営業利益を同３５００万円から５７００万円（同３２．１％減）へ、純利益を同１７００万円から３７００万円（同４８．６％減）へ上方修正したことから買いを集めている。ＯＥＭ製品で、新規の取引先の拡大と新製品の開発に注力したほか、期末にかけて学校や独立行政法人向けなどの販売が良好であったことが要因としている。

　ジーンズメイト＜7448.T＞＝急反発後に上昇幅縮小。同社は２６日の取引終了後、集計中の１５年２月期単独業績について、売上高を従来予想の９８億円から９８億１８００万円（前の期比１．１％減）へ、営業損益を収支均衡から３１００万円の黒字（前期６億８２００万円の赤字）へ、最終損益を１億５０００万円の赤字から４６００万円の赤字（同７億５６００万円の赤字）へ上方修正したことが好感されている。下期に入ってからパーカやセーター類を中心に冬物商品群が堅調に推移したことで、ほぼ計画通りの売上高が確保できる見通しのほか、人件費を中心に販管費のコントロールができたことが要因としている。

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出所：株経通信（株式会社みんかぶ）