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【QAあり】ダイキアクシス、「環境を守る。未来を変える。」をミッションに事業展開 新社長就任により来年から新たなスタートへ

投稿:2023/12/19 15:00

自己紹介

大亀裕貴氏(以下、大亀):株式会社ダイキアクシスの大亀です。本日は投資家層向けの会社説明会として、当社の強みや戦略、持続的成長へ向けた道筋をご説明します。今後の投資判断の一助としていただけたら幸いです。

まず、私の自己紹介です。私は愛媛県松山市出身です。新卒で日立製作所に入社し、電力事業部で営業担当をしていました。2018年にダイキアクシスに入社した後に、海外営業を担当しました。そして、常務執行役員として経営企画、採用教育、情報企画、IT周りを統括する立場をとりました。

2022年1月から専務取締役になり、全社の経営戦略および海外事業戦略の担当として働いています。来月からは代表取締役社長として取り組んでいきたいと思っています。

増井麻里子氏(以下、増井):来年からの社長へのご就任おめでとうございます。ご自身の強みに触れつつ、どのような社長を目指しているか教えてください。

大亀:私は31歳なのですが、若いリーダーとして若い世代を引っ張りたいです。まだ古い体質の部分もある企業ですので、時代にあった仕事の方法や考え方を作り、そのような使命を果たしていくのが1つの役割だと考えています。

また、私としても勉強する必要がある部分もあるので、先輩方のご指導やご協力をいただきながら、任せるところは現場に任せつつ、スピード感を持った意思決定ができる社長になっていきたいと思っています。

私の強みは好奇心が旺盛なところだと思っており、いろいろな方とネットワークを作る部分もそうです。今後は当社だけでなく、いろいろな方々、いろいろな企業と連携しつつ、自分たちの事業を成長させるリーダーになっていきたいです。

Agenda

大亀:本日は、大きく4つのアジェンダに沿ってご説明します。

会社概要

大亀:まず、会社概要です。ダイキアクシスは東京証券取引所のスタンダード市場に上場しており、証券コードは4245です。2本社制を導入し、愛媛県松山市と東京都中央区東日本橋に事務所を構えています。設立は2005年7月で、今年で18期目です。もともとの創業は1958年で、沿革・歴史については後ほどご説明します。

従業員数は1,000名を少し超えたところで、昨年末時点で連結ベースで1,052名という規模の会社です。事業ネットワークに関しては、本社である東京・愛媛を中心に、日本全国に営業ネットワークを持っています。海外も、シンガポール・インドネシア・インド・スリランカ・中国の5ヶ国に現地法人を有しています。

事業と組織の歩み

大亀:事業グループの歴史についてご説明します。まず、1958年に愛媛県松山市にて、我々の前身の企業である水回り商品群の卸売事業、つまり衛生陶器の衛生タイルをメーカーから仕入れてハウスメーカーに卸すという商社の事業を開始しました。これが我々の事業の始まりです。

社会の背景として高度経済成長期があります。その中で公害問題等が発生したこともあり、1964年に水処理メーカーとして水処理の研究開発と、浄化槽の製造販売を開始しました。その後、成長する中でホームセンター事業を開始しており、前身の企業はホームセンター事業を中心に成長してきました。

2005年にダイキアクシスが設立されたのですが、この時にホームセンター事業をほかのホームセンターの会社と経営統合するという話がありました。そこで現在の社長の大亀裕が、BtoB系の住宅機器や環境機器、また、再生可能エネルギーの事業に関しても成長性・将来性があると判断し、資源の選択と集中を行うために、ホームセンター事業の会社から別会社としてダイキアクシスを設立しました。

その後、2013年に東証市場第2部に上場しています。またこの年に、後の将来の成長のためにインドネシアの現地法人を取得し、排水処理事業において海外展開を本格化させました。2014年には東証市場第1部に指定替えをしています。

2015年以降は、海外事業、再生可能エネルギーの事業にも注力しました。2022年には、排水処理の浄化槽の製造工場がスリランカとインドに建設されています。

理念体系

大亀:我々が大事にしている理念体系です。スライドの一番上のミッションに「環境を守る。未来を変える。」を掲げ、事業そのもので環境課題を解決することに取り組んでいます。地球環境を守りながら人類の未来をより良く変えていくことが使命です。

パーパスは今年設定したのですが、我々がなぜこの社会に存在するのかについて、「世界の環境課題を技術とアイデアで解決し、世界の人々の生活を支える」としています。我々は愛媛県発の企業ですが、現在、グローバルに事業を展開しています。世界の環境課題を事業そのもので解決しながら、技術を高め、我々のアイデアで世界の人々の生活を支えていくことが我々の存在意義です。

スピリットは従業員として土台となる精神で、「PROTECT×CHANGE」を掲げています。

この3つの中には「守る」と「変える」という、一見両極端な言葉が並んでいます。65年の歴史がある事業グループで、先輩方が築いてきた資産、事業ネットワーク、良い伝統を十分に守りながら、仕事の方法・考え方を時代に沿って変えていく、すなわち、守りながら変えていくことが、我々の土台となる精神です。

事業内容

大亀:事業内容です。1つ目が、水処理の事業です。家庭用の浄化槽を製造し、生活排水をきちんと処理して自然に返します。2つ目の排水処理システムは、産業排水・工場排水をきちんと処理して自然に返すという事業です。

3つ目は、トイレ・キッチン・お風呂などの水回りの商材を中心としている事業です。メーカーから仕入れてゼネコンやハウスメーカーに販売するという、卸売商社の事業を手がけています。

4つ目は、太陽光・風力・バイオディーゼル燃料の3つの再生可能エネルギーの事業です。サステイナブルな世界を実現するという事業テーマを持って取り組んでいます。

5つ目は中国・四国エリアの限定の事業で、お客さまに飲料水や水道直結型のウォーターサーバーを提供しています。

会社概要/グループ概況

大亀:グループ概況についてご説明します。我々の規模としては、前期の連結売上高が394億円でした。

セグメント別では、全体の売上高のうち51.9パーセントを、我々が環境機器関連事業と呼んでいる水処理の事業が占めています。浄化槽や工場排水のシステム・プラントを設計し、製造して販売する事業です。

事業として2番目に大きいのが、全体の41.6パーセントである住宅機器関連事業です。こちらは建設関連業者向けの卸売、ホームセンター向けの卸売のほか、住宅機器の部門工事として外壁工事や農業温室・ホームセンターの店舗建築を手がける工事部門も含まれています。

3番目は、全体の4.9パーセントである再生可能エネルギー関連事業です。太陽光発電・小形の風力発電・バイオディーゼル燃料を手がけています。

飲料水の事業の売上高比率は全体の1.6パーセントです。

増井:4つのセグメントの中で、今後、売上高構成比を高めていきたいと考えているセグメントはありますか?

大亀:それぞれ上げていきたいとは思うのですが、全体的に見ると、やはり再生可能エネルギーの事業はまだ伸ばせる余地があると思っています。現在、利益率も十分に確保しながら成長している事業部門で、こちらの売上を伸ばしていくことで、我々としても収益性を高めながら成長できると思っています。

増井:「新たに立ち上げたい事業があれば知りたいです」というご質問がきています。

大亀:それについては社長になるにあたって考えていきたいと思っています。いろいろなことを考えながらイメージしているところで、今はっきりと言えることはありません。

増井:まだこれからということですね。

大亀:今年はCVCを立ち上げ、スタートアップやベンチャー企業に投資する取り組みを始めています。スタートアップの企業からいろいろな技術やビジネスアイデアをもらいながら、連携しつつ新しい事業に取り組んでいきたいと思っています。

事業概況

大亀:それぞれの事業の概況についてご説明します。環境機器関連事業の国内の事業に関しては、飲料水の上水、排水再利用の中水、排水処理の下水と、すべての水処理に対応できる総合水処理メーカーとして取り組んでいます。国内拠点は29拠点、国内浄化槽の製造工場は4工場を有しています。

「日本の豊かな水環境を守る」という事業テーマを持っており、60年以上の歴史があります。現在では、研究開発から製造・営業・施工・メンテナンスと、一気通貫で手がけている総合水処理メーカーです。お客さまのさまざまなニーズに応えながら技術力を高め、いろいろなサービス・付加価値を高めながら、お客さまへ水処理のプラントを提供しています。

海外については、現在、アジアを中心に新興国・途上国に事業を展開しています。全世界で浄化槽の販売代理店が33社あります。また、海外での浄化槽製造工場は5工場です。

まだ下水道が普及していない国々に出て、浄化槽、すなわち分散型の生活排水の処理装置を提供しています。そこでは規制や政府からの働きかけも非常に重要になるため、政府・自治体のみなさまと連携を取りながら展開しているところです。

事業概況

大亀:住宅機器関連事業は祖業のビジネスで、「快適な住環境作りに貢献する」という事業テーマを持って取り組んでいます。今までは中国・四国エリア中心の展開でしたが、関西・関東エリアへを広げながら、お客さまに高付加価値の商材を提供しています。

再生可能エネルギー事業は、太陽光・風力・バイオディーゼル燃料の3つのエネルギーで「循環型社会の実現に貢献する」という事業テーマを持って展開しています。

成長戦略 / グループとしての方向性

大亀:我々の強みと成長戦略についてご説明します。今、企業理念とパーパスを土台にして中期経営計画を進めています。2030年度にESG経営を十分に体現できるように、グローバルな舞台で期待を超える活躍をし、世界から環境の未来を期待されるような、認知度の高い企業を目指しています。

成⾧戦略 / グループとしての方向性

大亀:中期経営計画では、2025年までに達成する定量目標を掲げています。その中の重点項目として、海外展開の加速・製品開発・ストックビジネス・IT推進・安定から成長への転化・M&Aの推進・再生可能エネルギーという7つの方向性と具体的な施策を挙げています。現在、それぞれの事業部門が目標達成を目指して取り組んでいる状況です。

成長戦略

大亀:それぞれの事業部門における成長戦略について、もう少し具体的にご説明します。環境機器関連事業の海外戦略は、販売地域の拡大および生産能力の強化の2つをテーマとして取り組んでいます。現在、インド・インドネシア・スリランカ・中国に事業展開しています。地域特性や生活文化によって出る汚水も変わるため、それぞれに応じた研究開発を行うと同時に、それぞれの拠点・製造・販売機能を強化しているところです。

また、現在、特にインド市場への集中投資を実施しており、昨年はインド北部のデリーに浄化槽の自社工場を設立しました。いかに品質を高めながら量産可能な製造体制を整備するかが喫緊の課題です。生産可能台数を増加することで、お客さまのニーズやスピード感に応じた製品提供を目指しています。

住宅機器関連事業の成長戦略は競争力の強化です。木構造体事業を手がけていますが、いまだ収益率が高くない事業部門です。

現在、今までメーカーにお願いしていた部分も含め、木構造体のすべての工程を自社でできるように取り組みを進めており、今年度中に準備が完了する予定です。これにより利益率が向上し、付加価値の高い木造建築の販売が可能になります。地域経済の活性化やカーボンニュートラルも含めた貢献ができるよう、事業を拡大していきます。

再生可能エネルギー関連事業の成長戦略は競争力の強化です。太陽光や風力による発電サービスはさまざまな企業が提供していますが、我々はバイオディーゼル燃料での発電も可能です。発電所や再生可能エネルギー、あるいは燃料において、より付加価値の高いエネルギーミックスを提供することで競争力の強化を目指します。

増井:環境機器関連事業において、インドに非常に高いポテンシャルを感じている理由は、やはり人口が増える点でしょうか? また、政治リスクはどのように見ていますか?

大亀:インドは、やはり人口増加がかなり大きなポテンシャルだと思います。それに伴って都市化が進み、住宅もどんどん建設されています。

インド国内の地方自治体や政府の方々によると、大型の排水処理施設の建設は行われているものの、人口増加と都市化がかなり早く、建設中の施設の規模では賄えないスピードで進んでいるそうです。増設工事も追いつかず、コストもかさんでいる状況です。また、大型施設のため大型配管等の設備を用意しなくてはならず、将来的にはメンテナンスコストが上がるという課題もあります。

我々が提供している浄化槽は分散型で、建物の下にそのまま設置することでオンサイトできれいな水に処理できるため、その点にメリットを感じていただいています。

インドの政治リスクに関しては、カナダやアメリカとのいろいろな衝突がニュースになっていますし、モディ首相の考えもリスクの1つではあると思います。

しかし、今後の脱中国や、アジアやグローバルサプライチェーンの中でのインドの立ち位置はかなりのポテンシャルがあると思っており、そこに投資しています。リスクヘッジは十分に検討しながら、インドでの事業を成長させたいと考えています。

成長戦略 / 環境機器関連事業【海外展開】

大亀:海外展開の状況をご説明します。現在、アジア・アフリカ各国に代理店を33社、世界各国に代理店網を持っています。浄化槽の生産拠点としては、中国に1拠点、インドネシアに1拠点、スリランカに1拠点、インドに2拠点と、5つの拠点があります。

成長戦略 / 環境機器関連事業【海外展開 / インド】

大亀:海外展開を行う上での最重要国として、我々はインドに集中投資を実施しています。現地スタッフの雇用と育成による安定供給体制の構築を目指し、現地人材の教育を行っているところです。

営業に関しては、東西南北それぞれのエリアに販売代理店を設置し、地方ごとに現地の民間企業や政府とつながりがある方々と接点を持って、インドの広大な国土をカバーしながら浄化槽の販売を進めています。

生産に関しては委託生産工場と自社生産工場が1つずつあり、浄化槽生産能力はそれぞれ月30台です。品質を保ちながら量産体制を整えています。

今後我々の収益率を高める事業として、メンテナンスが必要になります。現地の大学と連携しながらメンテナンス人材を育成し、我々の事業のマンパワーとなる人材確保につなげていけるよう取り組んでいます。

成長戦略 / 環境機器関連事業【海外展開 / インドネシア・スリランカ】

大亀:インドネシアとスリランカについてです。インドネシアに関しては、もともとインドネシアからインドへ製品供給を行っていましたが、インドに新工場ができたことで、インドネシアの工場稼働率が低くなっていることが課題の1つです。

我々はインドネシアで10年間事業を行っていますが、現地の民間企業への営業販売が芳しくない状況です。こちらに関しては現地行政と連携し、インドネシアの現地企業への営業を強化し、販売代理店を設けて取り組んでいます。

スリランカに関しては、昨年、小型の家庭用浄化槽の組み立て工場を設立しました。スリランカは非常に大きな国家破産の宣告など、良くない情勢に見えますが、国内ビジネスとしてはかなり順調に推移しています。安定した工場の稼働もあり、政府・民間それぞれの営業は順調に進んでいると捉えています。

荒井沙織氏(以下、荒井):浄化槽の海外市場について、現在の競合状況を教えていただきたいです。中国や韓国のメーカーが脅威となるのはどの分野でもいえることですが、その点はいかがでしょうか?

大亀:「脅威になるか?」といえば、なるという回答になります。ただし、中国や韓国は似たような浄化槽の製品を作って販売していますが、売って終わりというかたちで、メンテナンスの概念がほとんどありません。

現地の導入する側も同様で、そのような意識の違いは大きいです。メンテナンスは直接的にエンドユーザーにメリットのある製品ではないため、水環境を改善するという目的を達成するためには、ある程度の規制が必要になってきます。

日本国内には浄化槽法という法律があり、メーカーは政府の認証がなければ浄化槽を作れない上、定期的なメンテナンスも義務づけられています。我々は海外展開する中で、そのような政府にもメリットがある規制作りの働きかけを行いながら、浄化槽を販売している状況です。

荒井:この分野でも、メイドインジャパンの引き合いは多くあるのでしょうか?

大亀:そのとおりです。浄化槽といわれる分散型の製品は日本の浄化槽メーカーしか作れないため、それぞれの国で「ジャパンだから」とよく言われます。

成長戦略

大亀:利益改善に向けた取り組みについてです。コスト管理については、海外ではスリランカモデルという工場展開があります。小型の浄化槽を組み立てる組立工場を作ります。組立工場のため初期投資が少なく、人材育成が容易で、現地の運送費、税関・税金の節約になるという特徴があります。今後、海外展開を進める中で、このスリランカモデルを導入していきたいと考えています。

住宅機器関連事業における大きな課題は、低収益率であるところです。収益率を高める施策として、集中購買や不採算事業の見直しに取り組みます。

IT推進も我々の成長戦略の1つですが、まだ道半ばです。「kintone」や「Slack」などのシステムを活用し、作業効率や生産性を高めることで、新しいアイデアが生まれる時間を作っています。

業績概要 / 経営成績の概況【連結業績推移】

大亀:業績概要および業績予想についてご説明します。スライドは2013年以降の経営成績の概況のグラフです。今期は売上高400億円の達成が見えていますが、経常利益率は1.6パーセントで、こちらが大きな課題であると捉えています。

業績概要 /経営成績の概況【2022年12月期決算概要総括】

大亀:前期の決算概要です。連結売上高は394.7億円、連結営業利益は8.2億円、営業利益率は2.1パーセントとなっています。

業績概要 /経営成績の概況【2023年通期業績予想】

大亀:今期の業績予想です。連結売上高は前期比101.3パーセントの400億円で、連結営業利益は前期比69パーセントの5.7億円、営業利益率は1.4パーセントとなっており、営業利益の落ち込みが大きな課題です。

2年連続の従業員のベースアップと、想定以上の仕入れ価格・原材料の上昇があり、販売価格への転嫁が追いついていないことが大きな要因になっています。

増井:一般的な建設業の場合、業績が下期に出るところが多いです。御社の場合はいかがですか?

大亀:以前はそのような面もありましたが、収益認識基準という会計基準を適用して工事の進捗率に応じて計上しているため、昔ほどの季節性はなくなってきています。

業績概要 / 経営成績の概況【各経営指標】

大亀:各経営指標です。前期のROEは6.25パーセント、PBRは0.96倍です。ROICはWACCを下回っています。各経営指標もしっかりと見ながら、ROE8パーセント以上を目指していく必要があると考えています。

荒井:今年の半ばから長期金利が上昇しています。負債コストのコントロールについて方針を教えていただけますか?

大亀:長期金利については、PPAモデルによる太陽光事業の推進のため、先行投資を行っている段階です。アセットを持つことをデッドとしているため、負債が増えている状況です。これらの案件については、資金調達がプロジェクトに紐づいており、プロジェクトの事業計画と負債コストの比較を適時行いながら進めています。

株主還元

大亀:株主還元についてご説明します。配当推移はスライドのとおりで、前期までは半期で12円、合計24円の配当でした。今年は創業から65周年で、これまでの価格からプラス3円の半期15円、合計30円、配当性向を74.6パーセントとします。

増井:今期は純利益も減益ですが、増配される背景と、予想を変更する可能性があるか教えてください。

大亀:今年が65周年のため、その記念の配当で、株主のみなさまに還元する部分の変更は予定していません。

株主優待

大亀:株主優待については「ダイキアクシス・プレミアム優待倶楽部」を導入しており、保有株式数に応じてポイントが付与され、さまざまな商品と交換いただけます。ぜひ参考にしていただければと思います。

当社IRツールのご案内

大亀:我々のIRツールについて、Webサイトに投資家情報ページを設けており、各リリースについてはこちらに掲載しています。また、メール配信サービスも行っているため、ぜひご登録いただき、各情報をタイムリーに知っていただければと思います。

質疑応答:認定仕様との不適合の発生について

増井:認定仕様との不適合の発生について、こちらで特別損益を2億円ほど計上されていると思います。この範囲でコストは収まる見込みですか?

大亀:入れ替えが必要な製品に関しては、今年10月末に入れ替えが完了しており、発生した費用はすでに開発元の企業に請求しています。入れ替え工事費用は想定どおり2億円に収まっています。

増井:入れ替えが可能な現場はすべて入れ替えを実施されるとのことですが、最大何ヶ所あるのでしょうか?

大亀:46現場です。

増井:けっこうあるのですね。

大亀:そちらの入れ替えをすべて完了したという状況です。

すでにご利用いただいている製品に関しては物理的に入れ替えが困難です。しかし、調査を行い自治体や政府関係の機関に確認したところ、水質への影響や耐久性において安全性に問題はないため、今、既設の製品と同じ仕様で再認定の取得を進めています。

増井:では、入れ替えないものに関しては認定の基準を変えるといった対応をするのでしょうか?

大亀:そのとおりです。元々の設計と導入製品供給の部分でもかなり安全に見ており、そのような対応をしています。

質疑応答:事業の地域性について

荒井:「拠点が多い地域と少ない地域がありますが、これは他社と棲み分けているのでしょうか? また、これから進出の計画はありますか?」というご質問です。

大亀:水処理・浄化槽の事業は地域性があると思っています。我々は愛媛県の会社のため、中国・四国エリアと九州での浄化槽のシェアが高いです。

浄化槽の製品は認定製品で、国が設計基準を有しているため、なかなか独自性を出せず競争率も高められません。多くの場合は工場が近くにある地域を対象に、輸送費を抑えながら提供するため、地域性が発生します。我々は愛媛県および四国地域、中国地方を中心に展開しており、この点が競合との棲み分けになっています。

海外については、我々としてポテンシャルがある途上国と、日本から近いアジア地域をターゲットとして展開しています。

質疑応答:株主優待について

荒井:株主優待について「配当金支払いに変更してほしい」という声もありますが、優待は今後も変更せずに続けられるお考えですか?

大亀:時々社内でも議論するのですが、今のところ変更は考えていません。

質疑応答:長期投資家へのコメントについて

荒井:「長期投資家は、今、少し株価が低迷している時期で苦しい思いをしているのではないかと思います。御社を信じて投資を続けている投資家に向けて一言いただきたいです」とのことです。

大亀:長期保有していただき、また、いつも応援いただきありがとうございます。来年から社長が交代する中で、今までも海外事業には取り組んでいましたが、特に今後ダイキアクシスを支えるのは排水処理の海外事業だと思っています。

ほかの国内の事業に関してもいろいろな施策を考えながら、収益率を高め、新しい投資家のみなさまにも応援していただける企業として成長していきたいと思っています。ぜひ、引き続き応援いただければと思います。

荒井:やはり長期保有の方はありがたい存在ですね。

質疑応答:大亀氏の経験について

荒井:大亀さんは新社長ということでみなさま注目されていると思います。「ダイキアクシスに入社された後はどのような事業に携わっていたのでしょうか? それぞれの現場に入っての経験もされたのでしょうか?」というご質問です。

大亀:私は2018年にダイキアクシスへ入社し、最初は海外の浄化槽販売の営業を行っていました。具体的には、海外の代理店のサポートが業務の中心です。ミャンマーやインド、スリランカを中心に毎月出張ベースで各地へ赴き、お客さまとの交渉や、工事現場での作業も行いました。

質疑応答:ベトナム・ミャンマーでの今後の戦略について

増井:「ベトナム・ミャンマーには代理店が1社あると思います。今後、こちらの国々ではどのような戦略を考えているのか教えてください」というご質問です。

大亀:ミャンマーについては政変があり、我々としてもなかなか資本や人材を送り込める状況ではありません。ただし、それがやっと落ち着いてきた部分もあり、今年から1社の代理店が動き出し、浄化槽の販売をしています。政変以前は、海外の代理店の中でもミャンマーはビジネス的にかなりうまくいっており、資本を入れる検討もしていました。

ベトナムに関しては、2019年ぐらいから代理店に浄化槽を売っていただいています。我々の代理店戦略としては、基本的に浄化槽を現地に広めたいため、代理店の企業には浄化槽を中心に売ってもらいます。代理店の方々に年間の目標を与え、それをクリアできれば、生産拠点を作ったり資本を入れたりするような次の検討へ進みます。

しかし、ベトナムの1社はなかなかその販売目標をクリアできていません。また、ベトナム国内には分散型の処理装置を販売している企業や代理店などの競合がほかにもいるため、市場的に少し厳しい部分はあります。

増井:競合はどのようなメーカーが多いですか?

大亀:日系の浄化槽メーカーも入っていますし、中国系や現地の企業で似たような浄水槽の製品を作っている企業もいると聞いています。

質疑応答:住宅機器関連事業について

荒井:「住宅機器関連事業の国内での伸びしろはどのくらいあるのでしょうか? また、将来的にこの事業も海外進出される可能性があるのでしょうか?」というご質問です。

大亀:どのくらいかとはっきりお答えすることは難しいのですが、我々としては、今までメーカーから仕入れてハウスメーカーやゼネコンに販売することを実直に行ってきました。売上を伸ばすところに集中したために、なかなか収益率が上がらなかった事業です。

木構造体や先ほどご説明したような新しい技術や、環境配慮・高付加価値の商材などを発掘し、それらを中国・四国エリアを中心に、関西・関東エリアにも広げていきたいと考えています。ただし、今はそれぞれの事業ネットワークの中で販売し、収益率を高めていきたいと思っています。

質疑応答:収益の確保について

増井:「売上は積み上がっているが、これはM&Aによるものが大きく、むしろのれん比や低い利益率の中では収益が確保されていないと思います。この点はどう認識されていますか?」というご質問です。

大亀:利益率の向上は全事業部門の課題と捉えています。今年は特に、従業員ベースアップ分の約1.5億円と、原材料や仕入れ価格の想定以上の高騰があり、それに対する価格転嫁が追いついていません。

そのような中で、建築の物件は長期的な契約もあり、以前に契約していたものと比較すると、今仕入れて売ると利益率がかなり低くなってしまいます。住宅機器関連事業は本当に利益率が下がっている状況のため、改善したいと考えています。

利益率向上のためには、卸売における仕入れ単価を下げるだけでなく、施工工事を伴う売上の強化や、先ほどご説明したようなメーカー機能を持たせることで、利益を確保できる体制を整えていきたいと思っています。

荒井:業績に対するリスク要因としては、今お話しいただいたあたりでしょうか?

大亀:おっしゃるとおりです。原材料仕入れ価格の高騰がかなり大きな部分のため、そちらをいかに営業力を持って価格転嫁し、粗利率・収益率を高められるかが一番の課題だと考えています。

大亀氏からのご挨拶

大亀:我々は「環境を守る。未来を変える。」をミッションとし、「世界の環境課題を技術とアイデアで解決し、世界の人々の生活を支える」というパーパスを持って事業展開を行っています。

来年から社長になるにあたって、若いリーダーとして、自社事業を通じて業界や日本を盛り上げていきたいと思っています。ご共感いただける方はぜひ応援していただけるとありがたいです。

配信元: ログミーファイナンス
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