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rakumoのニュース
*12:21JST rakumo Research Memo(1):期初想定を上回る上期業績進捗
■要約
rakumo<4060>は、カレンダーや勤怠管理、経費精算、稟議申請等の各種機能を有している企業向けグループウェアサービス「rakumo」をSaaS方式で提供するIT企業である。「rakumo」の特長はGoogle WorkspaceやSalesforceの機能を拡張できることで、機能ごとに細かく料金が設定されているため、必要なものだけを選んで自由に組み合わせて使うことができる。例えば、Google Workspaceの場合、導入にあわせて社内のオンプレミスのシステムを「rakumo」でクラウド化できるうえ、個人用に設計されたGoogleのアプリケーションを組織や企業でも使いやすくすることが可能となる。同社は製品間連携に強みを有しており、導入ユーザーはクラウド上で効率的に業務を進めることができる。また、料金設定も比較的安価に設定されており、大手企業から中小企業まで幅広いユーザー層をターゲットにしている。
1. 2023年12月期上期の業績概要
2023年12月期上期の連結業績は、売上高が前期比15.9%増の597百万円、営業利益が同46.4%増の147百万円、営業利益率は24.7%。同社は上期業績予想を開示していないが、期初に発表された通期予想に対する進捗率は、売上高で47.9%、営業利益で50.5%と高進捗になっており、上振れ基調での順調な進捗と評価できる。主要なKPIであるSaaSサービスにおけるユニークユーザー(UU)数及び利用社数も順調に増加し、解約率についても0.65%と低水準にて着地している。企業のDX投資加速や、オンプレミスからクラウドへの移行が進むにつれて、クラウド利用を前提としたシステム開発を進める環境が整備され、クラウドシフトにも弾みがついていることから同社を取り巻く外部環境は追い風が続いており、売上高は主力のSaaSサービスを中心に順調に二桁成長が続いている。一方、営業利益は通期計画に対する進捗率が50%を超え、営業利益率も前期は販売部門への投資があったことから一時的に悪化したが、2023年12月期上期は24.7%(第1四半期24.2%、第2四半期25.1%)へと改善し、通期計画である23.4%を上回るペースで進捗している。
2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の連結業績は、売上高が前期比13.7%増の1,246百万円、営業利益が同25.6%増の291百万円を見込む(期初計画から変更なし)。クラウド市場の高成長が続くことが外部環境上の追い風となるほか、同社では新規クライアント開拓のための各種販売施策実施、新規プロダクトのローンチなど独自の販売拡大に向けた取り組みも進める方針である。既に2019年12月期より利益創出フェーズにも入っており、SaaSというストック型のビジネスモデルを活かして今後は中長期的にも安定した売上および利益成長が見込めるだろう。時期や料金設定については未定ながら、同社では2023年12月期中にHR系プロダクトのローンチを目指しており、今後の中長期的な事業領域の拡大という観点からも注目すべき動きである。上期までの業績高進捗や想定以上の利益率改善、さらには期初計画には織り込まれていない7月に買収した(株)アイヴィジョンの業績寄与が下期に期待されることなどを踏まえると、同社業績は期初計画を大きく上回って着地する可能性が高まっていると評価できるだろう。
3. 中長期成長戦略のアップデート
同社ではアドバンテッジアドバイザーズ(株)との資本業務提携を2023年5月に発表し、当該会社などが出資するファンドに対して第8回新株予約権および第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を割り当てた。アドバンテッジアドバイザーズ(株)はハンズオン型の経営支援を実施しており、同社からの開示資料によれば、以下(1)~(7)の領域での事業提携を実施していく方針であり、オーガニック成長をメインとしながらもM&A等のノンオーガニック成長のハンズオン支援が実施されるとのことである。
(1)新規顧客の獲得支援
(2)戦略的製品設計に関する支援
(3)解約防止に向けた顧客体験の向上支援
(4)既存顧客に対する追加サービスの拡販支援
(5)新規サービスの開発支援
(6)M&A支援(買収先の PMI 及び各種シナジー施策含む)
(7)その他 同社とアドバンテッジアドバイザーズ(株)が別途合意する業務
なお、同社債により調達した資金は主に7月1日付で完全子会社化したアイヴィジョンの買収資金に充当された。アイヴィジョンは、IR動画や会社紹介・サービス紹介動画を中心とした映像制作・配信事業を手掛けており、2022年6月期の売上高は136百万円、営業利益は68百万円となっている。同社によれば2023年6月期も増収増益傾向とのことである。なお、同社への業績寄与は2023年7月1日以降となり、期待が持てよう。買収関連費用やのれん償却費の詳細金額は現在算定中だが、これら費用計上後でも十分、下期業績にプラス寄与が期待されるとみられる。また、アイヴィジョンの買収により、短期的な業績寄与のみならず、中長期的にも新規クライアント獲得に弾みがつくこと、新規プロダクトのローンチなどが期待され、一定のシナジー効果についても期待されよう。同社では従来から他社サービスの連携強化、M&Aの実行による事業拡大を目指しており、今回の買収もそれに沿った動きと考えられる。今後も年1件程度、徐々に規模の大きなM&Aが想定されるが、割安に買収可能で企業価値にプラスとなるようなM&Aを実施することを大前提としており、同社のM&A戦略は今後も中長期的な企業価値向上にプラスに作用する可能性が高いと弊社では考えている。
■Key Points
・2023年12月期上期営業利益は年間計画の50%を超過、主要KPIもすべて順調に推移
・大手クラウドプラットフォームとの強固な関係をベースとして、同社主力の「rakumo」製品の売上高は年率成長15-20%が中長期的に続く見通し
・2023年7月にアイヴィジョンを買収。業績寄与に加え、新規クライアント獲得や新規プロダクトローンチでの相乗効果に期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<SO>
rakumo<4060>は、カレンダーや勤怠管理、経費精算、稟議申請等の各種機能を有している企業向けグループウェアサービス「rakumo」をSaaS方式で提供するIT企業である。「rakumo」の特長はGoogle WorkspaceやSalesforceの機能を拡張できることで、機能ごとに細かく料金が設定されているため、必要なものだけを選んで自由に組み合わせて使うことができる。例えば、Google Workspaceの場合、導入にあわせて社内のオンプレミスのシステムを「rakumo」でクラウド化できるうえ、個人用に設計されたGoogleのアプリケーションを組織や企業でも使いやすくすることが可能となる。同社は製品間連携に強みを有しており、導入ユーザーはクラウド上で効率的に業務を進めることができる。また、料金設定も比較的安価に設定されており、大手企業から中小企業まで幅広いユーザー層をターゲットにしている。
1. 2023年12月期上期の業績概要
2023年12月期上期の連結業績は、売上高が前期比15.9%増の597百万円、営業利益が同46.4%増の147百万円、営業利益率は24.7%。同社は上期業績予想を開示していないが、期初に発表された通期予想に対する進捗率は、売上高で47.9%、営業利益で50.5%と高進捗になっており、上振れ基調での順調な進捗と評価できる。主要なKPIであるSaaSサービスにおけるユニークユーザー(UU)数及び利用社数も順調に増加し、解約率についても0.65%と低水準にて着地している。企業のDX投資加速や、オンプレミスからクラウドへの移行が進むにつれて、クラウド利用を前提としたシステム開発を進める環境が整備され、クラウドシフトにも弾みがついていることから同社を取り巻く外部環境は追い風が続いており、売上高は主力のSaaSサービスを中心に順調に二桁成長が続いている。一方、営業利益は通期計画に対する進捗率が50%を超え、営業利益率も前期は販売部門への投資があったことから一時的に悪化したが、2023年12月期上期は24.7%(第1四半期24.2%、第2四半期25.1%)へと改善し、通期計画である23.4%を上回るペースで進捗している。
2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の連結業績は、売上高が前期比13.7%増の1,246百万円、営業利益が同25.6%増の291百万円を見込む(期初計画から変更なし)。クラウド市場の高成長が続くことが外部環境上の追い風となるほか、同社では新規クライアント開拓のための各種販売施策実施、新規プロダクトのローンチなど独自の販売拡大に向けた取り組みも進める方針である。既に2019年12月期より利益創出フェーズにも入っており、SaaSというストック型のビジネスモデルを活かして今後は中長期的にも安定した売上および利益成長が見込めるだろう。時期や料金設定については未定ながら、同社では2023年12月期中にHR系プロダクトのローンチを目指しており、今後の中長期的な事業領域の拡大という観点からも注目すべき動きである。上期までの業績高進捗や想定以上の利益率改善、さらには期初計画には織り込まれていない7月に買収した(株)アイヴィジョンの業績寄与が下期に期待されることなどを踏まえると、同社業績は期初計画を大きく上回って着地する可能性が高まっていると評価できるだろう。
3. 中長期成長戦略のアップデート
同社ではアドバンテッジアドバイザーズ(株)との資本業務提携を2023年5月に発表し、当該会社などが出資するファンドに対して第8回新株予約権および第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を割り当てた。アドバンテッジアドバイザーズ(株)はハンズオン型の経営支援を実施しており、同社からの開示資料によれば、以下(1)~(7)の領域での事業提携を実施していく方針であり、オーガニック成長をメインとしながらもM&A等のノンオーガニック成長のハンズオン支援が実施されるとのことである。
(1)新規顧客の獲得支援
(2)戦略的製品設計に関する支援
(3)解約防止に向けた顧客体験の向上支援
(4)既存顧客に対する追加サービスの拡販支援
(5)新規サービスの開発支援
(6)M&A支援(買収先の PMI 及び各種シナジー施策含む)
(7)その他 同社とアドバンテッジアドバイザーズ(株)が別途合意する業務
なお、同社債により調達した資金は主に7月1日付で完全子会社化したアイヴィジョンの買収資金に充当された。アイヴィジョンは、IR動画や会社紹介・サービス紹介動画を中心とした映像制作・配信事業を手掛けており、2022年6月期の売上高は136百万円、営業利益は68百万円となっている。同社によれば2023年6月期も増収増益傾向とのことである。なお、同社への業績寄与は2023年7月1日以降となり、期待が持てよう。買収関連費用やのれん償却費の詳細金額は現在算定中だが、これら費用計上後でも十分、下期業績にプラス寄与が期待されるとみられる。また、アイヴィジョンの買収により、短期的な業績寄与のみならず、中長期的にも新規クライアント獲得に弾みがつくこと、新規プロダクトのローンチなどが期待され、一定のシナジー効果についても期待されよう。同社では従来から他社サービスの連携強化、M&Aの実行による事業拡大を目指しており、今回の買収もそれに沿った動きと考えられる。今後も年1件程度、徐々に規模の大きなM&Aが想定されるが、割安に買収可能で企業価値にプラスとなるようなM&Aを実施することを大前提としており、同社のM&A戦略は今後も中長期的な企業価値向上にプラスに作用する可能性が高いと弊社では考えている。
■Key Points
・2023年12月期上期営業利益は年間計画の50%を超過、主要KPIもすべて順調に推移
・大手クラウドプラットフォームとの強固な関係をベースとして、同社主力の「rakumo」製品の売上高は年率成長15-20%が中長期的に続く見通し
・2023年7月にアイヴィジョンを買収。業績寄与に加え、新規クライアント獲得や新規プロダクトローンチでの相乗効果に期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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