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*14:41JST キャリアリンク Research Memo(1):地方自治体向けBPO案件の獲得により3年後に売上高1.5倍増を目指す
■要約
キャリアリンク<6070>グループは、BPO(Business Process Outsourcing)関連を中心とした事務系人材サービス事業を中心に、製造系人材サービス事業、営業系人材サービス事業を展開する総合人材サービス会社。大量動員・早期立ち上げが必要とされるプロジェクトの運用ノウハウに強みを持ち大手BPO事業者経由の案件も数多く手掛ける。2022年4月の東京証券取引所市場区分再編に伴い、プライム市場へ移行した。
1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の連結業績は、売上高で52,536百万円、営業利益で7,609百万円と過去最高業績を大幅更新した。前期は13カ月の変則決算であったため、2021年4月~2022年3月期の業績を収益認識会計基準で換算した数値と比較すると、売上高で34.5%増、営業利益で139.3%増となる。地方自治体及び大手BPO事業者からのスポット案件を含むBPO請負案件の受注が大幅に増加したこと、また製造系人材サービス事業も事業拠点の拡大により既存顧客並びに新規顧客からの受注が好調に推移し、売上増に貢献した。利益面では、増収効果に加えてBPO請負案件業務の運用効率化が図られたことや登録者募集費、業務委託費等の効率化及び節減が寄与し大幅増益となった。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期は売上高で前期比18.7%増の62,365百万円、営業利益で同7.9%減の7,010百万円と増収減益を見込む。売上高は地方自治体の新規取引先拡大と既存取引先での受注量拡大、並びに大手BPO事業者等からの受注量拡大により高成長が続く見通し。地方自治体向けではマイナンバー関連業務や各種給付金・交付金等業務、窓口業務等を中心に複数案件の受注獲得に取り組むことで売上規模を拡大していく。一方、利益面ではスタッフ登録者募集費や中途社員の採用強化、システム開発費等の増加が見込まれるほか、採算が相対的に高いスポットBPO案件については、受注確定済みの案件以外は計画に織り込んでないことから減益を見込んでいる。前期はBPO関連事業のうちスポット案件の売上比率が約27%と、例年に比べて高い水準となっていたことも利益率低下の一因となる。ただし、今期の計画には未確定のスポット案件について織り込んでおらず、新規スポット案件を受注すれば業績の上乗せ要因となる。ここ1~2年はスポット案件の受注獲得により業績の上方修正を続けてきただけに、今回の業績計画についても上振れ余地を残したものとなっており、今後の動向が注目される。
3. 中期経営計画
同社は、2023年5月に3ヶ年の中期利益計画を発表した。最終年度となる2026年3月期に売上高80,335百万円、営業利益9,384百万円を目指す。3年間の年平均成長率は売上高で15.2%成長となる。営業利益は2024年3月期に一旦落ち込む計画となっているが、2025年3月期以降の2年間では年率15.7%の増益ペースとなる。成長ドライバーは自治体向けBPO案件で、取引先自治体数の拡大と1自治体当たり受注件数の増加で高成長を目指す。2024年3月期からは、今までよりも規模の小さな地方自治体や小規模案件の取引も積極的に開拓する。マイナンバー関連業務については更新作業や健康保険証等との一体化に関連した業務も今後発生するものと予想される。子育て政策の拡充に伴う各種給付金関連や法改正関連案件などBPOの活用が想定される案件は多岐にわたっており、こうした案件を多くの地方自治体または大手BPO事業者などを通じて受注していくことで業績目標を達成していく考えだ。
4. 株主還元策
同社は配当政策として、内部留保の確保と経営成績などを総合的に判断し、適正で安定した配当の継続を基本方針としており、配当性向の目安としては30%を目指す方針とした。2023年3月期の1株当たり配当金は同方針に基づき、前期比70.0円増配となる110.0円(配当性向22.8%)とした。2024年3月期も同10.0円増配の120.0円(同29.7%)と4期連続の増配を予定している。また、株主優待制度も導入しており、毎年9月末の株主に対して保有株式数や継続保有期間に応じてQUOカードを贈呈している。
■Key Points
・BPO関連の急成長により2023年3月期は過去最高業績を大幅更新に
・地方自治体向けBPO案件の受注拡大により2024年3月期も2ケタ増収見通し
・膨大な公共BPO案件を開拓、2026年3月期に売上高800億円、営業利益90億円超えを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
キャリアリンク<6070>グループは、BPO(Business Process Outsourcing)関連を中心とした事務系人材サービス事業を中心に、製造系人材サービス事業、営業系人材サービス事業を展開する総合人材サービス会社。大量動員・早期立ち上げが必要とされるプロジェクトの運用ノウハウに強みを持ち大手BPO事業者経由の案件も数多く手掛ける。2022年4月の東京証券取引所市場区分再編に伴い、プライム市場へ移行した。
1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の連結業績は、売上高で52,536百万円、営業利益で7,609百万円と過去最高業績を大幅更新した。前期は13カ月の変則決算であったため、2021年4月~2022年3月期の業績を収益認識会計基準で換算した数値と比較すると、売上高で34.5%増、営業利益で139.3%増となる。地方自治体及び大手BPO事業者からのスポット案件を含むBPO請負案件の受注が大幅に増加したこと、また製造系人材サービス事業も事業拠点の拡大により既存顧客並びに新規顧客からの受注が好調に推移し、売上増に貢献した。利益面では、増収効果に加えてBPO請負案件業務の運用効率化が図られたことや登録者募集費、業務委託費等の効率化及び節減が寄与し大幅増益となった。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期は売上高で前期比18.7%増の62,365百万円、営業利益で同7.9%減の7,010百万円と増収減益を見込む。売上高は地方自治体の新規取引先拡大と既存取引先での受注量拡大、並びに大手BPO事業者等からの受注量拡大により高成長が続く見通し。地方自治体向けではマイナンバー関連業務や各種給付金・交付金等業務、窓口業務等を中心に複数案件の受注獲得に取り組むことで売上規模を拡大していく。一方、利益面ではスタッフ登録者募集費や中途社員の採用強化、システム開発費等の増加が見込まれるほか、採算が相対的に高いスポットBPO案件については、受注確定済みの案件以外は計画に織り込んでないことから減益を見込んでいる。前期はBPO関連事業のうちスポット案件の売上比率が約27%と、例年に比べて高い水準となっていたことも利益率低下の一因となる。ただし、今期の計画には未確定のスポット案件について織り込んでおらず、新規スポット案件を受注すれば業績の上乗せ要因となる。ここ1~2年はスポット案件の受注獲得により業績の上方修正を続けてきただけに、今回の業績計画についても上振れ余地を残したものとなっており、今後の動向が注目される。
3. 中期経営計画
同社は、2023年5月に3ヶ年の中期利益計画を発表した。最終年度となる2026年3月期に売上高80,335百万円、営業利益9,384百万円を目指す。3年間の年平均成長率は売上高で15.2%成長となる。営業利益は2024年3月期に一旦落ち込む計画となっているが、2025年3月期以降の2年間では年率15.7%の増益ペースとなる。成長ドライバーは自治体向けBPO案件で、取引先自治体数の拡大と1自治体当たり受注件数の増加で高成長を目指す。2024年3月期からは、今までよりも規模の小さな地方自治体や小規模案件の取引も積極的に開拓する。マイナンバー関連業務については更新作業や健康保険証等との一体化に関連した業務も今後発生するものと予想される。子育て政策の拡充に伴う各種給付金関連や法改正関連案件などBPOの活用が想定される案件は多岐にわたっており、こうした案件を多くの地方自治体または大手BPO事業者などを通じて受注していくことで業績目標を達成していく考えだ。
4. 株主還元策
同社は配当政策として、内部留保の確保と経営成績などを総合的に判断し、適正で安定した配当の継続を基本方針としており、配当性向の目安としては30%を目指す方針とした。2023年3月期の1株当たり配当金は同方針に基づき、前期比70.0円増配となる110.0円(配当性向22.8%)とした。2024年3月期も同10.0円増配の120.0円(同29.7%)と4期連続の増配を予定している。また、株主優待制度も導入しており、毎年9月末の株主に対して保有株式数や継続保有期間に応じてQUOカードを贈呈している。
■Key Points
・BPO関連の急成長により2023年3月期は過去最高業績を大幅更新に
・地方自治体向けBPO案件の受注拡大により2024年3月期も2ケタ増収見通し
・膨大な公共BPO案件を開拓、2026年3月期に売上高800億円、営業利益90億円超えを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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