コスモ石、富士石など石油セクターの上昇際立つ、業界再編と原油価格下げ止まりで

　コスモ石油<5007.T>、東燃ゼネラル石油<5012.T>、富士石油<5017.T>など石油株が軒並み動意。業種別騰落率で石油セクターは８％を超える際立った上昇をみせ、３３業種中、２位以下を大きく引き離し買いが集中している。出光興産<5019.T>が昭和シェル石油<5002.T>の買収交渉に入ったと伝えられたことで、昭和シェルが急騰、これが業界再編思惑につながり業界他社の株価も強く刺激している。ここ原油安を背景に概ね株価は調整局面にあったことでリターンリバーサル狙いの買いも入りやすかった面もある。また、足もと原油価格も下げ止まり感を見せ始めている。ＷＴＩ原油価格は足もと１バレル＝５６ドル台に反発している。過去を顧みても、リーマン・ショック時に１バレル＝５０ドル割れまで売り込まれたことはあるが、短期間にとどまりその後は数カ月で６０ドル台まで戻した経緯があるだけに、今回の下落もイレギュラーとの見方が強まっているようだ。現在の世界経済の状況は、リーマン破綻時ほど危機的要素をはらんでいるとは考えにくく、「生産コスト割れに伴う中小石油関連企業の撤退が、今後の需給関係を改善させる可能性が高い」（市場関係者）との指摘も、売られ過ぎた石油株の買い戻しを誘っているようだ。

コスモ石の株価は１２時３１分現在１８０円（△２３円）
東燃ゼネの株価は１２時３１分現在１１２２円（△６５円）
富士石の株価は１２時３１分現在３７９円（△３２円）


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）