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EG Research Memo(5):電通グループのサイバー・コミュニケーションズと広告関連業務BPOの合弁会社設立

配信元:フィスコ
投稿:2020/07/02 15:05
■成長戦略

1. サイバー・コミュニケーションズと広告関連業務BPOの合弁会社を設立
イー・ガーディアン<6050>は2020年4月、電通グループのサイバー・コミュニケーションズとの合弁により、広告・マーケティングに特化したビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業を展開する新会社ビズテーラー・パートナーズを設立した。サイバー・コミュニケーションズは日本のインターネット広告が誕生した1996年に設立。デジタルマーケティング全般のサービスを展開、数百の媒体社・広告会社との取引とともに、業界をけん引する存在。この新会社設立は、同社が長年培ってきた、広告入稿・審査から広告監視業務までの多岐にわたる「人とシステム」によるBPO業務ノウハウと、サイバー・コミュニケーションズが持つデジタル広告のオペレーションのノウハウを融合させ、広告・マーケティング領域BPOのトータルソリューションを展開することが目的である。新会社の成長が期待されるとともに、運営に関してはイー・ガーディアンが実務を担当することが予想され、同社のアド・プロセス業務の成長に寄与することが期待される。新会社に対する同社の出資比率は10%である。

2019年の国内のインターネット広告市場は2兆円を突破し、テレビメディアを抜いて、広告市場全体のけん引役となっている。更なる市場拡大が期待される一方で、インターネット広告の運用は複雑さを増し、人材不足が深刻な課題となっており、安定かつ持続的に業務を遂行できる事業運営基盤の重要性が高まっている。

2. クラウドセキュリティ分野では日本初のAI利用コンテナ型WAF「GUARDIAX」をリリース
同社は2019年8月にグレスアベイルを連結子会社化し、クラウドセキュリティ市場に本格参入した。グレスアベイルは「日本発のサイバーセキュリティ創造へ」をスローガンに国産クラウド型セキュリティ製品を自社開発し、高品質なサービスを提供している。また、同社の徳丸浩(とくまるひろし)氏(EGセキュアソリューションズ代表取締役)がグレスアベイルの取締役に就任し、開発を監修することで、さらに導入効果が高く使いやすいサービスを目指している。2019年11月には、その協業の成果として次世代クラウド型WAFサービス「GUARDIAX」コンテナ版をリリースした。この製品(コンテナ版)は、AIによる自動解析防御などが装備された日本初の製品タイプであり、従来タイプ(クラウド型、オンプレミス型)と比較して、1)アクセス遅延が発生しない、2)通信コストが低い、3)規模に応じたオートスケール、4)メンテナンスの手間が軽減できる、などが特長となっている。

近年、多くの個人情報漏洩や仮想通貨の流出、キャッシュレス決済の不正利用などのセキュリティ問題が発生し、サイバー攻撃への対応が企業活動における大きなリスクとして注目されている。同社としてはサイバーセキュリティ領域を次代を担う成長分野と捉えており、脆弱性診断などネットセキュリティ(人的サービス)とクラウド型セキュリティ(自動・機械的サービス)の両輪で市場を開拓する。

3. 新型コロナウイルスの同社業績への影響
新型コロナウイルスは同社の事業に様々な影響をもたらしている。弊社では、現時点(2020年6月中旬)でプラス・マイナス面の両面があり、総合的には同社業績へのインパクトはややプラス面が上回ると見込んでいる。顧客業界の変化に関しては、ソーシャルサポート業務及びゲームサポート業務において、動画・eコマース・ゲーム等の利用増加(巣ごもり消費)による問い合わせ増加は、従量課金が主となる同社のビジネスモデルにとってはプラスとなる。マイナス面では、外出自粛による口コミサイト等の問い合わせ減少や新規ゲームタイトルの発売延期による新規案件の減少などがある。また、アド・プロセス業務では、ネット広告出稿の減少による広告審査・運用代行の減少がある。これらのマイナス面は一過性の面もあり、緊急事態宣言が解除され仕事や日常生活が戻るなかで足元改善しつつある。社内の働き方についても大きく変化をした。同社には1,591名の従業員が在籍するが、約半数は在宅勤務(テレワーク)で業務が遂行できている。このことは、セキュリティ対策や顧客の承諾があれば、中長期的にも在宅勤務がある程度は可能なことを証明した形であり、将来的にセンター投資が抑制できる可能性を見出したとも言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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配信元: フィスコ
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