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ファブリカホールディングスのニュース
*15:13JST ファブリカ Research Memo(3):自動車アフターマーケット領域のITサービス、SMS配信サービスを手掛ける
■事業概要
1. セグメント情報
ファブリカコミュニケーションズ<4193>は、法人向けSMS配信プラットフォーム「メディアSMS」と、中古車販売業務支援クラウドサービス「symphony」を主軸に、顧客の業務効率向上に資するサービスの提供に取り組んでいる。セグメントは、「SMSソリューショングループ」「U-CARソリューショングループ」「インターネットサービスグループ」「オートサービスグループ」の4つに分かれている。
法人向けにSMS配信サービス「メディアSMS」を提供、新型コロナウイルス感染者への連絡手段として自治体での採用が増加
2. SMSソリューショングループ
「SMSソリューショングループ」は、法人向けにSMS配信サービス「メディアSMS」の提供を行っている。同グループは、子会社であるメディア4uが展開しており、法人向けのSMS配信サービスをメイン事業としている。法人向けSMS配信サービスは、顧客である企業や自治体などに対しインターネットを通じてSMS配信機能を提供し、SMSの配信数に応じて課金する従量課金での売上が主な収益となっている。
最近では、電話(音声電話)の接続率が低くなっていること、ダイレクトメール(DM)や、封書・ハガキの開封率が低くなっていることもあり、SMSは企業や自治体とエンドユーザーを結ぶ強力なコンタクトツールとして市場認知が高まっている。SMSの利用用途は本人認証・業務連絡・督促・事前連絡など多岐にわたり、同社資料によると現在はA2P(Application-to-Person:法人から個人にメッセージを配信する)SMS国内法人市場の約3割が本人認証であると言う。また、同社グループの配信数における本人認証の割合は約2割に留まっているとしており、付加価値が高いとされる業務連絡・督促・事前通知で約7割を占めるという特徴がある。そして、同領域(業務連絡・督促・事前通知の3用途)ではトップシェアを占めている。顧客それぞれのニーズに沿った導入支援・コンサルティングを含めたサービス体制により、今後も市場シェア拡大を目指す考えである。
コロナ禍において、自治体が新型コロナウイルス感染者への連絡手段としてSMSを活用する動きも見られた。自宅療養者への健康観察において保健所から全件電話で連絡していたものを、重症化のリスクがない療養者へはSMSで代替することなどで自治体の業務効率化に貢献した。同社は、自治体がコロナ禍においてSMS利用の実効性を得られたのを機に、アフターコロナにおいても定常的にほかの業務(徴税・健診勧奨など)への利用促進に努めている。
SMS配信サービスの強みは、ほぼ全ての携帯電話にメッセージを配信できることである。SMS配信サービスを運営するにあたり、主要な携帯電話事業者((株)NTTドコモ、KDDI<9433>、ソフトバンク<9434>、楽天モバイル(株))と直接接続契約を締結しており、メディア4uでは顧客である企業や自治体から依頼された配信コンテンツを携帯電話事業者のSMS配信ルートを利用して、一般ユーザーに配信している。
「メディアSMS」では、主な携帯電話事業者と直接接続の契約を行い、専用インターフェースに繋ぐ設計により高いサービス品質を実現している。機能面では「双方向サービス」「他人接続判定機能」「長文化SMS対応」「キャリア判定機能」「IVR(自動音声応答)連携」「決済サービス連携」などの多くの追加機能を持っている。なかでも、「長文化SMS対応(SMSの文字数制限を最大670文字にする)」が同社の強みとなっている。
中古車販売業務支援クラウドサービス「symphony」を提供
3. U-CARソリューショングループ
「U-CARソリューショングループ」は、中古車販売業務支援クラウドサービス「symphony」を提供し、自動車アフターサービスに関連する事業者のビジネスを支援している。同社がターゲットとする国内の中古車販売事業者数は近年増加傾向にあり、約3万社となっている。整備事業に特化していた事業者が車両販売に新規進出し、顧客獲得を進める動きが活発化していることなどが背景にある。現在の同社の国内の拠点数は13ヶ所であり、「symphony」の提供エリアは限定的である。ただ、近年は拠点の新設を活発化している。同社は今後も拠点を増設し、「symphony」の導入社数の増加に注力していくものと弊社は見ている。
U-CARソリューショングループでは、自社開発した中古車販売管理システムと広告出稿プラットフォームを融合した「symphony」を全国の自動車販売店に提供することで、月額で利用料※を得ている。「symphony」は、顧客である国内の自動車販売店が必要とする商品在庫車の仕入れ販売管理、請求・見積書発行やユーザーからの問合せ管理機能、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)やグループウェア(組織や集団の内部で情報を共有・コミュニケーション可能なソフトウェア)など、中古車販売に必要なあらゆるツールをワンストップで提供するSaaS(Software as a Service)である。主な収益モデルは、「売上高=利用企業数×システム利用料(月額)」である。
※同社が運営する中古車検索メディア「車選びドットコム」の車両掲載台数に応じて月額のシステム利用料が変わる料金体系となっている。
また、複数の中古車検索サイトへの広告出稿プラットフォームの提供、ユーザー向けの中古車保証サービスやタイヤパンク保証の販売、個人向けオークションや国内BtoBマーケットプレイスとのシステム連携、輸出事業者へのデータ提供など、中古車販売を行ううえで必要なサービスを網羅している。これにより多様な商品車の売買機会を提供し、在庫回転率の向上を実現するとともに膨大な車両データの入力の手間を大幅に削減するなど、「symphony」を利用する自動車販売店の収益機会の最大化に貢献している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<SI>
1. セグメント情報
ファブリカコミュニケーションズ<4193>は、法人向けSMS配信プラットフォーム「メディアSMS」と、中古車販売業務支援クラウドサービス「symphony」を主軸に、顧客の業務効率向上に資するサービスの提供に取り組んでいる。セグメントは、「SMSソリューショングループ」「U-CARソリューショングループ」「インターネットサービスグループ」「オートサービスグループ」の4つに分かれている。
法人向けにSMS配信サービス「メディアSMS」を提供、新型コロナウイルス感染者への連絡手段として自治体での採用が増加
2. SMSソリューショングループ
「SMSソリューショングループ」は、法人向けにSMS配信サービス「メディアSMS」の提供を行っている。同グループは、子会社であるメディア4uが展開しており、法人向けのSMS配信サービスをメイン事業としている。法人向けSMS配信サービスは、顧客である企業や自治体などに対しインターネットを通じてSMS配信機能を提供し、SMSの配信数に応じて課金する従量課金での売上が主な収益となっている。
最近では、電話(音声電話)の接続率が低くなっていること、ダイレクトメール(DM)や、封書・ハガキの開封率が低くなっていることもあり、SMSは企業や自治体とエンドユーザーを結ぶ強力なコンタクトツールとして市場認知が高まっている。SMSの利用用途は本人認証・業務連絡・督促・事前連絡など多岐にわたり、同社資料によると現在はA2P(Application-to-Person:法人から個人にメッセージを配信する)SMS国内法人市場の約3割が本人認証であると言う。また、同社グループの配信数における本人認証の割合は約2割に留まっているとしており、付加価値が高いとされる業務連絡・督促・事前通知で約7割を占めるという特徴がある。そして、同領域(業務連絡・督促・事前通知の3用途)ではトップシェアを占めている。顧客それぞれのニーズに沿った導入支援・コンサルティングを含めたサービス体制により、今後も市場シェア拡大を目指す考えである。
コロナ禍において、自治体が新型コロナウイルス感染者への連絡手段としてSMSを活用する動きも見られた。自宅療養者への健康観察において保健所から全件電話で連絡していたものを、重症化のリスクがない療養者へはSMSで代替することなどで自治体の業務効率化に貢献した。同社は、自治体がコロナ禍においてSMS利用の実効性を得られたのを機に、アフターコロナにおいても定常的にほかの業務(徴税・健診勧奨など)への利用促進に努めている。
SMS配信サービスの強みは、ほぼ全ての携帯電話にメッセージを配信できることである。SMS配信サービスを運営するにあたり、主要な携帯電話事業者((株)NTTドコモ、KDDI<9433>、ソフトバンク<9434>、楽天モバイル(株))と直接接続契約を締結しており、メディア4uでは顧客である企業や自治体から依頼された配信コンテンツを携帯電話事業者のSMS配信ルートを利用して、一般ユーザーに配信している。
「メディアSMS」では、主な携帯電話事業者と直接接続の契約を行い、専用インターフェースに繋ぐ設計により高いサービス品質を実現している。機能面では「双方向サービス」「他人接続判定機能」「長文化SMS対応」「キャリア判定機能」「IVR(自動音声応答)連携」「決済サービス連携」などの多くの追加機能を持っている。なかでも、「長文化SMS対応(SMSの文字数制限を最大670文字にする)」が同社の強みとなっている。
中古車販売業務支援クラウドサービス「symphony」を提供
3. U-CARソリューショングループ
「U-CARソリューショングループ」は、中古車販売業務支援クラウドサービス「symphony」を提供し、自動車アフターサービスに関連する事業者のビジネスを支援している。同社がターゲットとする国内の中古車販売事業者数は近年増加傾向にあり、約3万社となっている。整備事業に特化していた事業者が車両販売に新規進出し、顧客獲得を進める動きが活発化していることなどが背景にある。現在の同社の国内の拠点数は13ヶ所であり、「symphony」の提供エリアは限定的である。ただ、近年は拠点の新設を活発化している。同社は今後も拠点を増設し、「symphony」の導入社数の増加に注力していくものと弊社は見ている。
U-CARソリューショングループでは、自社開発した中古車販売管理システムと広告出稿プラットフォームを融合した「symphony」を全国の自動車販売店に提供することで、月額で利用料※を得ている。「symphony」は、顧客である国内の自動車販売店が必要とする商品在庫車の仕入れ販売管理、請求・見積書発行やユーザーからの問合せ管理機能、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)やグループウェア(組織や集団の内部で情報を共有・コミュニケーション可能なソフトウェア)など、中古車販売に必要なあらゆるツールをワンストップで提供するSaaS(Software as a Service)である。主な収益モデルは、「売上高=利用企業数×システム利用料(月額)」である。
※同社が運営する中古車検索メディア「車選びドットコム」の車両掲載台数に応じて月額のシステム利用料が変わる料金体系となっている。
また、複数の中古車検索サイトへの広告出稿プラットフォームの提供、ユーザー向けの中古車保証サービスやタイヤパンク保証の販売、個人向けオークションや国内BtoBマーケットプレイスとのシステム連携、輸出事業者へのデータ提供など、中古車販売を行ううえで必要なサービスを網羅している。これにより多様な商品車の売買機会を提供し、在庫回転率の向上を実現するとともに膨大な車両データの入力の手間を大幅に削減するなど、「symphony」を利用する自動車販売店の収益機会の最大化に貢献している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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