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SBテクノロジーのニュース
■事業環境
SBテクノロジー<4726>は政府全体のデジタルガバメント推進を大きな機会と捉えており、積極的な研究開発や新サービス開発、開発体制の強化などを進めている。2021年5月12日、菅義偉首相が看板政策に掲げている「デジタル改革関連6法案」が可決成立した。関連6法案はデジタル庁創設を柱として、デジタル庁設置や押印の廃止、マイナンバーと預金口座のひも付け、自治体の情報システム標準化などで構成されている。新型コロナウイルス対応の10万円給付が遅れたことや、足元では新型コロナワクチンの接種予約などで混乱が起きているが、国や自治体のデジタル化の遅れや不十分なシステム連携に伴う行政の非効率が指摘されている。デジタル庁の発足に伴い、地方自治体を含めた行政システムの標準化に向けた動きが加速すると弊社では考えている。また、政府は2018年6月に発表した「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」に「クラウド・バイ・デフォルト原則」が明記されており、「政府情報システムの構築・整備に関しては、クラウドサービスの利用を第1候補(デフォルト)として考える」とされている。クラウドに強み・知見を持つ同社にとって、この政府方針も追い風となろう。
同社は2015年に農林水産省配下から受託し、それまで紙で管理を行っていた全国の農地台帳のデジタル化を行い、2015年度から2016年度にかけてそれを完成させ、2017年度から5ヶ年の運用を受注、2019年8月には農林水産省から電子申請の基盤構築案件を受注した。当案件においてクラウド基盤、電子申請基盤に先行投資を実施しており、さらに農林水産省からこれまで点在していた地図情報の共通基盤開発(デジタル地図)案件を受注するなど、同社の知見が非常に生きる環境にあると弊社では考えている。
一方、地方自治体のシステムのセキュリティ強化を目的として、市町村を対象とした「自治体情報システムの強靱性の向上」と、都道府県を対象とした「自治体情報セキュリティクラウドの構築」が開始され、同社は1つのITベンダーとしては最多となる4県121市町村での自治体情報セキュリティクラウドの構築と4年間の運用を行ってきた。自治体情報セキュリティクラウドの構築・運用は各自治体が求めるシステムやサービス要件が違い、個別仕様や問合せへの対応が必要であったことから、セキュリティ製品・サービス、また県と市区町村の運用効率を上げるサポートなどの、自治体におけるハード面、ソフト面のさまざまなノウハウを蓄積している。この実績を通じて、自治体の効率性・利便性の向上などの総務省の標準要件を満たし、エリアを問わない複数県の共同調達に対応するクラウドサービス型の自治体情報セキュリティクラウドの構築を開始している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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SBテクノロジー<4726>は政府全体のデジタルガバメント推進を大きな機会と捉えており、積極的な研究開発や新サービス開発、開発体制の強化などを進めている。2021年5月12日、菅義偉首相が看板政策に掲げている「デジタル改革関連6法案」が可決成立した。関連6法案はデジタル庁創設を柱として、デジタル庁設置や押印の廃止、マイナンバーと預金口座のひも付け、自治体の情報システム標準化などで構成されている。新型コロナウイルス対応の10万円給付が遅れたことや、足元では新型コロナワクチンの接種予約などで混乱が起きているが、国や自治体のデジタル化の遅れや不十分なシステム連携に伴う行政の非効率が指摘されている。デジタル庁の発足に伴い、地方自治体を含めた行政システムの標準化に向けた動きが加速すると弊社では考えている。また、政府は2018年6月に発表した「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」に「クラウド・バイ・デフォルト原則」が明記されており、「政府情報システムの構築・整備に関しては、クラウドサービスの利用を第1候補(デフォルト)として考える」とされている。クラウドに強み・知見を持つ同社にとって、この政府方針も追い風となろう。
同社は2015年に農林水産省配下から受託し、それまで紙で管理を行っていた全国の農地台帳のデジタル化を行い、2015年度から2016年度にかけてそれを完成させ、2017年度から5ヶ年の運用を受注、2019年8月には農林水産省から電子申請の基盤構築案件を受注した。当案件においてクラウド基盤、電子申請基盤に先行投資を実施しており、さらに農林水産省からこれまで点在していた地図情報の共通基盤開発(デジタル地図)案件を受注するなど、同社の知見が非常に生きる環境にあると弊社では考えている。
一方、地方自治体のシステムのセキュリティ強化を目的として、市町村を対象とした「自治体情報システムの強靱性の向上」と、都道府県を対象とした「自治体情報セキュリティクラウドの構築」が開始され、同社は1つのITベンダーとしては最多となる4県121市町村での自治体情報セキュリティクラウドの構築と4年間の運用を行ってきた。自治体情報セキュリティクラウドの構築・運用は各自治体が求めるシステムやサービス要件が違い、個別仕様や問合せへの対応が必要であったことから、セキュリティ製品・サービス、また県と市区町村の運用効率を上げるサポートなどの、自治体におけるハード面、ソフト面のさまざまなノウハウを蓄積している。この実績を通じて、自治体の効率性・利便性の向上などの総務省の標準要件を満たし、エリアを問わない複数県の共同調達に対応するクラウドサービス型の自治体情報セキュリティクラウドの構築を開始している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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