「魚三層倍、呉服五層倍、花八層倍、薬九層倍、百姓百層倍、坊主丸儲け、按摩掴み取り」という、江戸時代の面白い言葉がある。
なかなかウイットに富んだ「こんなに商売人は儲かる」ということの裏返しなのだが(種明かし／魚の「さ」を3に、呉服の呉を5に、という具合に数字に当てはめているごろ合わせ)、薬は「9層倍」、つまり、原価の9倍利益を乗せているということのようである。まあ、当然ごろ合わせであり、本当に原価の9倍になっているとは思えないのだが、あながちこのたとえがそれほど間違っていないのでは、と思ってきている。

当社も、著名タレントをCMに起用できるほど、業績に不安材料はない。新薬開発の費用をほぼ設備投資に回せ、本社屋も立派。薬価基準のPDFを見たが、たった数円の薬だけでこれだけのことができる…薬9層倍は本当なのかもしれない。
これから医療費抑制を推進する政府／厚労省としても、ジェネリック普及は喫緊の課題。高齢化社会がより深耕する近未来に置いて、当社にとって追い風以外の何物でもない。