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ダイコク電機のニュース
*16:01JST ダイコク電 Research Memo(1):2024年3月期上期は通期予想を増額修正し、過去最高益を更新する見通し
■要約
1. 事業概要
ダイコク電機<6430>は、パチンコホール向けコンピュータシステムの開発・製造・販売の「情報システム事業」と、パチンコ遊技機の表示ユニット及び制御ユニットの開発・製造・販売等を手掛ける「アミューズメント事業」の2本柱としている。主力のホールコンピュータ分野では、デファクトスタンダードとなっている管理手法の提供等により、業界No.1の市場シェア38.7%を占める。また、パチンコホールの経営を支援する業界随一の会員制情報提供サービス「DK-SIS」では、会員3,257件とのネットワークを形成し、同社の事業基盤を支えている。
同社は、年々縮小傾向にあるパチンコ市場のなかで、大型店舗におけるシェアを伸ばすとともに、継続的に収益が得られるストック型ビジネスモデルへの転換など、中長期を見据えた事業改革を推進している。この数年間については、出玉制限や依存症対策、遊技機の規則改正(2018年2月1日施行、以下、「新規則」)を通じて、パチンコホール業界が大きな転換点を迎えるなかで、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、「コロナ禍」)の影響も重なり、先行き不透明感から業績はしばらく厳しい状況が続いてきた。ただ、2022年11月より市場導入された注目の「スマート遊技機(スマートパチスロ※)」が順調に稼動を高めると、パチンコホールにおける設備投資の回復とともに業績も急拡大し、新たな成長フェーズを迎えている。
※スマート遊技機の一種で「スマートパチンコ」及び「スマートパチスロ」がある。これまでのように玉やメダルに触れることなく遊技することができる。パチンコホールにおける玉やメダルに係わる設備が不要になること、遊技性能が既存の遊技機よりも向上することなどに特長があり、遊技機メーカー団体(日工組・日電協)が推進していることから今後の進展が注目されている。2022年11月21日からスマートパチスロ機が市場導入され、スマートパチンコ機についても2023年4月3日から市場導入された。
2. 2024年3月期上期の業績概要
2024年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比158.4%増の29,168百万円、営業利益が同953.6%増の7,899百万円と「情報システム事業」の急拡大により大幅な増収増益を実現した。2022年11月より市場導入されたスマートパチスロの稼動が好調に推移するなかで、パチンコホールでは「スマート遊技機」に対応するための設備投資が活発化し、それに伴って、「スマート遊技機」のデータ管理に最適なAIホールコンピュータ「X(カイ)」へのシステムアップが進んだほか、スマート遊技機専用カードユニットや情報公開端末等の製品販売台数が計画を大幅に上回った。利益面でも、「情報システム事業」の拡大が収益を押し上げ、営業利益率も27.1%(前年同期は6.6%)と大幅に改善した。
3. 2024年3月期の業績予想
2024年3月期の業績について同社は、上期業績の進捗や足元の状況等を勘案し増額修正を実施した。売上高を前期比60.3%増の51,000百万円、営業利益を同61.2%増の10,500百万円と通期でも大幅な増収増益を見込んでいる。売上高は、引き続き「情報システム事業」が大きく伸長する見通しである。スマートパチスロについてはヒット機種や稼動が好調な機種も多く、下期においても普及が進む想定となっている。利益面でも、クラウド開発や自社ブランドによるスマートパチスロ機の市場投入に向けた積極的な開発投資を継続するものの、「情報システム事業」の伸びが収益を押し上げ、営業利益率も20.6%(前期は12.6%)に大きく改善する想定である。
4. 中期経営計画
同社は、「スマート遊技機」による新たな時代を迎えるにあたり、遊技機市場やパチンコホールの設備投資の活発化に向けた道筋が見えてきたことを踏まえ、2023年3月期を初年度とする中期経営計画(3ヶ年)をスタートし2年目を迎えている。「スマート遊技機」の普及に伴う需要を取り込むとともに、引き続きAIホールコンピュータ「Χ(カイ)」の普及を促進するほか、クラウドサーバーを活用したビジネス「MIRAIGATEサービス」(以下、「MGサービス」)展開の拡充により、業界唯一のプラットフォームを構築し、ストック型ビジネスへの転換を目指す。また、遊技機メーカーとして自社ブランドによるスマートパチスロ機の開発にも取り組む(2025年3月期の市場投入を目指す)。最終年度である2025年3月期の数値目標として、売上高40.000百万円、営業利益4,500百万円(営業利益率11.3%)を掲げているが、2024年3月期の業績予想(増額修正後)において、1年前倒しで計画を上回る見通しである。
■Key Points
・2024年3月期上期はスマートパチスロの順調な普及に伴い大幅な増収増益を実現
・稼動が好調なスマートパチスロの登場によりパチンコホールの設備投資需要が活発化し、カードユニットや主力製品群が伸長
・2024年3月期の業績予想を増額修正し、通期でも大幅な増収増益(過去最高業績)を見込む
・中期経営計画では、「スマート遊技機」による新たな時代を迎えるにあたり、クラウド開発を強化しストック型ビジネスへの転換、スマートパチスロ機の早期開発を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 事業概要
ダイコク電機<6430>は、パチンコホール向けコンピュータシステムの開発・製造・販売の「情報システム事業」と、パチンコ遊技機の表示ユニット及び制御ユニットの開発・製造・販売等を手掛ける「アミューズメント事業」の2本柱としている。主力のホールコンピュータ分野では、デファクトスタンダードとなっている管理手法の提供等により、業界No.1の市場シェア38.7%を占める。また、パチンコホールの経営を支援する業界随一の会員制情報提供サービス「DK-SIS」では、会員3,257件とのネットワークを形成し、同社の事業基盤を支えている。
同社は、年々縮小傾向にあるパチンコ市場のなかで、大型店舗におけるシェアを伸ばすとともに、継続的に収益が得られるストック型ビジネスモデルへの転換など、中長期を見据えた事業改革を推進している。この数年間については、出玉制限や依存症対策、遊技機の規則改正(2018年2月1日施行、以下、「新規則」)を通じて、パチンコホール業界が大きな転換点を迎えるなかで、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、「コロナ禍」)の影響も重なり、先行き不透明感から業績はしばらく厳しい状況が続いてきた。ただ、2022年11月より市場導入された注目の「スマート遊技機(スマートパチスロ※)」が順調に稼動を高めると、パチンコホールにおける設備投資の回復とともに業績も急拡大し、新たな成長フェーズを迎えている。
※スマート遊技機の一種で「スマートパチンコ」及び「スマートパチスロ」がある。これまでのように玉やメダルに触れることなく遊技することができる。パチンコホールにおける玉やメダルに係わる設備が不要になること、遊技性能が既存の遊技機よりも向上することなどに特長があり、遊技機メーカー団体(日工組・日電協)が推進していることから今後の進展が注目されている。2022年11月21日からスマートパチスロ機が市場導入され、スマートパチンコ機についても2023年4月3日から市場導入された。
2. 2024年3月期上期の業績概要
2024年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比158.4%増の29,168百万円、営業利益が同953.6%増の7,899百万円と「情報システム事業」の急拡大により大幅な増収増益を実現した。2022年11月より市場導入されたスマートパチスロの稼動が好調に推移するなかで、パチンコホールでは「スマート遊技機」に対応するための設備投資が活発化し、それに伴って、「スマート遊技機」のデータ管理に最適なAIホールコンピュータ「X(カイ)」へのシステムアップが進んだほか、スマート遊技機専用カードユニットや情報公開端末等の製品販売台数が計画を大幅に上回った。利益面でも、「情報システム事業」の拡大が収益を押し上げ、営業利益率も27.1%(前年同期は6.6%)と大幅に改善した。
3. 2024年3月期の業績予想
2024年3月期の業績について同社は、上期業績の進捗や足元の状況等を勘案し増額修正を実施した。売上高を前期比60.3%増の51,000百万円、営業利益を同61.2%増の10,500百万円と通期でも大幅な増収増益を見込んでいる。売上高は、引き続き「情報システム事業」が大きく伸長する見通しである。スマートパチスロについてはヒット機種や稼動が好調な機種も多く、下期においても普及が進む想定となっている。利益面でも、クラウド開発や自社ブランドによるスマートパチスロ機の市場投入に向けた積極的な開発投資を継続するものの、「情報システム事業」の伸びが収益を押し上げ、営業利益率も20.6%(前期は12.6%)に大きく改善する想定である。
4. 中期経営計画
同社は、「スマート遊技機」による新たな時代を迎えるにあたり、遊技機市場やパチンコホールの設備投資の活発化に向けた道筋が見えてきたことを踏まえ、2023年3月期を初年度とする中期経営計画(3ヶ年)をスタートし2年目を迎えている。「スマート遊技機」の普及に伴う需要を取り込むとともに、引き続きAIホールコンピュータ「Χ(カイ)」の普及を促進するほか、クラウドサーバーを活用したビジネス「MIRAIGATEサービス」(以下、「MGサービス」)展開の拡充により、業界唯一のプラットフォームを構築し、ストック型ビジネスへの転換を目指す。また、遊技機メーカーとして自社ブランドによるスマートパチスロ機の開発にも取り組む(2025年3月期の市場投入を目指す)。最終年度である2025年3月期の数値目標として、売上高40.000百万円、営業利益4,500百万円(営業利益率11.3%)を掲げているが、2024年3月期の業績予想(増額修正後)において、1年前倒しで計画を上回る見通しである。
■Key Points
・2024年3月期上期はスマートパチスロの順調な普及に伴い大幅な増収増益を実現
・稼動が好調なスマートパチスロの登場によりパチンコホールの設備投資需要が活発化し、カードユニットや主力製品群が伸長
・2024年3月期の業績予想を増額修正し、通期でも大幅な増収増益(過去最高業績)を見込む
・中期経営計画では、「スマート遊技機」による新たな時代を迎えるにあたり、クラウド開発を強化しストック型ビジネスへの転換、スマートパチスロ機の早期開発を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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