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藤商事のニュース
■業績動向
1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要
藤商事<6257>の2022年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比18.2%増の7,823百万円、営業損失で3,428百万円(前年同期は3,373百万円の営業損失)、経常損失で3,382百万円(同3,332百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失で2,616百万円(同3,823百万円の純損失)となり、おおむね計画通りの進捗となった。
コロナ禍でパチンコホールの厳しい経営環境が続くなかで、パチンコ遊技機の販売台数は前年同期比53.4%増の25.5千台と回復した。前年同期は緊急事態宣言の発令により4~5月にかけてパチンコホールで営業を自粛する動きがあり、販売台数が大きく落ち込んでいたことや、2022年1月末に到来する旧規則機の撤去期限に向けて新規則機への入替需要が発生したことが増加要因となった。とは言え、水準としてはまだ低く損益の分岐点に達するまでには至らなかった。
2.パチンコ機・パチスロ機の販売状況
新機種に関しては「P地獄少女 きくりのお祭りLIVE」(2021年4月発売)、「P真・暴れん坊将軍 双撃」(同年7月発売)の主力タイトル2機種を投入したほか、「Pリング 呪いの7日間2」など、その他のシリーズ機種も追加販売した。新機種の稼働力に関してはパチンコホールへの客足の戻りが限定的なものにとどまったこともあり、いずれもやや想定を下回ったようだ。なお、パチスロ遊技機については前期に引き続き新機種の投入が無かった。
パチンコ遊技機の売上高は前年同期比18.3%増の7,821百万円となり、平均販売単価で見ると306千円と同23.0%低下した。これはパネル販売※やリユース機の販売増加が要因と見られる。パネル販売については本体販売(外枠付き販売)に比べて材料費が少なくなるため販売価格も低くなる。ただ、材料費率の低下で売上総利益率は高くなり、当第2四半期累計の売上総利益率は前年同期比で3.2ポイント上昇した。引き続きリユース品の採用率を高めたことも改善要因となっている。一方で、1台当たりの売上総利益については販売構成比の変化を主因として前年同期比17%程度減少しており、販売台数の増加によって売上総利益が伸長した格好となっている。
※販売形態は外枠も含めた本体販売と、外枠を残したまま盤面(パネル)とサイドユニットのみを入れ替えるパネル販売の2通りがある。本体販売では売上総利益率が低下するものの、営業利益ベースでの影響はほとんどない。一方、パネル販売を行うことでホール側から見れば次機種への入れ替えコストを低く抑えることが可能となるため、シェアの維持向上につなげていく販売戦略となっている。
販管費率は前年同期の96.1%から92.2%に低下したが、金額ベースでは同854百万円増の7,212百万円となった。項目別で見ると、研究開発費が同478百万円増、販売手数料が同18百万円増、広告宣伝費が同38百万円増、その他経費が同787百万円増となり、研究開発費とその他経費が主な増加要因となった。なお、特別利益として投資有価証券売却益139百万円を計上している。
無借金経営で手元キャッシュは170億円超え、財務の健全性は高い
3.財務状況と経営指標
2022年3月期第2四半期末の総資産は前期末比8,361百万円減少の42,434百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産は現金及び預金・有価証券が1,334百万円減少したほか、売上債権が6,074百万円減少した。また、固定資産では繰延税金資産が894百万円増加した一方で、有形固定資産が190百万円、投資有価証券が1,522百万円と、それぞれ減少した。
負債合計は前期末比4,561百万円減少の5,400百万円となった。流動負債で仕入債務が2,860百万円減少したほか、未払法人税等が533百万円減少するなど、主に流動負債の減少によるものとなっている。また、純資産は同3,799百万円減少の37,034百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純損失2,616百万円の計上と、配当金支出559百万円により利益剰余金が減少したほか、その他有価証券評価差額金が552百万円減少した。
財務指標を見ると、自己資本比率は87.3%と引き続き高水準を維持しており、無借金経営で手元キャッシュも減少したとはいえ170億円超と潤沢なことから、財務の健全性は確保されているものと判断される。当面の課題は収益の回復となり、パチンコ遊技機だけでなくパチスロ遊技機において、稼働力の高い新機種をいかに増やしていくことができるかが鍵を握ることとなる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要
藤商事<6257>の2022年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比18.2%増の7,823百万円、営業損失で3,428百万円(前年同期は3,373百万円の営業損失)、経常損失で3,382百万円(同3,332百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失で2,616百万円(同3,823百万円の純損失)となり、おおむね計画通りの進捗となった。
コロナ禍でパチンコホールの厳しい経営環境が続くなかで、パチンコ遊技機の販売台数は前年同期比53.4%増の25.5千台と回復した。前年同期は緊急事態宣言の発令により4~5月にかけてパチンコホールで営業を自粛する動きがあり、販売台数が大きく落ち込んでいたことや、2022年1月末に到来する旧規則機の撤去期限に向けて新規則機への入替需要が発生したことが増加要因となった。とは言え、水準としてはまだ低く損益の分岐点に達するまでには至らなかった。
2.パチンコ機・パチスロ機の販売状況
新機種に関しては「P地獄少女 きくりのお祭りLIVE」(2021年4月発売)、「P真・暴れん坊将軍 双撃」(同年7月発売)の主力タイトル2機種を投入したほか、「Pリング 呪いの7日間2」など、その他のシリーズ機種も追加販売した。新機種の稼働力に関してはパチンコホールへの客足の戻りが限定的なものにとどまったこともあり、いずれもやや想定を下回ったようだ。なお、パチスロ遊技機については前期に引き続き新機種の投入が無かった。
パチンコ遊技機の売上高は前年同期比18.3%増の7,821百万円となり、平均販売単価で見ると306千円と同23.0%低下した。これはパネル販売※やリユース機の販売増加が要因と見られる。パネル販売については本体販売(外枠付き販売)に比べて材料費が少なくなるため販売価格も低くなる。ただ、材料費率の低下で売上総利益率は高くなり、当第2四半期累計の売上総利益率は前年同期比で3.2ポイント上昇した。引き続きリユース品の採用率を高めたことも改善要因となっている。一方で、1台当たりの売上総利益については販売構成比の変化を主因として前年同期比17%程度減少しており、販売台数の増加によって売上総利益が伸長した格好となっている。
※販売形態は外枠も含めた本体販売と、外枠を残したまま盤面(パネル)とサイドユニットのみを入れ替えるパネル販売の2通りがある。本体販売では売上総利益率が低下するものの、営業利益ベースでの影響はほとんどない。一方、パネル販売を行うことでホール側から見れば次機種への入れ替えコストを低く抑えることが可能となるため、シェアの維持向上につなげていく販売戦略となっている。
販管費率は前年同期の96.1%から92.2%に低下したが、金額ベースでは同854百万円増の7,212百万円となった。項目別で見ると、研究開発費が同478百万円増、販売手数料が同18百万円増、広告宣伝費が同38百万円増、その他経費が同787百万円増となり、研究開発費とその他経費が主な増加要因となった。なお、特別利益として投資有価証券売却益139百万円を計上している。
無借金経営で手元キャッシュは170億円超え、財務の健全性は高い
3.財務状況と経営指標
2022年3月期第2四半期末の総資産は前期末比8,361百万円減少の42,434百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産は現金及び預金・有価証券が1,334百万円減少したほか、売上債権が6,074百万円減少した。また、固定資産では繰延税金資産が894百万円増加した一方で、有形固定資産が190百万円、投資有価証券が1,522百万円と、それぞれ減少した。
負債合計は前期末比4,561百万円減少の5,400百万円となった。流動負債で仕入債務が2,860百万円減少したほか、未払法人税等が533百万円減少するなど、主に流動負債の減少によるものとなっている。また、純資産は同3,799百万円減少の37,034百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純損失2,616百万円の計上と、配当金支出559百万円により利益剰余金が減少したほか、その他有価証券評価差額金が552百万円減少した。
財務指標を見ると、自己資本比率は87.3%と引き続き高水準を維持しており、無借金経営で手元キャッシュも減少したとはいえ170億円超と潤沢なことから、財務の健全性は確保されているものと判断される。当面の課題は収益の回復となり、パチンコ遊技機だけでなくパチスロ遊技機において、稼働力の高い新機種をいかに増やしていくことができるかが鍵を握ることとなる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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