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サイバネットシステムのニュース
■サイバネットシステム<4312>の業績動向
(1) セグメント別業績
a) シミュレーションソリューションサービス事業
シミュレーションソリューションサービス事業の売上高は前年同期比26.8%減の7,665百万円、セグメント利益は同48.0%減の1,410百万円となった。売上高の内訳を見ると、代理店売上が同37.5%減の5,089百万円と大きく落ち込んだ一方で、自社開発製品売上は同4.4%増の1,652百万円、サービス売上は同24.3%増の923百万円と増収になった。
代理店売上はSynopsys関連製品が無くなったことで減収となったが、主力製品であるマルチフィジックス解析ツールについては保守契約の更新が好調に推移した。また、自社開発製品については海外子会社製品を中心に堅調に推移した。なお同社で開発したAI搭載した大腸内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN(R)-EYE」※は、韓国で新たに薬事承認を取得した。ただ、売上はまだ僅かで本格的に拡大していくためには国内外で保険適用を受けることが重要になる。サービス収入については、最新の開発手法であるMBSEの導入支援コンサルティングや、設計業務の解析支援に関するエンジニアリングサービスが好調に推移し、2ケタ増収となった。そのほか、売上規模はまだ数千万円規模と小さいものの、AR/VRソリューションやIoTソリューション等のDX事業も2ケタ増収が続いており、順調に成長している。
※大腸内視鏡で撮影された画像をAIが解析し、ポリープなどを検出すると警告を発し、医師による病変の発見を補助するソフトウェア。2020年に管理医療機器(クラスII)として国内で薬事承認され、オリンパスが大腸内視鏡とセットにして同ソフトウェアを医療機関に販売している。
なお、収益認識会計基準等の適用により、従来会計基準と比べて売上高で488百万円、セグメント利益で271百万円の減少要因となっている。従来会計基準で計算した場合、売上高は前年同期比22.1%減の8,154百万円、セグメント利益は同38.0%減の1,681百万円であった。
b) ITソリューションサービス事業
ITソリューションサービス事業の売上高は前年同期比1.5%増の2,070百万円、セグメント利益は同0.6%減の290百万円とほぼ前年同期並みの水準となったが、収益認識会計基準等の適用による影響が大きく、売上高で131百万円、セグメント利益で22百万円の減少要因となっている。従来会計基準で計算した場合は、売上高で同8.0%増の2,202百万円、セグメント利益は同7.2%増の313百万円となっている。
売上高の内訳を見ると、代理店売上が収益認識会計基準等の適用による影響もあって同0.8%減の1,802百万円となったが、自社開発製品売上が同3.8%増の168百万円、サービス売上が同66.7%増の100百万円とそれぞれ増収となった。サービス売上については、テレワーク等の新しい働き方の定着・浸透に伴い、ゼロトラストセキュリティ※の考えに基づくクラウド型の次世代エンドポイントセキュリティの有償コンサルティングサービスが好調だった。
※ゼロトラストとは、エンドポイントとサーバ間の通信を暗号化するとともに、すべてのユーザーやデバイス、接続元のロケーションを“信頼できない”ものとして捉え、重要な情報資産やシステムへのアクセス時にはその正当性や安全性を検証することで、マルウェアの感染や情報資産への脅威を防ぐ新しいセキュリティの考え方。
(2) 業種別、契約形態別売上動向(単体ベース)
単体ベースの売上高は7,499百万円となり、前年同期の実績を新会計基準で換算した数値と比較すると16.4%減となった。顧客業種別の売上動向を見ると、教育・官公庁が7.2%増と唯一増収となったが、主要市場である電気機器が30.4%減、機械・精密機器が同27.9%減、輸送用機器が同8.9%減となったほか、情報・通信も同12.6%減となるなど民需向けはすべての業界で減少した。Synopsysの販売代理店契約終了の影響がほぼすべての業界で出ており、特に取引額の大きかった電気機器、機械・精密機器業界向けの減少率が大きくなった。ただ、Synopsys製品を除いた売上高については、いずれの業界向けも増収だったと見られる。
契約形態別売上高の動向についても同様で、ライセンス形態による売上高は前年同期比18.6%減となり、このうち新規契約で同9.8%減、更新契約で同22.3%減となった。更新契約については、Synopsys製品が無くなった影響により、減収率が大きくなっている。また、ライセンス形態以外の売上高も同3.1%減と微減となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1) セグメント別業績
a) シミュレーションソリューションサービス事業
シミュレーションソリューションサービス事業の売上高は前年同期比26.8%減の7,665百万円、セグメント利益は同48.0%減の1,410百万円となった。売上高の内訳を見ると、代理店売上が同37.5%減の5,089百万円と大きく落ち込んだ一方で、自社開発製品売上は同4.4%増の1,652百万円、サービス売上は同24.3%増の923百万円と増収になった。
代理店売上はSynopsys関連製品が無くなったことで減収となったが、主力製品であるマルチフィジックス解析ツールについては保守契約の更新が好調に推移した。また、自社開発製品については海外子会社製品を中心に堅調に推移した。なお同社で開発したAI搭載した大腸内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN(R)-EYE」※は、韓国で新たに薬事承認を取得した。ただ、売上はまだ僅かで本格的に拡大していくためには国内外で保険適用を受けることが重要になる。サービス収入については、最新の開発手法であるMBSEの導入支援コンサルティングや、設計業務の解析支援に関するエンジニアリングサービスが好調に推移し、2ケタ増収となった。そのほか、売上規模はまだ数千万円規模と小さいものの、AR/VRソリューションやIoTソリューション等のDX事業も2ケタ増収が続いており、順調に成長している。
※大腸内視鏡で撮影された画像をAIが解析し、ポリープなどを検出すると警告を発し、医師による病変の発見を補助するソフトウェア。2020年に管理医療機器(クラスII)として国内で薬事承認され、オリンパスが大腸内視鏡とセットにして同ソフトウェアを医療機関に販売している。
なお、収益認識会計基準等の適用により、従来会計基準と比べて売上高で488百万円、セグメント利益で271百万円の減少要因となっている。従来会計基準で計算した場合、売上高は前年同期比22.1%減の8,154百万円、セグメント利益は同38.0%減の1,681百万円であった。
b) ITソリューションサービス事業
ITソリューションサービス事業の売上高は前年同期比1.5%増の2,070百万円、セグメント利益は同0.6%減の290百万円とほぼ前年同期並みの水準となったが、収益認識会計基準等の適用による影響が大きく、売上高で131百万円、セグメント利益で22百万円の減少要因となっている。従来会計基準で計算した場合は、売上高で同8.0%増の2,202百万円、セグメント利益は同7.2%増の313百万円となっている。
売上高の内訳を見ると、代理店売上が収益認識会計基準等の適用による影響もあって同0.8%減の1,802百万円となったが、自社開発製品売上が同3.8%増の168百万円、サービス売上が同66.7%増の100百万円とそれぞれ増収となった。サービス売上については、テレワーク等の新しい働き方の定着・浸透に伴い、ゼロトラストセキュリティ※の考えに基づくクラウド型の次世代エンドポイントセキュリティの有償コンサルティングサービスが好調だった。
※ゼロトラストとは、エンドポイントとサーバ間の通信を暗号化するとともに、すべてのユーザーやデバイス、接続元のロケーションを“信頼できない”ものとして捉え、重要な情報資産やシステムへのアクセス時にはその正当性や安全性を検証することで、マルウェアの感染や情報資産への脅威を防ぐ新しいセキュリティの考え方。
(2) 業種別、契約形態別売上動向(単体ベース)
単体ベースの売上高は7,499百万円となり、前年同期の実績を新会計基準で換算した数値と比較すると16.4%減となった。顧客業種別の売上動向を見ると、教育・官公庁が7.2%増と唯一増収となったが、主要市場である電気機器が30.4%減、機械・精密機器が同27.9%減、輸送用機器が同8.9%減となったほか、情報・通信も同12.6%減となるなど民需向けはすべての業界で減少した。Synopsysの販売代理店契約終了の影響がほぼすべての業界で出ており、特に取引額の大きかった電気機器、機械・精密機器業界向けの減少率が大きくなった。ただ、Synopsys製品を除いた売上高については、いずれの業界向けも増収だったと見られる。
契約形態別売上高の動向についても同様で、ライセンス形態による売上高は前年同期比18.6%減となり、このうち新規契約で同9.8%減、更新契約で同22.3%減となった。更新契約については、Synopsys製品が無くなった影響により、減収率が大きくなっている。また、ライセンス形態以外の売上高も同3.1%減と微減となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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