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*13:14JST イノベーション Research Memo(4):「ITトレンド」と「List Finder」が主力サービス(2)
■イノベーション<3970>の会社概要
(2) ITソリューション事業
ITソリューション事業では、法人営業に特化したMAツール「List Finder」や、これらを基軸としたWebサイトへの集客施策などに関するコンサルティングサービスを提供している。
「List Finder」は、法人営業プロセスのなかで見込み顧客の育成から成約・クロージング(リードナーチャリング)、アップセル・クロスセル(フォローアップ)までを効率的に行うツールである。主な機能としては名刺情報に基づいた見込み顧客の一元管理、一括メール配信、自社サイト来訪個人解析、自社サイト来訪企業解析、フォーム作成機能などが挙げられる。
MAツールの市場は、日本でもSalesforceやマルケト(2018年、Adobeに買収)などの、外資系企業が販売を開始したのを契機に立ち上がり始めた比較的新しい市場となっている。ただ、外資系の製品はいずれも高機能でシナリオ設計が複雑であるため、ツールを使いこなすためにはマーケティングとITに精通した人材を専任で配置する必要がある。同社は、簡単な機能で低価格の製品を提供できれば中堅・中小企業などでも需要が拡大すると見て「List Finder」を開発した。
基本的なビジネスモデルは、導入企業に対する月額料金の合計が収益となる構造である。2020年3月期より、それまでのアカウント数拡大戦略から収益力強化に向けた顧客満足度の最大化戦略に転換した。足元では導入企業数は2020年3月期は483件、2021年3月期は475件、2022年3月期は478件、2023年3月期は477件と横ばい傾向、平均請求金額(ARPU:Average Revenue Per User)も2021年3月期までは上昇基調だったが、ここ2年間ほど横ばい傾向であり、事業としての業績の伸びにやや停滞感が出ている。実際、ITソリューション事業の売上高は、2021年3月期が472百万円、2022年3月期が477百万円、2023年3月期が477百万円とほぼ横ばいが続いている。
(3) 金融プラットフォーム事業
金融プラットフォーム事業は、2021年3月期から事業を開始している。DX(デジタルトランスフォーメーション)が遅れており、かつ大幅な市場成長が見込まれるIFA市場とM&A市場をターゲットとしている。デジタルマーケティングのノウハウを生かし、金融仲介業に進出し、IFA事業とM&A事業を行っている。2020年2月に資産運用コンサルティング業務を行うHorse IFA Partners(現 Innovation IFA Consulting)の株式を取得し子会社化したほか、同年10月にM&A仲介支援業務を行うInnovation M&A Partnersを設立し、事業を拡大している。IFA事業では、IFA人数、口座数、預かり資産残高などが重要な指標である。
一見、ITメディアなどオンラインメディア事業やList FinderといったSaaS事業を手掛ける同社のIFA市場への参入は全く異なる事業領域への挑戦に見えるが、同社がこれまで培ってきたデジタルマーケティングや組織力、ITノウハウをIFA、M&A仲介市場に活用し、営業マンやマンパワーに頼る現時点でのこれらのビジネスモデルを進化させ、IFAにおいては個人投資家と証券会社、そしてIFAをオンラインで結びつけるDXの促進、そして最終的にはIFA業務を支援するためのデジタルサービスを独自に提供する狙いがある。M&A仲介市場においても、売手企業と買手企業をオンラインで結びつけるDXを進め、最終的にM&A業務を支援するためのデジタルサービスの提供を目標としている。IFA市場の市場規模自体は拡大しているが、新規参入企業も多くレッドオーシャン化していくことが想定されるため、このようにITを活用した差別化を進めることが今後はより重要となろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<SO>
(2) ITソリューション事業
ITソリューション事業では、法人営業に特化したMAツール「List Finder」や、これらを基軸としたWebサイトへの集客施策などに関するコンサルティングサービスを提供している。
「List Finder」は、法人営業プロセスのなかで見込み顧客の育成から成約・クロージング(リードナーチャリング)、アップセル・クロスセル(フォローアップ)までを効率的に行うツールである。主な機能としては名刺情報に基づいた見込み顧客の一元管理、一括メール配信、自社サイト来訪個人解析、自社サイト来訪企業解析、フォーム作成機能などが挙げられる。
MAツールの市場は、日本でもSalesforce
基本的なビジネスモデルは、導入企業に対する月額料金の合計が収益となる構造である。2020年3月期より、それまでのアカウント数拡大戦略から収益力強化に向けた顧客満足度の最大化戦略に転換した。足元では導入企業数は2020年3月期は483件、2021年3月期は475件、2022年3月期は478件、2023年3月期は477件と横ばい傾向、平均請求金額(ARPU:Average Revenue Per User)も2021年3月期までは上昇基調だったが、ここ2年間ほど横ばい傾向であり、事業としての業績の伸びにやや停滞感が出ている。実際、ITソリューション事業の売上高は、2021年3月期が472百万円、2022年3月期が477百万円、2023年3月期が477百万円とほぼ横ばいが続いている。
(3) 金融プラットフォーム事業
金融プラットフォーム事業は、2021年3月期から事業を開始している。DX(デジタルトランスフォーメーション)が遅れており、かつ大幅な市場成長が見込まれるIFA市場とM&A市場をターゲットとしている。デジタルマーケティングのノウハウを生かし、金融仲介業に進出し、IFA事業とM&A事業を行っている。2020年2月に資産運用コンサルティング業務を行うHorse IFA Partners(現 Innovation IFA Consulting)の株式を取得し子会社化したほか、同年10月にM&A仲介支援業務を行うInnovation M&A Partnersを設立し、事業を拡大している。IFA事業では、IFA人数、口座数、預かり資産残高などが重要な指標である。
一見、ITメディアなどオンラインメディア事業やList FinderといったSaaS事業を手掛ける同社のIFA市場への参入は全く異なる事業領域への挑戦に見えるが、同社がこれまで培ってきたデジタルマーケティングや組織力、ITノウハウをIFA、M&A仲介市場に活用し、営業マンやマンパワーに頼る現時点でのこれらのビジネスモデルを進化させ、IFAにおいては個人投資家と証券会社、そしてIFAをオンラインで結びつけるDXの促進、そして最終的にはIFA業務を支援するためのデジタルサービスを独自に提供する狙いがある。M&A仲介市場においても、売手企業と買手企業をオンラインで結びつけるDXを進め、最終的にM&A業務を支援するためのデジタルサービスの提供を目標としている。IFA市場の市場規模自体は拡大しているが、新規参入企業も多くレッドオーシャン化していくことが想定されるため、このようにITを活用した差別化を進めることが今後はより重要となろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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