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あすか製薬ホールディングスのニュース
*13:35JST サスメド Research Memo(5):2024年2月時点の開発パイプラインは11件
■事業概要
3. 治療用・診断用アプリの開発パイプラインと国内市場規模
サスメド<4263>の治療用・診断用アプリの開発パイプラインは、2024年2月14日時点で11件となっている。
不眠障害治療用アプリ「サスメド Med CBT-i」については、2021年12月に塩野義製薬と販売提携契約(塩野義製薬に対して日本における独占的販売権を供与、契約締結に伴う一時金及び開発進展などに応じたマイルストン収入として総額最大47億円を受領)を締結し、2023年2月15日付で厚生労働省より医療機器製造販売承認を取得した。その後、令和6年度診療報酬改定時における保険適用希望書を厚生労働省に提出して保険適用に向けた準備を進めていたが、2024年1月29日付で保険適用希望書の取り下げを決定した。これは、令和6年度の診療報酬改定時に同じく保険適用の提案が行われていた対面式の認知行動療法の不眠症への適応追加に関して今回の保険適用が見送られ、同社の「サスメド Med CBT-i」についても令和6年度診療報酬改定時の保険適用を見送る方針が示されたためである。ただし同社の「サスメド Med CBT-i」が厚生労働省より医療機器製造販売承認を取得している事実に変更はなく、今後も塩野義製薬とともに保険収載・事業化に向けた検討を継続する。なお同社の不眠障害治療用アプリに関する技術は、これまでに日本、米国、韓国、インドネシアにおいて特許が成立し、2023年2月には欧州特許庁より特許査定を受けている。
その他の治療分野の開発パイプラインとして、乳がん運動療法アプリ「SMD401」(開発パートナー:国立がん研究センター)については、検証的試験の開始に向けて準備中である。進行がんを対象疾患領域(意思決定支援)とするアドバンス・ケア・プランニング(以下、ACP)用プログラム医療機器「SMD402」(開発パートナー:国立がん研究センター)については、2023年2月に探索的試験の被験者登録が完了し、現在は探索的試験を実施中である。期待される効果としては、患者の心理的苦痛の軽減、不安・抑うつ症状の改善、不適切な治療の中止などがある。
慢性腎臓病リハビリアプリ「SMD201」(開発パートナー:東北大学、日本腎臓リハビリテーション学会)については、2023年2月に探索的試験の患者登録が完了し、現在は探索的試験を実施中である。期待される効果としては、腎機能の改善もしくは悪化抑制、透析治療への移行防止などがある。慢性腎臓病患者の腎機能の改善もしくは悪化抑制においては腎臓リハビリが有効であることが示され、保存期の慢性腎臓病患者において運動療法をはじめとする腎臓リハビリが推奨されている。また、医療の質と効率性の向上を両立させるために、スマートフォンを活用した治療用アプリは医療ニーズに合致すると同社は考えている。
遷延性悲嘆障害を対象疾患領域とする「SMD102」並びにオピオイド誘発性便秘症を対象疾患領域とする「SMD202」については、探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。耳鳴を対象疾患領域とする「SMD403」(開発パートナー:杏林製薬)については特定臨床研究を開始した。乳がん切除後疼痛症候群(PMPS)を対象疾患領域とするAcceptance & Commitment Therapy(ACT)アプリ「SMD105」(開発パートナー:名古屋市立大学)については、臨床研究を実施中である。産婦人科領域を対象疾患領域とする「SMD106」については、あすか製薬と共同研究開発及び製品上市後の販売に関する契約を締結し、探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。
診断分野では、妊産婦うつを対象疾患領域とする「SMD103」(開発パートナー:名古屋大学)については、探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。既にアルゴリズム及び装置に関する特許が成立している。ADHD(注意欠陥・多動性障害):視線解析を対象疾患領域とする「SMD104」についても、探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。
なお、2022年11月に杏林製薬と締結した「SMD403」の共同研究開発及び製品上市後の販売に関する契約に基づき、契約締結時の一時金1億円と臨床研究開始に伴うマイルストン収入1億円の計2億円を第2四半期に収益として計上している。また、2023年9月には、あすか製薬ホールディングス<4886>の子会社で産婦人科領域のスペシャリティファーマであるあすか製薬と、産婦人科領域における治療用アプリの共同開発及び製品上市後の販売に関する契約(契約一時金2億円及び開発段階に応じたマイルストン収入として総額最大25億円、製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーを受領予定)を締結しており、契約一時金2億円については受領済み(収益としては未計上)である。
同社が進めている開発パイプラインの国内市場規模(保険償還点数×対象人数)は、同社資料によると不眠障害治療用アプリ「サスメド Med CBT-i」についてはターゲット市場を1,000億円、潜在患者まで含めると3,500億円と推定している。このうち、ターゲティング需要であるSAM(Serviceable Available Market)については、合計400億円超(既存の睡眠薬治療からの切り替えニーズ192億円+不眠症の自覚があるが睡眠薬治療に抵抗がある未治療患者の掘り起こし216億円)と試算している。そのほかの主な開発中パイプラインの国内市場規模は、乳がん患者運動療法アプリ「SMD401」が72億円、ACP用プログラム医療機器「SMD402」が309億円、腎臓リハビリアプリ「SMD201」が660億円などと推定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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3. 治療用・診断用アプリの開発パイプラインと国内市場規模
サスメド<4263>の治療用・診断用アプリの開発パイプラインは、2024年2月14日時点で11件となっている。
不眠障害治療用アプリ「サスメド Med CBT-i」については、2021年12月に塩野義製薬と販売提携契約(塩野義製薬に対して日本における独占的販売権を供与、契約締結に伴う一時金及び開発進展などに応じたマイルストン収入として総額最大47億円を受領)を締結し、2023年2月15日付で厚生労働省より医療機器製造販売承認を取得した。その後、令和6年度診療報酬改定時における保険適用希望書を厚生労働省に提出して保険適用に向けた準備を進めていたが、2024年1月29日付で保険適用希望書の取り下げを決定した。これは、令和6年度の診療報酬改定時に同じく保険適用の提案が行われていた対面式の認知行動療法の不眠症への適応追加に関して今回の保険適用が見送られ、同社の「サスメド Med CBT-i」についても令和6年度診療報酬改定時の保険適用を見送る方針が示されたためである。ただし同社の「サスメド Med CBT-i」が厚生労働省より医療機器製造販売承認を取得している事実に変更はなく、今後も塩野義製薬とともに保険収載・事業化に向けた検討を継続する。なお同社の不眠障害治療用アプリに関する技術は、これまでに日本、米国、韓国、インドネシアにおいて特許が成立し、2023年2月には欧州特許庁より特許査定を受けている。
その他の治療分野の開発パイプラインとして、乳がん運動療法アプリ「SMD401」(開発パートナー:国立がん研究センター)については、検証的試験の開始に向けて準備中である。進行がんを対象疾患領域(意思決定支援)とするアドバンス・ケア・プランニング(以下、ACP)用プログラム医療機器「SMD402」(開発パートナー:国立がん研究センター)については、2023年2月に探索的試験の被験者登録が完了し、現在は探索的試験を実施中である。期待される効果としては、患者の心理的苦痛の軽減、不安・抑うつ症状の改善、不適切な治療の中止などがある。
慢性腎臓病リハビリアプリ「SMD201」(開発パートナー:東北大学、日本腎臓リハビリテーション学会)については、2023年2月に探索的試験の患者登録が完了し、現在は探索的試験を実施中である。期待される効果としては、腎機能の改善もしくは悪化抑制、透析治療への移行防止などがある。慢性腎臓病患者の腎機能の改善もしくは悪化抑制においては腎臓リハビリが有効であることが示され、保存期の慢性腎臓病患者において運動療法をはじめとする腎臓リハビリが推奨されている。また、医療の質と効率性の向上を両立させるために、スマートフォンを活用した治療用アプリは医療ニーズに合致すると同社は考えている。
遷延性悲嘆障害を対象疾患領域とする「SMD102」並びにオピオイド誘発性便秘症を対象疾患領域とする「SMD202」については、探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。耳鳴を対象疾患領域とする「SMD403」(開発パートナー:杏林製薬)については特定臨床研究を開始した。乳がん切除後疼痛症候群(PMPS)を対象疾患領域とするAcceptance & Commitment Therapy(ACT)アプリ「SMD105」(開発パートナー:名古屋市立大学)については、臨床研究を実施中である。産婦人科領域を対象疾患領域とする「SMD106」については、あすか製薬と共同研究開発及び製品上市後の販売に関する契約を締結し、探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。
診断分野では、妊産婦うつを対象疾患領域とする「SMD103」(開発パートナー:名古屋大学)については、探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。既にアルゴリズム及び装置に関する特許が成立している。ADHD(注意欠陥・多動性障害):視線解析を対象疾患領域とする「SMD104」についても、探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。
なお、2022年11月に杏林製薬と締結した「SMD403」の共同研究開発及び製品上市後の販売に関する契約に基づき、契約締結時の一時金1億円と臨床研究開始に伴うマイルストン収入1億円の計2億円を第2四半期に収益として計上している。また、2023年9月には、あすか製薬ホールディングス<4886>の子会社で産婦人科領域のスペシャリティファーマであるあすか製薬と、産婦人科領域における治療用アプリの共同開発及び製品上市後の販売に関する契約(契約一時金2億円及び開発段階に応じたマイルストン収入として総額最大25億円、製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーを受領予定)を締結しており、契約一時金2億円については受領済み(収益としては未計上)である。
同社が進めている開発パイプラインの国内市場規模(保険償還点数×対象人数)は、同社資料によると不眠障害治療用アプリ「サスメド Med CBT-i」についてはターゲット市場を1,000億円、潜在患者まで含めると3,500億円と推定している。このうち、ターゲティング需要であるSAM(Serviceable Available Market)については、合計400億円超(既存の睡眠薬治療からの切り替えニーズ192億円+不眠症の自覚があるが睡眠薬治療に抵抗がある未治療患者の掘り起こし216億円)と試算している。そのほかの主な開発中パイプラインの国内市場規模は、乳がん患者運動療法アプリ「SMD401」が72億円、ACP用プログラム医療機器「SMD402」が309億円、腎臓リハビリアプリ「SMD201」が660億円などと推定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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