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NANO MRNAのニュース
■開発パイプラインの動向
3. 核酸医薬
核酸医薬は、これまでの抗がん剤や抗体医薬でターゲットとして選択できなかった細胞内の転写因子などを新たなターゲットとして選択できることから、新たな治療法として提供できる可能性を持つ。一方、核酸は非常に不安定な物質なためDDSが必要不可欠であり、ナノキャリア<4571>技術の活用が期待される領域である。
NC-6100(siRNA医薬/乳がん)は、乳がん細胞が持つDNAからの転写因子であるPRDM14の働きを抑制するsiRNA医薬で、がん幹細胞の成長を抑制することから、既存の抗がん剤や抗体医薬で効果がなかった乳がんの新たな治療薬として期待されている。がん研究会有明病院にて医師主導第I相臨床試験が2020年9月から始まっている。
TUG1 ASO医薬(膠芽腫)は、悪性脳腫瘍である膠芽腫により多く存在するTUG1の働きを抑制するASO医薬である。膠芽腫は治療法がなく、新たな治療薬の提供が求められている領域である。本件は、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学との共同研究プロジェクトで、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「革新的がん医療実用化研究事業」に採択され、開発資金(1課題当たり年間上限77百万円)を得ている。2020年4月から3年間で治験薬の製造法の確立と非臨床試験を完了させ、臨床試験につなげる計画だ。
mRNA医薬は、感染症ワクチンを筆頭に、がんワクチン、局所再生医療、遺伝子欠損希少疾患(遺伝子治療の代替)、ゲノム編集領域で世界的に脚光を浴びている注目技術である。そのなかで同社が強みとする技術であるミセル化ナノ粒子技術を応用してポリプレックスミセルを開発し、mRNA医薬開発で優位性を確保しようとしている。なお、パンデミックの環境で一変したmRNAの知名度であるが、国内でmRNA医薬の開発を進めている企業は、これまでほとんどなかったと言える状況であった。
同社がmRNA医薬として開発を進めているRUNX1 mRNA医薬(膝軟骨再生)は、軟骨誘導性転写因子RUNX1を発現するmRNAを、関節腔に直接投与し損傷した軟骨の再生を促進する変形性膝関節症の新しいタイプの治療薬である。医師主導第I相臨床試験完了までの開発資金をAMEDから得て、アクセリードと本件開発のための合弁会社(株)PrimRNA(プライムルナ)を2021年4月に共同設立、事業を開始しており、4年程度で第I相臨床試験完了を目指している。アクセリードとの協業は、傘下にある非臨床試験で世界的に実績のある企業との協業や治験薬製造委託先なども含め、本開発の大きな推進力となっている。
4. その他開発品
臨床開発段階にあるエピルビシンミセル(NC-6300)は、軟部肉腫を対象とした第1/II相臨床試験を実施しており、なかでも血管肉腫にターゲットを絞り、第I相パートの拡大試験を実施中である。血管肉腫の拡大試験の10症例は既に登録が完了している。アメリカ食品医薬品局(FDA)より軟部肉腫を対象としたオーファンドラッグ指定を受けており、さらに、血管肉腫を対象としたファスト・トラック指定を受けている。拡大試験などの結果を基に早い承認取得を目指しFDAと今後も協議を進めるとともに、ライセンスアウトについても検討を開始している。
NC-6300はpH応答性機能を付加することで細胞内でのみ薬物を放出するよう設計されており、さらなる副作用の軽減と効果の増強が図れると期待されている。これまでに行われたNC-6300の日本及び米国での第I相臨床試験においては、内包する既存薬であるエピルビシンの臨床用量をはるかに超える高投与量領域においても忍容性が認められ、さらにはエピルビシン特有の心機能障害の発生が抑えられ、長期投与が可能になっていることも報告されている。
5. 販売品
不妊治療に対する再生医療を国内で普及させるため、2019年4月、エイオンインターナショナル(台湾)から「Acti-PRP(血球細胞分離器)」の国内販売権を取得した。多血小板血漿(PRP)は、細胞の成長を促す豊富な成長因子を含み、局所に注入することで組織の修復などを促す。PRPを用いた治療は整形外科領域などで行われているが、子宮内膜の環境改善を目的とした婦人科領域における不妊治療への応用として導入されている。不妊治療向けPRP療法は医療法人財団順和会山王病院(東京都港区)の堤治名誉病院長がPRP療法を推奨しており、不妊治療セミナーなどでも認知度が広まっている。これまでに山王病院を中心に実施された臨床研究では、3回以上不妊治療を繰り返しても妊娠しなかった難治性の不妊患者の15%で着床が認められている。
同社は、臨床研究のサポートを行い、産婦人科PRP研究会の全国の会員施設に対し「Acti-PRP」を販売している。患者のQOL向上という同社理念に基づき、再生医療分野へも進出し、国内初の新規事業として展開している。なお、会員施設の再生医療等委員会の申請等のサポートも完了し、現在はリソースをほとんどかけずに推進しており、同社は現在販売代理店の位置付けで売上を確保している。
自社技術の化粧品への応用を進めており、高級化粧品メーカーのアルビオンと美容液「エクラフチュール」やヘアケア製品「Depth」などを筆頭に、化粧品原料を供給、売上高に計上している。
これらによって、マザーズ上場維持に必要とされる年間1億円以上の売上を達成しており、本業の医薬品開発に集中できる環境を構築している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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3. 核酸医薬
核酸医薬は、これまでの抗がん剤や抗体医薬でターゲットとして選択できなかった細胞内の転写因子などを新たなターゲットとして選択できることから、新たな治療法として提供できる可能性を持つ。一方、核酸は非常に不安定な物質なためDDSが必要不可欠であり、ナノキャリア<4571>技術の活用が期待される領域である。
NC-6100(siRNA医薬/乳がん)は、乳がん細胞が持つDNAからの転写因子であるPRDM14の働きを抑制するsiRNA医薬で、がん幹細胞の成長を抑制することから、既存の抗がん剤や抗体医薬で効果がなかった乳がんの新たな治療薬として期待されている。がん研究会有明病院にて医師主導第I相臨床試験が2020年9月から始まっている。
TUG1 ASO医薬(膠芽腫)は、悪性脳腫瘍である膠芽腫により多く存在するTUG1の働きを抑制するASO医薬である。膠芽腫は治療法がなく、新たな治療薬の提供が求められている領域である。本件は、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学との共同研究プロジェクトで、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「革新的がん医療実用化研究事業」に採択され、開発資金(1課題当たり年間上限77百万円)を得ている。2020年4月から3年間で治験薬の製造法の確立と非臨床試験を完了させ、臨床試験につなげる計画だ。
mRNA医薬は、感染症ワクチンを筆頭に、がんワクチン、局所再生医療、遺伝子欠損希少疾患(遺伝子治療の代替)、ゲノム編集領域で世界的に脚光を浴びている注目技術である。そのなかで同社が強みとする技術であるミセル化ナノ粒子技術を応用してポリプレックスミセルを開発し、mRNA医薬開発で優位性を確保しようとしている。なお、パンデミックの環境で一変したmRNAの知名度であるが、国内でmRNA医薬の開発を進めている企業は、これまでほとんどなかったと言える状況であった。
同社がmRNA医薬として開発を進めているRUNX1 mRNA医薬(膝軟骨再生)は、軟骨誘導性転写因子RUNX1を発現するmRNAを、関節腔に直接投与し損傷した軟骨の再生を促進する変形性膝関節症の新しいタイプの治療薬である。医師主導第I相臨床試験完了までの開発資金をAMEDから得て、アクセリードと本件開発のための合弁会社(株)PrimRNA(プライムルナ)を2021年4月に共同設立、事業を開始しており、4年程度で第I相臨床試験完了を目指している。アクセリードとの協業は、傘下にある非臨床試験で世界的に実績のある企業との協業や治験薬製造委託先なども含め、本開発の大きな推進力となっている。
4. その他開発品
臨床開発段階にあるエピルビシンミセル(NC-6300)は、軟部肉腫を対象とした第1/II相臨床試験を実施しており、なかでも血管肉腫にターゲットを絞り、第I相パートの拡大試験を実施中である。血管肉腫の拡大試験の10症例は既に登録が完了している。アメリカ食品医薬品局(FDA)より軟部肉腫を対象としたオーファンドラッグ指定を受けており、さらに、血管肉腫を対象としたファスト・トラック指定を受けている。拡大試験などの結果を基に早い承認取得を目指しFDAと今後も協議を進めるとともに、ライセンスアウトについても検討を開始している。
NC-6300はpH応答性機能を付加することで細胞内でのみ薬物を放出するよう設計されており、さらなる副作用の軽減と効果の増強が図れると期待されている。これまでに行われたNC-6300の日本及び米国での第I相臨床試験においては、内包する既存薬であるエピルビシンの臨床用量をはるかに超える高投与量領域においても忍容性が認められ、さらにはエピルビシン特有の心機能障害の発生が抑えられ、長期投与が可能になっていることも報告されている。
5. 販売品
不妊治療に対する再生医療を国内で普及させるため、2019年4月、エイオンインターナショナル(台湾)から「Acti-PRP(血球細胞分離器)」の国内販売権を取得した。多血小板血漿(PRP)は、細胞の成長を促す豊富な成長因子を含み、局所に注入することで組織の修復などを促す。PRPを用いた治療は整形外科領域などで行われているが、子宮内膜の環境改善を目的とした婦人科領域における不妊治療への応用として導入されている。不妊治療向けPRP療法は医療法人財団順和会山王病院(東京都港区)の堤治名誉病院長がPRP療法を推奨しており、不妊治療セミナーなどでも認知度が広まっている。これまでに山王病院を中心に実施された臨床研究では、3回以上不妊治療を繰り返しても妊娠しなかった難治性の不妊患者の15%で着床が認められている。
同社は、臨床研究のサポートを行い、産婦人科PRP研究会の全国の会員施設に対し「Acti-PRP」を販売している。患者のQOL向上という同社理念に基づき、再生医療分野へも進出し、国内初の新規事業として展開している。なお、会員施設の再生医療等委員会の申請等のサポートも完了し、現在はリソースをほとんどかけずに推進しており、同社は現在販売代理店の位置付けで売上を確保している。
自社技術の化粧品への応用を進めており、高級化粧品メーカーのアルビオンと美容液「エクラフチュール」やヘアケア製品「Depth」などを筆頭に、化粧品原料を供給、売上高に計上している。
これらによって、マザーズ上場維持に必要とされる年間1億円以上の売上を達成しており、本業の医薬品開発に集中できる環境を構築している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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