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*12:04JST 日本情報C Research Memo(4):2020年6月期以降はストック売上高が拡大基調
■日本情報クリエイト<4054>の事業概要
2. サービス別売上高
サービス別売上高と売上構成比、イニシャル・ストック別の売上高と売上構成比の推移(2020年6月期~2023年6月期)は次のとおりである。サービス別では売上高は両サービスとも拡大基調で、売上構成比はおおむね仲介ソリューションが3割強、管理ソリューションが6割強で推移している。2023年6月期の売上構成比は仲介ソリューションが39.9%、管理ソリューションが59.0%となった。2023年6月期からリアルネットプロを新規連結したため、仲介ソリューションの売上高が大幅に増加したためである。イニシャル売上高・ストック売上高別に見るとストック売上高が拡大基調であり、ストック売上構成比も上昇基調である。2023年6月期の売上構成比はイニシャル売上が26.4%、ストック売上が73.6%となった。ストック売上比率が一気に70%台まで上昇したのは、リアルネットプロの新規連結の寄与によるものである。
地域密着型のコンサルティング・サポート力やフリーミアム戦略が特長・強み
3. 特長・強み
同社の特長・強みは、全国の中小規模の不動産仲介・管理会社をターゲット顧客として、製品の企画から開発・販売・サポートまで不動産業務支援のノウハウを集約した自社一貫のワンストップサービス体制を構築していること、多様なラインナップ(商品・サービス)や周辺関連業界とのデータ連携によって独自のDXプラットフォームを構築していること、全国30拠点(2023年6月期末時点)の営業ネットワークによって地域密着型のきめ細かいコンサルティングとサポートを実現していること、無償の不動産業者間物件流通サービス「不動産BB」及び「リアプロ仲介」によって新規顧客開拓・顧客基盤拡大を推進し、顧客との接点を強化したうえで「賃貸革命」などの有償サービスへのクロスセル・アップセルによって売上拡大を図るフリーミアム戦略を基本としていること、低い解約率やストック売上の積み上げによって高い利益率や安定した財務基盤を実現していることなどが挙げられる。
フリーミアム戦略の顧客基盤となる業者間物件流通サービス(無償)の顧客数の推移(2020年6月期~2022年6月期は「不動産BB」、2023年6月期より「不動産BB」と「リアプロ仲介」の合計)は次のとおりである。2023年6月期末の顧客数は43,017事業所となった。内訳は「不動産BB」の期首時点の20,286事業所+「リアプロ仲介」の期首時点の17,157事業所(「不動産BB」との重複を除く)+「不動産BB」と「リアプロ仲介」の合計の増加5,574事業所である。リアルネットプロを子会社化したことに伴い、フリーミアム戦略の顧客基盤が一段と強固となった。
月額有償サービスの利用顧客数(2023年6月期より「リアプロ管理」を含む)は、2023年6月期末時点で5,850事業所となった。内訳は期首時点の同社有償サービスの4,186事業所+期首時点の「リアプロ管理」の1,147事業所(同社有償顧客との重複を除く)+同社とリアルネットプロの合計の増加517事業所である。今後は新サービス開発や営業体制強化などにより、有償サービスへのクロスセル・アップセル戦略を加速する方針である。
有償サービスの平均月次解約率(既存契約の月額課金額に占める解約に伴って減少した月額課金の割合)はおおむね0.5%前後で推移している。地域密着型のコンサルティングやサポートにより低い解約率を維持している。なお2023年6月期第3四半期に1.2%へ上昇する場面があったが、これは大口顧客1社の解約があった一時的影響によるもので、第4四半期は0.6%に低下した。解約率の低さは同社のサービスに対する顧客満足度の高さも示していると考えられる。
市場は拡大基調。新規開業の小規模仲介・管理事業者はDXを積極推進
4. リスク要因・収益特性と課題・対策
システム開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のIT・DX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクト・品質不具合やシステム障害の発生、技術革新への対応遅れ、知的財産権、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係、法的規制などがある。
人材の育成・確保については、営業体制強化に向けて2022年6月期に大量採用を実施し、営業拠点を18拠点新設した。この結果、2022年6月期末の従業員数は2021年6月期末比52名増加の294名(うち営業人員が55名増加の113名)となった。2023年6月期は1人当たり売上高を高めるため新規採用を抑制し、前期に大量採用した営業人員の教育・フォローに重点を置くとともに、一部人員の営業サポートチームへの転向などを進めた。この結果2023年6月期末の従業員数は、前期末比13名増加の307名(内訳は営業人員が23名減少の90名、営業サポートチームが10名増加の45名、開発部が9名増加の73名、その他が17名増加の99名)となった。また営業部門テレマーケティングチームを新たな部門として設立した。営業体制強化に向けた先行投資がおおむね完了したため、2024年6月期以降は増収効果によって利益が出やすい収益構造となった。
なお同社の業績の季節要因として第3四半期(1月~3月)の構成比が低くなる傾向がある。1月~3月は不動産仲介・管理事業者にとって繁忙期となるため、システム導入作業を4月以降に先送りする傾向があるためである。ただしストック売上が拡大基調であることに変化はない。また、同社の顧客は中小規模の不動産仲介・管理会社(大手FCチェーンへの個々の加盟店を含む)であり、有償サービスが月額1百万円未満の顧客が大半を占めている。このため特定顧客への依存リスクは小さい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2. サービス別売上高
サービス別売上高と売上構成比、イニシャル・ストック別の売上高と売上構成比の推移(2020年6月期~2023年6月期)は次のとおりである。サービス別では売上高は両サービスとも拡大基調で、売上構成比はおおむね仲介ソリューションが3割強、管理ソリューションが6割強で推移している。2023年6月期の売上構成比は仲介ソリューションが39.9%、管理ソリューションが59.0%となった。2023年6月期からリアルネットプロを新規連結したため、仲介ソリューションの売上高が大幅に増加したためである。イニシャル売上高・ストック売上高別に見るとストック売上高が拡大基調であり、ストック売上構成比も上昇基調である。2023年6月期の売上構成比はイニシャル売上が26.4%、ストック売上が73.6%となった。ストック売上比率が一気に70%台まで上昇したのは、リアルネットプロの新規連結の寄与によるものである。
地域密着型のコンサルティング・サポート力やフリーミアム戦略が特長・強み
3. 特長・強み
同社の特長・強みは、全国の中小規模の不動産仲介・管理会社をターゲット顧客として、製品の企画から開発・販売・サポートまで不動産業務支援のノウハウを集約した自社一貫のワンストップサービス体制を構築していること、多様なラインナップ(商品・サービス)や周辺関連業界とのデータ連携によって独自のDXプラットフォームを構築していること、全国30拠点(2023年6月期末時点)の営業ネットワークによって地域密着型のきめ細かいコンサルティングとサポートを実現していること、無償の不動産業者間物件流通サービス「不動産BB」及び「リアプロ仲介」によって新規顧客開拓・顧客基盤拡大を推進し、顧客との接点を強化したうえで「賃貸革命」などの有償サービスへのクロスセル・アップセルによって売上拡大を図るフリーミアム戦略を基本としていること、低い解約率やストック売上の積み上げによって高い利益率や安定した財務基盤を実現していることなどが挙げられる。
フリーミアム戦略の顧客基盤となる業者間物件流通サービス(無償)の顧客数の推移(2020年6月期~2022年6月期は「不動産BB」、2023年6月期より「不動産BB」と「リアプロ仲介」の合計)は次のとおりである。2023年6月期末の顧客数は43,017事業所となった。内訳は「不動産BB」の期首時点の20,286事業所+「リアプロ仲介」の期首時点の17,157事業所(「不動産BB」との重複を除く)+「不動産BB」と「リアプロ仲介」の合計の増加5,574事業所である。リアルネットプロを子会社化したことに伴い、フリーミアム戦略の顧客基盤が一段と強固となった。
月額有償サービスの利用顧客数(2023年6月期より「リアプロ管理」を含む)は、2023年6月期末時点で5,850事業所となった。内訳は期首時点の同社有償サービスの4,186事業所+期首時点の「リアプロ管理」の1,147事業所(同社有償顧客との重複を除く)+同社とリアルネットプロの合計の増加517事業所である。今後は新サービス開発や営業体制強化などにより、有償サービスへのクロスセル・アップセル戦略を加速する方針である。
有償サービスの平均月次解約率(既存契約の月額課金額に占める解約に伴って減少した月額課金の割合)はおおむね0.5%前後で推移している。地域密着型のコンサルティングやサポートにより低い解約率を維持している。なお2023年6月期第3四半期に1.2%へ上昇する場面があったが、これは大口顧客1社の解約があった一時的影響によるもので、第4四半期は0.6%に低下した。解約率の低さは同社のサービスに対する顧客満足度の高さも示していると考えられる。
市場は拡大基調。新規開業の小規模仲介・管理事業者はDXを積極推進
4. リスク要因・収益特性と課題・対策
システム開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のIT・DX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクト・品質不具合やシステム障害の発生、技術革新への対応遅れ、知的財産権、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係、法的規制などがある。
人材の育成・確保については、営業体制強化に向けて2022年6月期に大量採用を実施し、営業拠点を18拠点新設した。この結果、2022年6月期末の従業員数は2021年6月期末比52名増加の294名(うち営業人員が55名増加の113名)となった。2023年6月期は1人当たり売上高を高めるため新規採用を抑制し、前期に大量採用した営業人員の教育・フォローに重点を置くとともに、一部人員の営業サポートチームへの転向などを進めた。この結果2023年6月期末の従業員数は、前期末比13名増加の307名(内訳は営業人員が23名減少の90名、営業サポートチームが10名増加の45名、開発部が9名増加の73名、その他が17名増加の99名)となった。また営業部門テレマーケティングチームを新たな部門として設立した。営業体制強化に向けた先行投資がおおむね完了したため、2024年6月期以降は増収効果によって利益が出やすい収益構造となった。
なお同社の業績の季節要因として第3四半期(1月~3月)の構成比が低くなる傾向がある。1月~3月は不動産仲介・管理事業者にとって繁忙期となるため、システム導入作業を4月以降に先送りする傾向があるためである。ただしストック売上が拡大基調であることに変化はない。また、同社の顧客は中小規模の不動産仲介・管理会社(大手FCチェーンへの個々の加盟店を含む)であり、有償サービスが月額1百万円未満の顧客が大半を占めている。このため特定顧客への依存リスクは小さい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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