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ソフト99コーポレーションのニュース
1. 2021年3月期第2四半期累計業績は主力事業の好調で期初計画を上回る
ソフト99コーポレーション<4464>の2021年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.3%増の12,805百万円、営業利益が同12.6%増の1,416百万円、経常利益が同14.0%増の1,523百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同6.6%増の995百万円といずれも期初計画を上回った。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)においてサービス事業及び不動産関連事業がマイナス影響を受けたものの、主力のファインケミカル事業やポーラスマテリアル事業では巣ごもり消費の拡大や衛生管理ニーズの高まりを追い風に、売上が好調に推移したことが主因だ。
事業セグメント別の業績を見ると、ファインケミカル事業は売上高で前年同期比9.4%増の6,720百万円、営業利益は同34.7%増の994百万円となった。コロナ禍において外出自粛や在宅勤務の拡大など生活様式が大きく変化し、自動車の洗車や補修を自身で行うニーズが増加したことを背景に、一般消費者用のボディケア製品の売上が同12.3%増、リペアグッズが同17.7%増と好調に推移した。また、マスク着用が常態化したことで、メガネケア製品(除菌・くもり止め用製品)も同100.5%増と急拡大した。業務用製品や海外向け製品等はコロナ禍の影響により減収となったものの、一般消費者向け製品の好調でカバーした格好だ。営業利益率も一般消費者用製品の販売伸長などにより、利益率が改善し、前年同期の12.0%から14.8%に上昇した。
ポーラスマテリアル事業の売上高は前年同期比3.8%増の2,874百万円、営業利益は同11.9%増の397百万円と2期ぶりの増収、3期ぶりの増益となった。生活資材の売上は海外向けの落込みにより同14.7%減となったものの、産業資材が同11.5%増と伸長したほか、販管費が減少したことも増益要因となった。産業資材では、付加価値の高い半導体ウェーハ用精密洗浄材が海外大手半導体メーカー向けに好調に推移したほか、データセンター向け大容量HDDの需要が高まっていることを背景にHDD研磨用製品も増加し、海外売上だけで見ると同27.4%増となった。特に、半導体分野では付加価値の高いサブミクロン対応の最先端品が台湾向けを中心に伸長している。最先端品については高度な技術力が要求されるため世界でも同社を含めて2社しか供給していない。顧客側の在庫備蓄による需要増効果も好調要因として考えられるが、中期的に見れば引き続き成長分野として注目される。
サービス事業の売上高は前年同期比3.7%増の2,635百万円、営業損失は0百万円(前年同期は47百万円の利益)となった。生協向けやEC販売が好調に推移した生活用品企画販売は同34.5%増と伸長したものの、自動車整備・板金事業の売上が外出自粛に伴う自動車稼働減少(事故車両の減少)の影響により同12.6%減と低迷したほか、自動車教習所事業も緊急事態宣言発出を受けて1ヶ月間の休業を余儀なくされ、同9.5%減となったことが減益要因となった。ただ、第2四半期だけで見ると営業利益は同174.0%増の73百万円と回復に転じている。不動産関連事業の売上高は同19.4%減の574百万円、営業利益は同82.2%減の20百万円となった。緊急事態宣言発出を受けて温浴施設の営業自粛を一定期間実施し、また、営業再開後も客足の戻りが鈍く、同事業の売上が同27.7%減と大きく落ち込んだことが減収減益要因となった。
2. 2021年3月期業績見通し
2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.2%増の25,700百万円、営業利益は同9.4%増の2,650百万円、経常利益は同7.1%増の2,770百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同5.8%増の1,930百万円と期初計画から上方修正している(売上高で900百万円、営業利益及び経常利益で350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で210百万円の増額)。これは第2四半期累計業績が主力のファインケミカル事業、ポーラスマテリアル事業を中心に期初計画を上回ったことが主因で、下期の既存事業の見通しについてはほとんど変更しておらず、保守的な印象だ。また、2020年8月に子会社化したアズテック(株)の業績が下期から加わることになり、売上高で3.5億円程度の増額要因となっている。営業利益についてはのれん償却でほぼ相殺されるため影響は軽微と考えられる。アズテックは医療施設向け衛生関連用品の開発販売を行うファブレス企業で、特に手術室向けオートモップはほとんどの大規模病院で利用されている。医療分野はポーラスマテリアル事業でも注力分野として掲げており、今後、同社の高い技術力とアズテックの販売力を融合することで医療分野を新たな収益の柱として育成していく考えだ。
3. 中期経営計画について
2021年3月期からスタートした新中期経営計画では「Overtake!!(顧客変化を追い越せ!!)」をテーマに、将来の社会変化を新たな事業領域の拡張の機会と捉え、既存技術・ノウハウの横展開に加えて新たな技術・ノウハウの獲得、及びこれらの融合を図ることで、“他にない”新しい価値と事業の創出を目指していく方針だ。最終年度となる2023年3月期の経営数値目標は、売上高で27,100百万円(2020年3月期比11%増)、営業利益で2,850百万円(同18%増)とし、営業利益は2018年3月期以来の最高益更新を目指す。事業セグメント別では、ファインケミカル事業がけん引する格好となり、もう一つの柱であるポーラスマテリアル事業については、将来の成長を見据えた人材投資や開発投資を積極的に進めていく期間と位置付け、利益の伸びは見込んでいない。また、今回より事業運営の効率性を示すROIC(投下資本利益率)をKPIとして取り入れており、2020年3月期実績の5.6%から6.1%まで引き上げていくことを目指している。
4. 株主還元策
株主還元については、「安定的な配当の継続」及び「連結営業利益の25%を目安とする」という基本方針を掲げている。2021年3月期の1株当たり配当金は業績を上方修正したことに伴い、期初の25.0円から27.0円(還元率22.3%)に修正し、6期連続の増配を予定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ソフト99コーポレーション<4464>の2021年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.3%増の12,805百万円、営業利益が同12.6%増の1,416百万円、経常利益が同14.0%増の1,523百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同6.6%増の995百万円といずれも期初計画を上回った。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)においてサービス事業及び不動産関連事業がマイナス影響を受けたものの、主力のファインケミカル事業やポーラスマテリアル事業では巣ごもり消費の拡大や衛生管理ニーズの高まりを追い風に、売上が好調に推移したことが主因だ。
事業セグメント別の業績を見ると、ファインケミカル事業は売上高で前年同期比9.4%増の6,720百万円、営業利益は同34.7%増の994百万円となった。コロナ禍において外出自粛や在宅勤務の拡大など生活様式が大きく変化し、自動車の洗車や補修を自身で行うニーズが増加したことを背景に、一般消費者用のボディケア製品の売上が同12.3%増、リペアグッズが同17.7%増と好調に推移した。また、マスク着用が常態化したことで、メガネケア製品(除菌・くもり止め用製品)も同100.5%増と急拡大した。業務用製品や海外向け製品等はコロナ禍の影響により減収となったものの、一般消費者向け製品の好調でカバーした格好だ。営業利益率も一般消費者用製品の販売伸長などにより、利益率が改善し、前年同期の12.0%から14.8%に上昇した。
ポーラスマテリアル事業の売上高は前年同期比3.8%増の2,874百万円、営業利益は同11.9%増の397百万円と2期ぶりの増収、3期ぶりの増益となった。生活資材の売上は海外向けの落込みにより同14.7%減となったものの、産業資材が同11.5%増と伸長したほか、販管費が減少したことも増益要因となった。産業資材では、付加価値の高い半導体ウェーハ用精密洗浄材が海外大手半導体メーカー向けに好調に推移したほか、データセンター向け大容量HDDの需要が高まっていることを背景にHDD研磨用製品も増加し、海外売上だけで見ると同27.4%増となった。特に、半導体分野では付加価値の高いサブミクロン対応の最先端品が台湾向けを中心に伸長している。最先端品については高度な技術力が要求されるため世界でも同社を含めて2社しか供給していない。顧客側の在庫備蓄による需要増効果も好調要因として考えられるが、中期的に見れば引き続き成長分野として注目される。
サービス事業の売上高は前年同期比3.7%増の2,635百万円、営業損失は0百万円(前年同期は47百万円の利益)となった。生協向けやEC販売が好調に推移した生活用品企画販売は同34.5%増と伸長したものの、自動車整備・板金事業の売上が外出自粛に伴う自動車稼働減少(事故車両の減少)の影響により同12.6%減と低迷したほか、自動車教習所事業も緊急事態宣言発出を受けて1ヶ月間の休業を余儀なくされ、同9.5%減となったことが減益要因となった。ただ、第2四半期だけで見ると営業利益は同174.0%増の73百万円と回復に転じている。不動産関連事業の売上高は同19.4%減の574百万円、営業利益は同82.2%減の20百万円となった。緊急事態宣言発出を受けて温浴施設の営業自粛を一定期間実施し、また、営業再開後も客足の戻りが鈍く、同事業の売上が同27.7%減と大きく落ち込んだことが減収減益要因となった。
2. 2021年3月期業績見通し
2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.2%増の25,700百万円、営業利益は同9.4%増の2,650百万円、経常利益は同7.1%増の2,770百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同5.8%増の1,930百万円と期初計画から上方修正している(売上高で900百万円、営業利益及び経常利益で350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で210百万円の増額)。これは第2四半期累計業績が主力のファインケミカル事業、ポーラスマテリアル事業を中心に期初計画を上回ったことが主因で、下期の既存事業の見通しについてはほとんど変更しておらず、保守的な印象だ。また、2020年8月に子会社化したアズテック(株)の業績が下期から加わることになり、売上高で3.5億円程度の増額要因となっている。営業利益についてはのれん償却でほぼ相殺されるため影響は軽微と考えられる。アズテックは医療施設向け衛生関連用品の開発販売を行うファブレス企業で、特に手術室向けオートモップはほとんどの大規模病院で利用されている。医療分野はポーラスマテリアル事業でも注力分野として掲げており、今後、同社の高い技術力とアズテックの販売力を融合することで医療分野を新たな収益の柱として育成していく考えだ。
3. 中期経営計画について
2021年3月期からスタートした新中期経営計画では「Overtake!!(顧客変化を追い越せ!!)」をテーマに、将来の社会変化を新たな事業領域の拡張の機会と捉え、既存技術・ノウハウの横展開に加えて新たな技術・ノウハウの獲得、及びこれらの融合を図ることで、“他にない”新しい価値と事業の創出を目指していく方針だ。最終年度となる2023年3月期の経営数値目標は、売上高で27,100百万円(2020年3月期比11%増)、営業利益で2,850百万円(同18%増)とし、営業利益は2018年3月期以来の最高益更新を目指す。事業セグメント別では、ファインケミカル事業がけん引する格好となり、もう一つの柱であるポーラスマテリアル事業については、将来の成長を見据えた人材投資や開発投資を積極的に進めていく期間と位置付け、利益の伸びは見込んでいない。また、今回より事業運営の効率性を示すROIC(投下資本利益率)をKPIとして取り入れており、2020年3月期実績の5.6%から6.1%まで引き上げていくことを目指している。
4. 株主還元策
株主還元については、「安定的な配当の継続」及び「連結営業利益の25%を目安とする」という基本方針を掲げている。2021年3月期の1株当たり配当金は業績を上方修正したことに伴い、期初の25.0円から27.0円(還元率22.3%)に修正し、6期連続の増配を予定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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