田辺三菱が新高値、自己免疫疾患治療剤でバイオジェンとライセンス契約を好感

　田辺三菱製薬＜4508.T＞が大幅続伸。株価は一時、前日比２８９円（１３．４％）高の２４４２円まで買われ年初来高値を更新した。９日の取引終了後、自己免疫疾患治療剤「ＭＴ－１３０３」 に対して米国のバイオジェン社とライセンス契約を締結したと発表したことが好感された。
　同社が開発しているＭＴ－１３０３は、リンパ球上のスフィンゴシン１－リン酸受容体（Ｓ１Ｐ受容体）に作用することで、リンパ球のリンパ節からの移出を抑制し、自己免疫反応を抑制し、さまざまな自己免疫疾患に効果を有する可能性がある化合物。欧州と日本では、多発性硬化症や乾癬、クローン病、全身性エリテマトーデスの臨床試験を進めている。
　今回のバイオジェンとの提携では本剤の国内外での開発加速、早期上市、製品価値の最大化が目指されている。契約締結により、バイオジェンは日本とアジアを除く全世界における本剤の開発、販売を独占的に行う権利を得ている。
　また、田辺三菱はバイオジェン社より契約締結時一時金６０００万ドルを受け取るとともに、マイルストンペイメントとして上市国、適応症に応じて総額最大４億８４００万ドルを追加一時金として受け取る可能性がある。

田辺三菱の株価は９時４９分現在２２５０円（△９７円）


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）