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*16:43JST 新興市場見通し:米FOMCや換金売りに留意も新興株優位か、IPOラッシュ始まる
■外部環境悪化も新興株は相対的に底堅い
今週の新興市場は小幅ながら3週続伸。米シリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー銀行の経営破綻で金融システム不安が高まり、週初からリスク回避の動きが先行。週後半にはスイス金融大手のクレディ・スイス・グループの経営難を契機に欧州でも銀行株が急落し、投資家心理を悪化させた。一方、経営難に直面する米ファースト・リパブリック銀行への複数大手銀行による支援の動きが安心感を誘い、週末には新興株を中心に大きく上昇、週後半までの下落分を埋めきった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.88%であったのに対して、マザーズ指数は+0.05%、東証グロース市場指数は+0.11%だった。
時価総額上位銘柄では、15日の確定申告最終日を前にして思惑が強まったクラウド会計ソフトのフリー<4478>が+23.4%と急伸。ANYCOLOR<5032>は業績予想の上方修正や東証プライム市場への市場区分変更申請を契機に見直され、週末にかけて2日連続でストップ高比例配分となり、週間では+26.8%。スマレジ<4431>は業績予想の上方修正と中期経営計画の発表が材料視されて+27.1%。主力パイプラインの開発進展が引き続き評価されたステムリム<4599>も+12.3%。Macbee Planet<7095>やGA technologies<3491>なども決算が評価され、週間騰落率ランキングの上位に顔を出した。
■個人の投資意欲継続、久々のIPOは大型株敬遠の動きもあり活発か
来週の新興市場はもみ合いか。世界的な金融システム不安がくすぶる中、流動性リスクの大きい新興株も引き続き神経質な動きを強いられそうだ。一方、世界経済の先行き不透明感の強まりを背景に金利の先高観が後退していることはグロース(成長)株中心の新興株には追い風となる。景気や為替との連動性が低い内需系セクターが中心であることも東証プライム市場の主力大型株と比べて相対的な安心感がある。来週から新規株式公開(IPO)ラッシュが始まるため、換金売りが重しとなりそうだが、新興株を巡る状況は悪くなさそうだ。
他方、金融システム不安の影響が小さいとの見立てから、国内銀行株のリバーサルを狙った押し目買いが個人投資家を中心に活発化したが、その後の銀行株の戻りは非常に鈍く、この点は個人の含み損益悪化につながっていそうで留意したい。一方、先々週までの間に日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>や日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>を通じて売りポジションを構築していた個人が多かったことを踏まえれば、今週の日経平均の急落局面で利益を取っているとみられ、全体でみれば個人の含み損益の状況は中立か。実際、今週はフリー<4478>やChatwork<4448>などコロナ禍の大規模緩和相場の折に賑わっていた懐かしい銘柄で強い動きが見られたほか、eWeLL<5038>のような好業績銘柄で上場来高値を更新する銘柄も見られ、個人の投資意欲は引き続き高そうだ。
21-22日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催予定で、会合結果次第でムードが変わる可能性には留意したいが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は会見でバランスを取ってくると考えられるため、波乱はないと予想する。
来週はSHINKO<7120>、ハルメクHD<7119>、アイビス<9343>、日本ナレッジ<5252>の新規株式公開(IPO)が予定されている。久々のIPOである上、バリュー(割安)・高配当利回り銘柄など東証プライムの大型株を選好する動きが一服していることもあり、IPOのセカンダリー物色が活発化しそうだ。
長い調整を経た分、今週の決算を契機とした見直し余地が依然として大きそうなANYCOLOR<5032>、決算などを材料に長期で上値志向を強めているスマレジ<4431>、Macbee Planet<7095>などにも注目したい。ほか、不動産関連株として日本銀行の政策変更以来、調整が続いていたGA technologies<3491>にも、決算を機に見直し機運の高まりに期待したい。
<FA>
今週の新興市場は小幅ながら3週続伸。米シリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー銀行の経営破綻で金融システム不安が高まり、週初からリスク回避の動きが先行。週後半にはスイス金融大手のクレディ・スイス・グループの経営難を契機に欧州でも銀行株が急落し、投資家心理を悪化させた。一方、経営難に直面する米ファースト・リパブリック銀行への複数大手銀行による支援の動きが安心感を誘い、週末には新興株を中心に大きく上昇、週後半までの下落分を埋めきった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.88%であったのに対して、マザーズ指数は+0.05%、東証グロース市場指数は+0.11%だった。
時価総額上位銘柄では、15日の確定申告最終日を前にして思惑が強まったクラウド会計ソフトのフリー<4478>が+23.4%と急伸。ANYCOLOR<5032>は業績予想の上方修正や東証プライム市場への市場区分変更申請を契機に見直され、週末にかけて2日連続でストップ高比例配分となり、週間では+26.8%。スマレジ<4431>は業績予想の上方修正と中期経営計画の発表が材料視されて+27.1%。主力パイプラインの開発進展が引き続き評価されたステムリム<4599>も+12.3%。Macbee Planet<7095>やGA technologies<3491>なども決算が評価され、週間騰落率ランキングの上位に顔を出した。
■個人の投資意欲継続、久々のIPOは大型株敬遠の動きもあり活発か
来週の新興市場はもみ合いか。世界的な金融システム不安がくすぶる中、流動性リスクの大きい新興株も引き続き神経質な動きを強いられそうだ。一方、世界経済の先行き不透明感の強まりを背景に金利の先高観が後退していることはグロース(成長)株中心の新興株には追い風となる。景気や為替との連動性が低い内需系セクターが中心であることも東証プライム市場の主力大型株と比べて相対的な安心感がある。来週から新規株式公開(IPO)ラッシュが始まるため、換金売りが重しとなりそうだが、新興株を巡る状況は悪くなさそうだ。
他方、金融システム不安の影響が小さいとの見立てから、国内銀行株のリバーサルを狙った押し目買いが個人投資家を中心に活発化したが、その後の銀行株の戻りは非常に鈍く、この点は個人の含み損益悪化につながっていそうで留意したい。一方、先々週までの間に日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>や日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>を通じて売りポジションを構築していた個人が多かったことを踏まえれば、今週の日経平均の急落局面で利益を取っているとみられ、全体でみれば個人の含み損益の状況は中立か。実際、今週はフリー<4478>やChatwork<4448>などコロナ禍の大規模緩和相場の折に賑わっていた懐かしい銘柄で強い動きが見られたほか、eWeLL<5038>のような好業績銘柄で上場来高値を更新する銘柄も見られ、個人の投資意欲は引き続き高そうだ。
21-22日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催予定で、会合結果次第でムードが変わる可能性には留意したいが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は会見でバランスを取ってくると考えられるため、波乱はないと予想する。
来週はSHINKO<7120>、ハルメクHD<7119>、アイビス<9343>、日本ナレッジ<5252>の新規株式公開(IPO)が予定されている。久々のIPOである上、バリュー(割安)・高配当利回り銘柄など東証プライムの大型株を選好する動きが一服していることもあり、IPOのセカンダリー物色が活発化しそうだ。
長い調整を経た分、今週の決算を契機とした見直し余地が依然として大きそうなANYCOLOR<5032>、決算などを材料に長期で上値志向を強めているスマレジ<4431>、Macbee Planet<7095>などにも注目したい。ほか、不動産関連株として日本銀行の政策変更以来、調整が続いていたGA technologies<3491>にも、決算を機に見直し機運の高まりに期待したい。
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