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ダイキアクシスのニュース
■事業概要
ダイキアクシス<4245>の2020年12月期の事業規模は、売上高が34,647百万円、営業利益が1,045百万円であった。売上高の事業別構成比は、環境機器関連事業が51.0%、住宅機器関連事業が42.6%、再生可能エネルギー関連事業が2.6%、その他事業が3.8%である。セグメント別営業利益と売上高営業利益率は、環境機器関連事業が1,199百万円、6.8%、住宅機器関連事業が313百万円、2.1%、再生可能エネルギー関連事業が347百万円、38.4%、その他事業が171百万円、13.1%であった。
2021年12月期までの3ヶ年中期経営計画「Make FOUNDATION Plan」は、コロナ禍の影響により中断し、最終年度に掲げた定量目標を取り下げた。新たに2021年12月期を初年度とする新3ヶ年中期経営計画を策定した。これまでのコーポレートスローガンである「PROTECT×CHANGE(プロテクト・バイ・チェンジ)」の体現を目指す。海外展開の加速や再生可能エネルギーなど6項目の成長戦略は維持する。コロナ禍に伴う変化に対応して、IT推進の位置付けを以前の生産性向上の手段から成長戦略の1つとして追加した。
1. 環境機器関連事業
合成樹脂製浄化槽の製造・販売からコンクリート製の大型排水処理施設の設計・施工・維持管理を手掛ける。個人住宅のし尿・生活排水から産業排水、地域集落排水の処理をカバーし、多岐にわたる用途に対応している。排水処理関連機器だけでなく、地下水の飲料化の上水事業、使用した上水を再利用する中水システムにも関わっている。子会社と協業して、メンテナンスサービス体制を構築している。
環境機器関連事業の売上高(2020年12月期)は、浄化槽・排水処理システムの95.8%と上水事業の4.2%に分かれる。世界的なコロナ禍の影響で海外事業は当初見込みに届かず、海外売上高比率は5.7%にとどまった。一方、ストック型ビジネスのメンテナンスは、着実に売上高を伸ばし、29.1%を占めた。
(1) 同社の強み
同社の強みは、排水処理施設に関する開発、設計、製造、施工、販売、メンテナンスの一貫体制を取っていることにある。メンテナンス業務により顧客との継続的なコンタクトが可能になり、改修・増設工事の受注にも結び付く。また、現場で収集したユーザーニーズを研究開発にフィードバックしている。メンテナンスは、専属部門が24時間監視やスポット対応など顧客ニーズに合わせたサービスを提供できるよう体制を整えている。
(2) 海外事業
水インフラビジネスは、主要3業務で構成される。すなわち、部材・部品・機器製造と装置設計・組立・施工・運転、及び事業運営・保守・管理(水売り)である。フランスのヴェオリアとスエズ、米国のGEウォーターなどのメジャーはすべての領域を網羅する。一方、日系企業は水処理機器、エンジニアリング、オーガナイザーなど各分野に特化している。同社は、中小規模の排水処理をターゲットとすることから、水メジャーと棲み分ける。主要3業務を一貫して提供する機能を持つことが、日系企業に対する差別化となる。生活排水処理・事業場排水処理、公共水域浄化のいずれにも対応できる。中小規模の排水処理で、ASEANやインド、アフリカでの市場拡大に際して、先行者利得を得る可能性が大きい。
(3) 上水事業
2007年より事業を開始した上水事業は、安全で安価な飲料水を安定的に提供するエスコサービスになる。供給する上水は地下水を飲料化したもので、従来の上水料金よりも10~30%のコスト削減になる。利用方法は水道とまったく変わらず、使用量に応じて課金される。エスコの上水設備は同社が所有する。顧客先の設備の稼働状況は、ITセンサーを駆使することで、同社の本社から24時間365日モニタリングする遠隔自動監視システムを導入している。
エスコ事業の契約期間は10年の長期にわたる。既存の顧客との契約が長期間にわたり継続して安定的な収益を生み、新規契約が収益を加算するストック(積み上げ)型のビジネスモデルになる。各現場とも、供給開始初年度から黒字化する。現在、投資金額や生産・施工能力から年間15件の獲得を上限としている。供給設備の減価償却法は定額法を用いている。契約期間内の年間償却負担は一定だが、2年目より営業費用が不要になるため、営業利益率が大幅に改善する。さらに償却期間が終了した10年目以降も契約が継続されれば、収益性は飛躍的に上がることになる。エスコ事業は2006年12月期から開始されている。
2020年12月期は、エスコシステムの導入契約と買取販売が各1件であった。同期末におけるエスコ導入件数97件の業態別内訳は、病院が28件、福祉施設が16件、食品加工工場が14件、大型商業施設とスポーツジムが各12件、学校法人が8件、ホテルが5件、温浴施設1件、その他1件であった。コロナ禍により病院、大型商業施設、スポーツジム、ホテルなどの経営は厳しくなっている。水の使用量も減少している。
(4) 保守点検事業
DCMグループ店舗の店舗浄化槽設備工事とメンテナンス、店舗管理業務(清掃・消防・電気等点検業務)を請け負っている。全国規模の大手コンビニエンス・ストアチェーン、大手外食チェーンの店舗及びセントラルキッチンにおける排水処理設備・浄化槽メンテナンスの一括受注を拡大する。従来の業者が地元特化型であるのに対し、同社はコスト削減だけでなく全国規模で均質の役務提供をすることで差別化を図る。メンテナンス業務に従事することで改築や増設工事のタイムリーな提案ができるうえ、メンテナンスで把握した問題点を次期製品の開発に生かすことで同社に好循環をもたらしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<EY>
ダイキアクシス<4245>の2020年12月期の事業規模は、売上高が34,647百万円、営業利益が1,045百万円であった。売上高の事業別構成比は、環境機器関連事業が51.0%、住宅機器関連事業が42.6%、再生可能エネルギー関連事業が2.6%、その他事業が3.8%である。セグメント別営業利益と売上高営業利益率は、環境機器関連事業が1,199百万円、6.8%、住宅機器関連事業が313百万円、2.1%、再生可能エネルギー関連事業が347百万円、38.4%、その他事業が171百万円、13.1%であった。
2021年12月期までの3ヶ年中期経営計画「Make FOUNDATION Plan」は、コロナ禍の影響により中断し、最終年度に掲げた定量目標を取り下げた。新たに2021年12月期を初年度とする新3ヶ年中期経営計画を策定した。これまでのコーポレートスローガンである「PROTECT×CHANGE(プロテクト・バイ・チェンジ)」の体現を目指す。海外展開の加速や再生可能エネルギーなど6項目の成長戦略は維持する。コロナ禍に伴う変化に対応して、IT推進の位置付けを以前の生産性向上の手段から成長戦略の1つとして追加した。
1. 環境機器関連事業
合成樹脂製浄化槽の製造・販売からコンクリート製の大型排水処理施設の設計・施工・維持管理を手掛ける。個人住宅のし尿・生活排水から産業排水、地域集落排水の処理をカバーし、多岐にわたる用途に対応している。排水処理関連機器だけでなく、地下水の飲料化の上水事業、使用した上水を再利用する中水システムにも関わっている。子会社と協業して、メンテナンスサービス体制を構築している。
環境機器関連事業の売上高(2020年12月期)は、浄化槽・排水処理システムの95.8%と上水事業の4.2%に分かれる。世界的なコロナ禍の影響で海外事業は当初見込みに届かず、海外売上高比率は5.7%にとどまった。一方、ストック型ビジネスのメンテナンスは、着実に売上高を伸ばし、29.1%を占めた。
(1) 同社の強み
同社の強みは、排水処理施設に関する開発、設計、製造、施工、販売、メンテナンスの一貫体制を取っていることにある。メンテナンス業務により顧客との継続的なコンタクトが可能になり、改修・増設工事の受注にも結び付く。また、現場で収集したユーザーニーズを研究開発にフィードバックしている。メンテナンスは、専属部門が24時間監視やスポット対応など顧客ニーズに合わせたサービスを提供できるよう体制を整えている。
(2) 海外事業
水インフラビジネスは、主要3業務で構成される。すなわち、部材・部品・機器製造と装置設計・組立・施工・運転、及び事業運営・保守・管理(水売り)である。フランスのヴェオリアとスエズ、米国のGEウォーターなどのメジャーはすべての領域を網羅する。一方、日系企業は水処理機器、エンジニアリング、オーガナイザーなど各分野に特化している。同社は、中小規模の排水処理をターゲットとすることから、水メジャーと棲み分ける。主要3業務を一貫して提供する機能を持つことが、日系企業に対する差別化となる。生活排水処理・事業場排水処理、公共水域浄化のいずれにも対応できる。中小規模の排水処理で、ASEANやインド、アフリカでの市場拡大に際して、先行者利得を得る可能性が大きい。
(3) 上水事業
2007年より事業を開始した上水事業は、安全で安価な飲料水を安定的に提供するエスコサービスになる。供給する上水は地下水を飲料化したもので、従来の上水料金よりも10~30%のコスト削減になる。利用方法は水道とまったく変わらず、使用量に応じて課金される。エスコの上水設備は同社が所有する。顧客先の設備の稼働状況は、ITセンサーを駆使することで、同社の本社から24時間365日モニタリングする遠隔自動監視システムを導入している。
エスコ事業の契約期間は10年の長期にわたる。既存の顧客との契約が長期間にわたり継続して安定的な収益を生み、新規契約が収益を加算するストック(積み上げ)型のビジネスモデルになる。各現場とも、供給開始初年度から黒字化する。現在、投資金額や生産・施工能力から年間15件の獲得を上限としている。供給設備の減価償却法は定額法を用いている。契約期間内の年間償却負担は一定だが、2年目より営業費用が不要になるため、営業利益率が大幅に改善する。さらに償却期間が終了した10年目以降も契約が継続されれば、収益性は飛躍的に上がることになる。エスコ事業は2006年12月期から開始されている。
2020年12月期は、エスコシステムの導入契約と買取販売が各1件であった。同期末におけるエスコ導入件数97件の業態別内訳は、病院が28件、福祉施設が16件、食品加工工場が14件、大型商業施設とスポーツジムが各12件、学校法人が8件、ホテルが5件、温浴施設1件、その他1件であった。コロナ禍により病院、大型商業施設、スポーツジム、ホテルなどの経営は厳しくなっている。水の使用量も減少している。
(4) 保守点検事業
DCMグループ店舗の店舗浄化槽設備工事とメンテナンス、店舗管理業務(清掃・消防・電気等点検業務)を請け負っている。全国規模の大手コンビニエンス・ストアチェーン、大手外食チェーンの店舗及びセントラルキッチンにおける排水処理設備・浄化槽メンテナンスの一括受注を拡大する。従来の業者が地元特化型であるのに対し、同社はコスト削減だけでなく全国規模で均質の役務提供をすることで差別化を図る。メンテナンス業務に従事することで改築や増設工事のタイムリーな提案ができるうえ、メンテナンスで把握した問題点を次期製品の開発に生かすことで同社に好循環をもたらしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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