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酒井重工業のニュース
*14:41JST 酒井重 Research Memo(1):2024年3月期第1四半期は前年同期比22.8%の営業増益。特に北米向けが堅調
■要約
酒井重工業<6358>は道路舗装用ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカー。長い歴史を有し、国内シェアは70%超を誇るトップメーカーである。近年では北米や東南アジアを中心に海外市場の開拓に注力している。
1. 2024年3月期第1四半期の業績概要
2024年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が7,529百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益が551百万円(同22.8%増)、経常利益が692百万円(同34.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が471百万円(同17.2%増)となった。地域区分別では、天候不順等による工事進捗の遅れが発生し、前年同期比0.4%減となったが、需要そのものは国土強靭化加速化対策を背景として底堅く堅調に推移している。また海外も堅調に推移しており、特に米国ではインフラ投資法を背景とした道路建設投資の拡大により、売上高は前年同期比33.1%増となった。アジア向けは、インドネシアで需要回復が進んだものの、一部市場で成長鈍化の兆しが見られ、前年同期比4.2%減となった。第1四半期は期初予想を発表していないが、おおむね計画に沿った結果だったようだ。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の連結業績は、売上高が33,000百万円(前期比4.9%増)、営業利益が2,950百万円(同17.7%増)、経常利益が2,800百万円(同20.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,830百万円(同8.0%増)の見込みで、期初予想から変更はない。顧客の所在地別の売上高・利益の見通しは開示されていないが、各地域とも増収を目指す方針だ。世界的にインフラ投資が拡大するなか、世界の建設機械需要は底堅く推移すると予想している。部材価格のさらなる上昇懸念が残るが、価格改定がさらに浸透することなどから利益率も改善する見込みであり、営業利益率は前期比0.9ポイント上昇する予想となっている。ただし、今後の進捗状況については四半期毎に見直しを行い、必要であれば業績修正を行う予定だ。
3. 中期の成長戦略
同社は、2021年6月に2026年3月期を最終年度とする「中期的な経営方針」を発表している。最終目標として「企業価値・株主価値の向上」を掲げ、これを達成するために「事業の成長戦略」と「効率的な資本戦略」を推進する方針だ。定量的な目標としては、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE(自己資本当期純利益率)8%を実現し、安定的に配当性向50%を維持することを目指す。初年度である2022年3月期、次年度である2023年3月期の業績は堅調に推移したが、現時点でこの計画は変更しておらず、数値目標も据え置いている。2024年3月期の配当については、ROEが6.0%を上回る見込みであることから、公約どおり配当性向50%として、年間配当を215.0円(中間90.0円、期末125.0円)とすることを発表済みだ。このように、ROEの改善に向けて明白な資本政策を発表し、それに沿った株主還元を実行している同社の姿勢は、評価に値すると言える。
■Key Points
・長い歴史を有するロードローラのトップメーカーで国内シェアは70%超。海外シェアの拡大により成長を図る
・2024年3月期第1四半期は前年同期比22.8%の営業増益を達成したが、通期予想は変更せず
・中期的な数値目標として、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE8%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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酒井重工業<6358>は道路舗装用ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカー。長い歴史を有し、国内シェアは70%超を誇るトップメーカーである。近年では北米や東南アジアを中心に海外市場の開拓に注力している。
1. 2024年3月期第1四半期の業績概要
2024年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が7,529百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益が551百万円(同22.8%増)、経常利益が692百万円(同34.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が471百万円(同17.2%増)となった。地域区分別では、天候不順等による工事進捗の遅れが発生し、前年同期比0.4%減となったが、需要そのものは国土強靭化加速化対策を背景として底堅く堅調に推移している。また海外も堅調に推移しており、特に米国ではインフラ投資法を背景とした道路建設投資の拡大により、売上高は前年同期比33.1%増となった。アジア向けは、インドネシアで需要回復が進んだものの、一部市場で成長鈍化の兆しが見られ、前年同期比4.2%減となった。第1四半期は期初予想を発表していないが、おおむね計画に沿った結果だったようだ。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の連結業績は、売上高が33,000百万円(前期比4.9%増)、営業利益が2,950百万円(同17.7%増)、経常利益が2,800百万円(同20.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,830百万円(同8.0%増)の見込みで、期初予想から変更はない。顧客の所在地別の売上高・利益の見通しは開示されていないが、各地域とも増収を目指す方針だ。世界的にインフラ投資が拡大するなか、世界の建設機械需要は底堅く推移すると予想している。部材価格のさらなる上昇懸念が残るが、価格改定がさらに浸透することなどから利益率も改善する見込みであり、営業利益率は前期比0.9ポイント上昇する予想となっている。ただし、今後の進捗状況については四半期毎に見直しを行い、必要であれば業績修正を行う予定だ。
3. 中期の成長戦略
同社は、2021年6月に2026年3月期を最終年度とする「中期的な経営方針」を発表している。最終目標として「企業価値・株主価値の向上」を掲げ、これを達成するために「事業の成長戦略」と「効率的な資本戦略」を推進する方針だ。定量的な目標としては、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE(自己資本当期純利益率)8%を実現し、安定的に配当性向50%を維持することを目指す。初年度である2022年3月期、次年度である2023年3月期の業績は堅調に推移したが、現時点でこの計画は変更しておらず、数値目標も据え置いている。2024年3月期の配当については、ROEが6.0%を上回る見込みであることから、公約どおり配当性向50%として、年間配当を215.0円(中間90.0円、期末125.0円)とすることを発表済みだ。このように、ROEの改善に向けて明白な資本政策を発表し、それに沿った株主還元を実行している同社の姿勢は、評価に値すると言える。
■Key Points
・長い歴史を有するロードローラのトップメーカーで国内シェアは70%超。海外シェアの拡大により成長を図る
・2024年3月期第1四半期は前年同期比22.8%の営業増益を達成したが、通期予想は変更せず
・中期的な数値目標として、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE8%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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