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三洋化成工業のニュース
■業績動向
1. 2023年3月期第2四半期累計の業績概要
三洋化成工業<4471>の2023年3月期第2四半期累計の連結業績については、売上高が前年同期比14.1%増の88,439百万円、営業利益が同33.6%減の3,932百万円、経常利益が同7.4%増の7,368百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同6.8%増の4,719百万円となった。一方、2022年9月29日の修正予想比では売上高99.4%、営業利益98.3%と若干未達となったものの、経常利益118.8%、親会社株主に帰属する四半期純利益112.4%と計画を上回って着地した。
原材料価格上昇に伴う販売価格の改定などにより増収となったものの、販売量の減少、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小、販管費の増加などにより、営業減益となった。売上総利益は前年同期比5.4%減少、売上総利益率は同3.8ポイント低下し18.3%となった。販管費は同9.6%増加したが、販管費率は同0.5ポイント低下し13.9%となった。なお、為替差益の増加(同2,525百万円増)や持分法による投資利益(同106百万円増)などにより、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益は増益となった。
営業利益の増減要因分析では、増加要因としては為替効果(12.5億円)やコストダウン(0.4億円)、減少要因として数量・商品構成効果(17.1億円)や固定費等(14.6億円)があった。原材料価格高騰により143.9億円減少したものの、製品価格改定で142.8億円増加したことでカバーし、製品・原料売買バランスは差引1.1億円の減益要因にとどまった。なお、設備投資(検収ベース)は同19億円増の58億円、減価償却費は同3億円増の49億円であった。
2. セグメント別動向
(1) 生活・健康産業関連分野
売上高は前年同期比14.2%増の29,699百万円、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小などにより、営業利益は同31.5%減の450百万円となった。生活産業関連分野は、ポリエチレングリコールが中国・上海市でのロックダウンの影響により需要が減少したものの、ヘアケア製品用界面活性剤が伸長したほか、製紙関連薬剤が堅調に推移し、売上高は好調に推移した。健康産業関連分野は、高吸水性樹脂が主に中国市場で落ち込んだものの、全拠点で原料価格高騰による価格改定を行い、売上高は増加した。
(2) 石油・輸送機産業関連分野
売上高は前年同期比18.0%増の23,913百万円、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小などにより、営業利益は同35.5%減の1,324百万円となった。自動車シートなどに使われるポリウレタンフォーム用原料、自動車内装表皮材用ウレタンビーズ及び潤滑油添加剤が自動車減産により需要が減少したものの、原料価格高騰による価格改定により売上高は大幅に増加した。
(3) プラスチック・繊維産業関連分野
売上高は前年同期比10.9%増の14,145百万円、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小などにより、営業利益は同29.8%減の1,404百万円となった。プラスチック産業関連分野は、主力の永久帯電防止剤が低調に推移したものの、塗料コーティング用薬剤・添加剤が海外向けに売り上げを伸ばし、好調に推移した。繊維産業関連分野は、炭素繊維用集束剤が順調に売り上げを伸ばしたほか、合成皮革・弾性繊維用ウレタン樹脂の販売も好調に推移し、売上高は大幅に増加した。
(4)情報・電気電子産業関連分野
売上高は前年同期比14.3%増の11,308百万円、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小などにより、営業利益は同24.5%減の882百万円となった。情報産業関連分野は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で落ち込んだオフィスでの印刷需要が回復し、重合トナー用ポリエステルビーズの原料、粉砕トナー用バインダーの販売がともに好調に推移したため、売上高は大幅に増加した。電気電子産業関連分野は、半導体用レジスト原料の好需要が一段落し減速傾向になりつつあるものの、アルミ電解コンデンサ用電解液の需要が大幅に増加したため、売上高は好調に推移した。
(5) 環境・住設産業関連分野
売上高は前年同期比9.2%増の9,373百万円、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小などにより、営業利益は同16.4%減の645百万円となった。環境産業関連分野は、海外向け高分子凝集剤用のカチオンモノマーが売り上げを伸ばし、売上高は大幅に増加した。住設産業関連分野は、家具・断熱材などに用いられるポリウレタンフォーム用原料の販売が巣ごもり需要の一巡により横ばいとなったものの、建築シーラント用原料が原料価格高騰による価格改定により売上高は大幅に増加し、好調に推移した。
財務の健全性は良好を維持
3. 財務状況
2023年3月期第2四半期末の資産合計は前期末比11,058百万円増加して211,252百万円となった。流動資産では受取手形及び売掛金、商品及び製品などが増加した一方、現金及び預金などが減少した。固定資産では建物及び構築物(純額)、機械装置及び運搬具(純額)などが増加し、建設仮勘定などが減少した。負債合計は同6,488百万円増加して59,649百万円となった。流動負債では買掛金、電子記録債務、短期借入金などが増加した。固定負債では繰延税金負債などが減少した。純資産合計は利益剰余金、為替換算調整勘定などが増加し、同4,570百万円増加して151,603百万円となった。この結果、自己資本比率は同1.7ポイント低下して70.5%となった。特に課題は見当たらず、財務の健全性は良好を維持していると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 2023年3月期第2四半期累計の業績概要
三洋化成工業<4471>の2023年3月期第2四半期累計の連結業績については、売上高が前年同期比14.1%増の88,439百万円、営業利益が同33.6%減の3,932百万円、経常利益が同7.4%増の7,368百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同6.8%増の4,719百万円となった。一方、2022年9月29日の修正予想比では売上高99.4%、営業利益98.3%と若干未達となったものの、経常利益118.8%、親会社株主に帰属する四半期純利益112.4%と計画を上回って着地した。
原材料価格上昇に伴う販売価格の改定などにより増収となったものの、販売量の減少、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小、販管費の増加などにより、営業減益となった。売上総利益は前年同期比5.4%減少、売上総利益率は同3.8ポイント低下し18.3%となった。販管費は同9.6%増加したが、販管費率は同0.5ポイント低下し13.9%となった。なお、為替差益の増加(同2,525百万円増)や持分法による投資利益(同106百万円増)などにより、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益は増益となった。
営業利益の増減要因分析では、増加要因としては為替効果(12.5億円)やコストダウン(0.4億円)、減少要因として数量・商品構成効果(17.1億円)や固定費等(14.6億円)があった。原材料価格高騰により143.9億円減少したものの、製品価格改定で142.8億円増加したことでカバーし、製品・原料売買バランスは差引1.1億円の減益要因にとどまった。なお、設備投資(検収ベース)は同19億円増の58億円、減価償却費は同3億円増の49億円であった。
2. セグメント別動向
(1) 生活・健康産業関連分野
売上高は前年同期比14.2%増の29,699百万円、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小などにより、営業利益は同31.5%減の450百万円となった。生活産業関連分野は、ポリエチレングリコールが中国・上海市でのロックダウンの影響により需要が減少したものの、ヘアケア製品用界面活性剤が伸長したほか、製紙関連薬剤が堅調に推移し、売上高は好調に推移した。健康産業関連分野は、高吸水性樹脂が主に中国市場で落ち込んだものの、全拠点で原料価格高騰による価格改定を行い、売上高は増加した。
(2) 石油・輸送機産業関連分野
売上高は前年同期比18.0%増の23,913百万円、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小などにより、営業利益は同35.5%減の1,324百万円となった。自動車シートなどに使われるポリウレタンフォーム用原料、自動車内装表皮材用ウレタンビーズ及び潤滑油添加剤が自動車減産により需要が減少したものの、原料価格高騰による価格改定により売上高は大幅に増加した。
(3) プラスチック・繊維産業関連分野
売上高は前年同期比10.9%増の14,145百万円、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小などにより、営業利益は同29.8%減の1,404百万円となった。プラスチック産業関連分野は、主力の永久帯電防止剤が低調に推移したものの、塗料コーティング用薬剤・添加剤が海外向けに売り上げを伸ばし、好調に推移した。繊維産業関連分野は、炭素繊維用集束剤が順調に売り上げを伸ばしたほか、合成皮革・弾性繊維用ウレタン樹脂の販売も好調に推移し、売上高は大幅に増加した。
(4)情報・電気電子産業関連分野
売上高は前年同期比14.3%増の11,308百万円、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小などにより、営業利益は同24.5%減の882百万円となった。情報産業関連分野は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で落ち込んだオフィスでの印刷需要が回復し、重合トナー用ポリエステルビーズの原料、粉砕トナー用バインダーの販売がともに好調に推移したため、売上高は大幅に増加した。電気電子産業関連分野は、半導体用レジスト原料の好需要が一段落し減速傾向になりつつあるものの、アルミ電解コンデンサ用電解液の需要が大幅に増加したため、売上高は好調に推移した。
(5) 環境・住設産業関連分野
売上高は前年同期比9.2%増の9,373百万円、原材料価格上昇に伴う売買スプレッド縮小などにより、営業利益は同16.4%減の645百万円となった。環境産業関連分野は、海外向け高分子凝集剤用のカチオンモノマーが売り上げを伸ばし、売上高は大幅に増加した。住設産業関連分野は、家具・断熱材などに用いられるポリウレタンフォーム用原料の販売が巣ごもり需要の一巡により横ばいとなったものの、建築シーラント用原料が原料価格高騰による価格改定により売上高は大幅に増加し、好調に推移した。
財務の健全性は良好を維持
3. 財務状況
2023年3月期第2四半期末の資産合計は前期末比11,058百万円増加して211,252百万円となった。流動資産では受取手形及び売掛金、商品及び製品などが増加した一方、現金及び預金などが減少した。固定資産では建物及び構築物(純額)、機械装置及び運搬具(純額)などが増加し、建設仮勘定などが減少した。負債合計は同6,488百万円増加して59,649百万円となった。流動負債では買掛金、電子記録債務、短期借入金などが増加した。固定負債では繰延税金負債などが減少した。純資産合計は利益剰余金、為替換算調整勘定などが増加し、同4,570百万円増加して151,603百万円となった。この結果、自己資本比率は同1.7ポイント低下して70.5%となった。特に課題は見当たらず、財務の健全性は良好を維持していると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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