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三機サービス Research Memo(5):延期になった案件の回復や新規サービスの展開により過去最高に迫る売上高計上

配信元:フィスコ
投稿:2022/08/24 15:05
■業績動向

1. 2022年5月期の業績概要
三機サービス<6044>の2022年5月期の連結業績は、売上高が前期比0.5%増の11,581百万円、営業利益が同23.4%減の221百万円、経常利益が同23.6%減の224百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.3%減の154百万円となった。省エネ提案のメインターゲットである病院において、コロナ禍による緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の断続的な適用に伴い、現地調査を含む提案や着工の延期が発生した。また、以前からの半導体や樹脂材料等の供給不足に加えて、世界情勢の不安定化の影響により、インバータやブレーカー等の納期がさらに遅延しており、省エネ提案に対する需要は多くあるものの着工が延期されている状況でもある。この状況のなか、納期が比較的短期となる商材を主とした提案等を実施した結果、売上高は増収で着地した。一方、利益面では、人件費を含めた販管費の見直しを図ったものの、顧客との契約内容変更により利益率が低下し、減益となった。

売上高は、コロナ禍の影響で延期になった案件が回復したほか、新規サービスの展開により、過去最高(2020年5月期の11,679百万円)に迫る売上高を計上した。また、創業時からの売上高推移では、メーカー指定空調保守の安定的な売上に加え、2000年以降はトータルメンテナンスビジネスに参入し成長している。

営業利益増減要因については、小売業の顧客との契約内容変更に伴い売上総利益が174百万円減少したことが主な減少要因となる。また、採用強化に伴い採用費が20百万円増加したものの、業務効率化を推進したことなどにより人件費が40百万円減少した。このほか、海外子会社の経費が62百万円減少したことなどにより、販管費は106百万円減少した。同社は、コスト削減のために引き続き社内メンテナンスエンジニアの多能工化を推進し内製化率を上げるとともに、設備機器の実機による研修等で人材を育成することで事業拡大を図っていく方針であることから、弊社では今後の利益改善に期待している。

2. サービス種別売上高
工事案件は、小売案件の機器更新や省エネ案件の新規獲得により、売上高は前期比19.4%増の3,551百万円、売上構成比は同5.0ポイント上昇し31.5%となった。一方、定期案件の売上高は同10.1%減の2,528百万円、売上構成比は同2.6ポイント低下し22.4%となった。また、修理案件の売上高は同4.8%減の5,190百万円、売上構成比は同2.4ポイント低下し46.1%となった。

3. 顧客属性別売上構成の推移
小売業は、顧客との契約内容変更により、売上高は前期比6.1%減の6,405百万円、売上構成比は同3.9ポイント低下し56.8%となった。一方、新規マーケット開拓により、その他の売上高は同15.4%増の1,960百万円、売上構成比は同2.3ポイント上昇し17.4%となった。なお、小売業の契約内容変更については、基本的なベースは減っているものの、他の小売業の顧客で伸ばしていく考えだ。コロナ禍の2年で新規顧客を仕込んだこともあり、2023年5月期以降は小売業が回復基調となる可能性が高いと弊社では考えている。

4. 財政状態の概況
2022年5月期末の資産合計は前期末比12百万円減少し5,081百万円となった。このうち、流動資産は同96百万円増加し4,054百万円となった。主な要因は、現金及び預金が108百万円減少した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が71百万円増加したこと等による。固定資産は同109百万円減少し1,026百万円となった。負債合計は同65百万円減少し2,063百万円となった。このうち、流動負債は工事未払金が129百万円増加したこと等により、同61百万円増加し1,551百万円となった。固定負債は同127百万円減少し512百万円となった。純資産合計は利益剰余金が65百万円増加したこと等により、同53百万円増加し3,017百万円となった。

これらの結果、自己資本比率は59.4%(前期は58.2%)となった。一方、ROE(自己資本当期純利益率)は、親会社株主に帰属する当期純利益の減少及び自己資本の増加により5.2%(前期は6.0%)に低下した。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)


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配信元: フィスコ
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