＜注目銘柄＞＝ＵＡＣＪ、２２年３月期業績Ｖ字回復を先取りへ

　ＵＡＣＪ<5741.T>はアルミ圧延の最大手で２０１３年に古河スカイと住友軽金属の統合で誕生した経緯がある。２１年３月期は新型コロナウイルスの影響もあって収益環境は逆風に晒されていたが、アルミ地金価格の上昇や操業改善などが寄与して、営業利益は従来予想の３５億円から８０億円（前期比２１％減益）に上方修正した。

　足もとでは米国や中国などをはじめ新車販売が急回復していることで自動車向け部材が伸びているほか、飲料缶材も好調に推移。今後は世界的な半導体需要逼迫を受けた半導体製造装置向け厚板なども高水準の需要を確保することが予想される。北米やタイの工場は既にフル稼働体制にある。２２年３月期業績は合理化努力と相まって、営業利益が急拡大する公算大。今期予想比５割増の１２０億円を下限ラインとするＶ字回復の可能性が高い。

　株価は昨年来高値圏を走っているが、ＰＢＲは０．７倍台と低く、更なる上値余地が期待される。株式需給面は買い残が枯れ切った状態にあり、直近信用倍率は０．４９倍。日証金では株不足で逆日歩がつく状態にある。目先押し目を形成しながらも下値を切り上げる展開が予想され、１８年１月以来３年２カ月ぶりの３０００円大台復帰が有力視される。（桂）

出所：MINKABU PRESS