383円
C&Gシステムズのニュース
■要約
C&Gシステムズ<6633>は金型用CAD/CAMシステムの専業メーカーで、国内シェアは20%(推定)を誇る。顧客は大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまでで、その数は約7,000事業所に上る。
1. 2017年12月期決算は減収減益だがほぼ想定内の結果
2017年12月期決算は、売上高が4,083百万円(前期比8.1%減)、営業利益が328百万円(同19.4%減)、経常利益が373百万円(同14.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が503百万円(同107.4%増)となった。主力のCAD/CAMシステム等事業は、国内販売及び保守収益が好調であったことからセグメント全体の売上高及び同利益はほぼ前期並みとなった。一方で海外は中国での販売方法をそれまでの直接販売から代理店販売へ変更したことなどから減収となったが、販売コストも減少したことから利益は減少していない。また金型製造事業が減収減益となり、全体の利益に影響を及ぼしたが、これは期初から予想されたことでありほぼ想定内の決算結果であったと言える。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅増益となったのは、繰延税金資産の回収可能性の見直しによる法人税等の戻りによる。
2. 2018年12月期は営業利益13.5%増と堅めの予想
2018年12月期通期の連結業績は、売上高4,158百万円(前期比1.9%増)、営業利益373百万円(同13.5%増)、経常利益407百万円(同9.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益172百万円(同65.8%減)と予想されている。設備投資の先行指標となる工作機械受注統計によれば受注高は高水準を維持している。ただしCAD/CAMシステムは工作機械の納入時に併せて導入されるため、現状、工作機械の出荷が遅れ気味であることを踏まえ、全体としては控え目の予想となっている。
3. 安定した既存収益源に加え次世代収益源の育成により成長を目指す
同社では中長期の目標として、既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張、成長する海外CAD/CAM市場の取り込み、次世代収益源の育成という3つの柱を掲げて業容の拡大を図っている。その中でも次の収益源として特に注目されるのが、同社が培ってきたCAM技術を生かして開発された積層造形向けCAM「AM-CAM」※である。同社の「AM-CAM」は、同時5軸制御により積層造形と切削加工を同一の機械で行えるのが特長で、自由曲面や中空形状などの複雑な形状の積層造形が可能になる。既に某中堅工作機械メーカーと共同開発した試作機を公開しており、今後の展開が大いに注目される。
※AM-CAM:AMとは「Additive Manufacturing(積層造形法)」の略で、いわゆる3Dプリンタなどの「付加加工」を実現するためのCAMのことをAM-CAMと言う。一般的に製品(部品)の加工法では、3Dプリンタなどによる「付加加工」に加えて、マシニングセンターなどによる「除去加工」、金型などによる「成型加工」がある。
■Key Points
・金型用CAD/CAMシステム専業メーカーで国内シェア20%(推定)、顧客数は7,000事業所超
・2018年12月期は営業利益13.5%増と堅めの予想
・3Dプリンタ関連の次世代ソフトウェア製品を育成中、今後の展開は要注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<MH>
C&Gシステムズ<6633>は金型用CAD/CAMシステムの専業メーカーで、国内シェアは20%(推定)を誇る。顧客は大手メーカーから従業員20人未満の中小金型メーカーまでで、その数は約7,000事業所に上る。
1. 2017年12月期決算は減収減益だがほぼ想定内の結果
2017年12月期決算は、売上高が4,083百万円(前期比8.1%減)、営業利益が328百万円(同19.4%減)、経常利益が373百万円(同14.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が503百万円(同107.4%増)となった。主力のCAD/CAMシステム等事業は、国内販売及び保守収益が好調であったことからセグメント全体の売上高及び同利益はほぼ前期並みとなった。一方で海外は中国での販売方法をそれまでの直接販売から代理店販売へ変更したことなどから減収となったが、販売コストも減少したことから利益は減少していない。また金型製造事業が減収減益となり、全体の利益に影響を及ぼしたが、これは期初から予想されたことでありほぼ想定内の決算結果であったと言える。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅増益となったのは、繰延税金資産の回収可能性の見直しによる法人税等の戻りによる。
2. 2018年12月期は営業利益13.5%増と堅めの予想
2018年12月期通期の連結業績は、売上高4,158百万円(前期比1.9%増)、営業利益373百万円(同13.5%増)、経常利益407百万円(同9.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益172百万円(同65.8%減)と予想されている。設備投資の先行指標となる工作機械受注統計によれば受注高は高水準を維持している。ただしCAD/CAMシステムは工作機械の納入時に併せて導入されるため、現状、工作機械の出荷が遅れ気味であることを踏まえ、全体としては控え目の予想となっている。
3. 安定した既存収益源に加え次世代収益源の育成により成長を目指す
同社では中長期の目標として、既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張、成長する海外CAD/CAM市場の取り込み、次世代収益源の育成という3つの柱を掲げて業容の拡大を図っている。その中でも次の収益源として特に注目されるのが、同社が培ってきたCAM技術を生かして開発された積層造形向けCAM「AM-CAM」※である。同社の「AM-CAM」は、同時5軸制御により積層造形と切削加工を同一の機械で行えるのが特長で、自由曲面や中空形状などの複雑な形状の積層造形が可能になる。既に某中堅工作機械メーカーと共同開発した試作機を公開しており、今後の展開が大いに注目される。
※AM-CAM:AMとは「Additive Manufacturing(積層造形法)」の略で、いわゆる3Dプリンタなどの「付加加工」を実現するためのCAMのことをAM-CAMと言う。一般的に製品(部品)の加工法では、3Dプリンタなどによる「付加加工」に加えて、マシニングセンターなどによる「除去加工」、金型などによる「成型加工」がある。
■Key Points
・金型用CAD/CAMシステム専業メーカーで国内シェア20%(推定)、顧客数は7,000事業所超
・2018年12月期は営業利益13.5%増と堅めの予想
・3Dプリンタ関連の次世代ソフトウェア製品を育成中、今後の展開は要注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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