イーエムシステムズのニュース
~薬局・クリニック・介護/福祉施設の三位一体で、完全課金型ビジネスを推進~
【ポイント】
・今1Qは、営業利益1533百万円(前年同期比+112.8%)と極めて好調であった。前期に加速した電子処方箋の導入について、政府の方針変更で補助金サポートの継続的な延長措置が追い風となった。また、オンライン資格確認オプションソフトの導入も進んでいる。よって、1Qも需要が盛り上がった。
・会社側では、1Qの好調を受けて、上期(2Q累計)の業績計画を見直し、売上高で+10億円、営業利益で+5億円ほど上方修正した。これを1Q、2Qに分けてみると、1Q(1~3月)までに集中した反動が2Qには出るという見方である。しかし、国の補助金政策はその後も延長が継続されている。
・そもそも国の支援策は、医療DXの推進を加速させようとしている。補助金の効果は顕著で、これが医療DX推進の継続的なドライバーとなるか、今後の政策的支援の動向が注目されている。厚労省の2040年に向けた医療DXの制度的対応では、1)電子カルテの情報共有サービス、2)マイナンバーカードを利用した情報連携などに力を入れていく。
・当社にとっては、DX推進で需要が盛り上がるのはありがたい。一方で、急増する需要への対応は一時的コスト増にもなる。それでも収益面では大いにプラスとなる。但し、いずれ反動減は出てこよう。それを前提として計画を組んでいく。
・1Qの需要増が今期の需要をすべて先取りしたわけではないので、通期の業績も会社計画を上回ってこよう。来期については、一時的需要増の反動減を予想するが、本来の領域が伸びてくるので、中期計画2年目の業績計画は概ね達成できよう。
・新長期ビジョンと新中期3ヵ年計画では、クラウド型のシステム基盤を強化しつつ、医科システム事業と介護/福祉システム事業の黒字化を図る。3年後の2027年12月期には営業利益で40億円を目標とするが、これは十分射程内にある。
・今後3ヵ年は、配当性向100%の実行で株主還元を充実させ、M&Aを含めた成長投資は借入金で対応する。収益力の好転につれ、ROEの向上と共に株価は見直されてこよう。
目次
1.特色 薬局向け処方箋処理システム(レセコン)で業界トップ
2.強み 画期的なMAPsシリーズの開発が進展
3.中期経営計画 完全ストック型月額課金ビジネスモデルが本格化
4.当面の業績 今2025年12月期は減益幅が縮小へ
5.企業評価 ストック効果の拡大局面へ
| 企業レーティング | A |
|---|---|
| 株価 (2025年5月22日) |
748円 |
| 時価総額 | 527億円 (70.51百万株) |
| PBR | 2.60倍 |
| ROE | 11.4% |
| PER | 22.9倍 |
| 配当利回り | 4.7% |
| 総資産 | 29139百万円 |
| 純資産 | 19965百万円 |
| 自己資本比率 | 68.2% |
| BPS | 287.5円 |
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017.3 | 13676 | 2597 | 3163 | 2116 | 30.2 | 7.75 |
| 2018.3 | 13953 | 3063 | 3618 | 2369 | 33.4 | 9.25 |
| 2019.3 | 13133 | 2622 | 3248 | 1971 | 27.9 | 9.50 |
| 2020.3 | 14023 | 1583 | 2179 | 1393 | 19.7 | 10.0 |
| 2020.12 | 9660 | 1037 | 1469 | 1062 | 15.0 | 10.0 |
| 2021.12 | 14436 | 1870 | 2607 | 1829 | 25.7 | 11.0 |
| 2022.12 | 16919 | 2395 | 2791 | 1893 | 26.8 | 12.0 |
| 2023.12 | 20355 | 2320 | 2869 | 1962 | 27.8 | 14.0 |
| 2024.12 | 24837 | 4464 | 5184 | 2425 | 34.5 | 35.0 |
| 2025.12(予) | 23000 | 3220 | 3850 | 2260 | 32.7 | 35.0 |
| 2026.12(予) | 22800 | 3300 | 3900 | 2500 | 36.2 | 38.0 |
(2025.3ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2018年3月1日、2020年1月1日に各々1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。2020年12月期より決算期を変更、この期は9カ月決算。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/emsisutemuzu202505.pdf
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