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くすりの窓口のニュース
―本格論戦始まる、半導体や花粉症対策、リスキリングなどをピックアップ―
各国の金融政策や中東の地政学リスクを巡って全体相場に不透明感が漂うなか、個別では国策に絡む銘柄群が注目度を増している。岸田首相が9月下旬に新たな経済対策の取りまとめを目指す方針を表明して以降、対策の中身が報道ベースで続々と判明し、政策への関心が高まったためだ。政府は近く経済対策を決定し、裏付けとなる補正予算を現在開会中の臨時国会で成立させる構えにある。「国策に売りなし」の相場格言があるように、株式市場において国が打ち出す政策は常に有力な投資テーマであり、関連銘柄へのマークは怠れない。
●注目の経済対策、十数兆円規模とも
今月20日から臨時国会がスタートした。焦点は旧統一教会問題やライドシェア導入などさまざまあるが、なかでも注目は経済対策だ。岸田首相は23日の所信表明演説で、「供給力の強化」と「国民への還元」を車の両輪として対策を実行していく考えを示した。所得税減税や電気代の負担軽減策のほか、半導体分野への投資促進に向けた税制創設などが盛り込まれる見通しだ。
経済対策に含まれる施策はこのほか、直近までの間に各メディアの報道で相次ぎ明らかとなっている。花粉症対策、リスキリング支援、中小企業向け支援に加え、教育現場での性犯罪防止に向けた監視カメラの設置、オンライン診療の普及などだ。今回の経済対策は十数兆円規模になるとも伝わっており、これら各施策は今後強力に推し進められていくことになるだろう。以下では、数ある施策の中から「半導体」「花粉症対策」「リスキリング」「中小企業向け支援」「監視カメラ」「オンライン診療」の6つをピックアップし、それぞれのテーマに関連する妙味株を1銘柄ずつ、計6銘柄取り上げた。
●テーマ別妙味株6銘柄
【半導体】…巴川製紙所 <3878> [東証S]
半導体実装用テープなどの電子材料をはじめ、トナー(粉末インク)、機能性シートなど幅広く手掛ける高機能性材料メーカー。半導体市況の調整が響き足もとの事業環境は厳しいが、直近24日には上期利益見通しの上方修正を発表。電子材料が想定を上回ったほか、価格転嫁や円安効果が寄与し、従来予想から減益幅を縮小させた。業績悪の織り込みはある程度進んでいるようで、株価は底値圏で堅調な動きをみせている。
【花粉症対策】…鳥居薬品 <4551> [東証P]
JT傘下の製薬会社。政府の花粉症対策では舌下免疫療法の普及を進める方針が示されている。同社は国内初となる舌下に投与するアレルゲン免疫療法薬として、2014年にスギ花粉症治療薬の承認を獲得。当初は液体タイプだったが、現在は後継品として錠剤タイプの「シダキュア」を販売している。政府方針に関し会社側は、関係省庁の協力を得ながら、患者が治療を受けられる環境整備と製品の安定供給体制の確保に取り組む考えを決算資料内で明らかにしている。10月31日に四半期決算発表を予定。
【リスキリング】…KIYOラーニング <7353> [東証G]
個人向け資格取得支援サービス「STUDYing(スタディング)」、法人向け社員研修クラウドサービス「AirCourse(エアコース)」を提供。学習データから実力を判定する「AI実力スコア」をはじめ、学習プランの作成や動画の字幕生成などAIを活用した機能の実装を進めている。リスキリングに対する機運の高まりを追い風に、23年12月期は売上高3割増と増収トレンドを継続。先行投資負担をこなし利益も黒字に転換する見通しだ。
【中小企業向け支援】…スターティアホールディングス <3393> [東証P]
中小企業向けに複合機やネットワーク機器、ITソリューションの提供を主力とし、このほかデジタルマーケティングツール「Cloud CIRCUS(クラウドサーカス)」を手掛ける。コロナ禍を背景とした企業のIT投資を追い風に業績はここ数年で急拡大している。前23年3月期は営業5倍増益で最高益を更新。今期も増益を見込み、増配も計画する。足もとの事業が好調なことから、27日に上期利益見通しの上方修正を発表した。
【監視カメラ】…セキュア <4264> [東証G]
法人向けに監視カメラシステムや入退室管理システムを展開。オフィスや店舗などさまざまな場面に合わせたソリューション提案を図っており、導入企業数は9000社を超える。保育園や幼稚園向けの提案も行っており、学童保育への導入実績を持つ。23年12月期は2期ぶりに営業黒字(1億3000万円)に転換する見通しだが、上期時点で2億100万円と既に超過しており、業績上方修正への期待が膨らむ。
【オンライン診療】…くすりの窓口 <5592> [東証G]
10月4日に新規上場した薬局・医療向けソリューション企業。薬局の検索・予約サービス「EPARKくすりの窓口」を軸に電子お薬手帳アプリ、オンライン診療・服薬指導サービス、このほか事務処理システム、レセプトコンピューター(診療報酬明細書の作成)、電子カルテなど各種システムを展開する。医療業界のデジタル化の流れを追い風に24年3月期は増収増益トレンドを継続。4-6月期時点の進捗も良好だ。
株探ニュース
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