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テラスカイのニュース
■クラウドサービス市場の動向と事業内容
2. 事業内容
テラスカイ<3915>のセグメントは、ソリューション事業と製品事業の2つに分類される。2021年2月期における構成比はソリューション事業が売上高で86.0%、セグメント利益で90.6%を占める主力事業となっている。セグメント利益率ではソリューション事業が15%前後と比較的安定した水準で推移しているのに対して、製品事業は5〜15%台と期によって変動が大きい。売上規模がまだ小さく、売上変動が利益率に与える影響が大きいことが要因となっている。ただ、今後は安定収益基盤となるストック収入の売上構成比が上昇する見通しとなっており、収益性も安定してくるものと予想される。売上高に占める償却費の比率がまだ高いが、今後の売上拡大により償却費率が低下すれば、セグメント利益率もソリューション事業を上回ってくるものと予想される。
一方、ソリューション事業についてはクラウドシステムの開発・導入支援が中心で、ストック売上となる運用・保守の売上比率は15%程度となっており、開発・導入案件の受注動向とプロジェクトの生産性によって利益率が変動することになる。ここ数年は不採算プロジェクトも殆どなく、受注好調により稼働率も高水準が続いているため、利益率は15%前後で安定して推移しているものと考えられる。
また、売上構成比をプラットフォーム別で分けると2021年2月期はSalesforce関連が64%、AWS関連が36%となっており、前期と比較するとSalesforce関連の構成比が5ポイント低下している。売上成長率で見るとSalesforce関連が11.1%増、AWS関連が39.2%増となっており、Salesforce関連がやや減速した格好となっている。これは製品事業において2020年2月期はSalesforce関連の大型導入案件の売上貢献があり、2021年2月期は同案件の売上が大きく減少したことが主因となっている。製品事業の売上構成比は前期比で5.7ポイント低下していることから、ソリューション事業だけで見れば、構成比に大きな変化は無かったと見られる。
(1) ソリューション事業
ソリューション事業では、クラウドを活用したシステムを顧客企業のニーズに応じて開発し、導入支援を行っている。具体的には、フロントシステムや基幹システム等の要件定義から設計・開発・テスト・運用・効果検証・改善策立案・システム化計画までを行う。フロントシステムとしてはSalesforceの開発が多く、セールスフォース・ドットコムとSalesforceのライセンス販売契約を締結し、同社及び子会社のキットアライブ(北海道が主な営業エリア)で導入支援を展開している。Salesforceを中心にしたクラウドシステムの累計導入実績は5,000件以上で国内トップクラスとなっている。トヨタ自動車<7203>や日立製作所<6501>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、小田急電鉄<9007>グループ、KDDI<9433>など業種・業態・企業規模を問わず多くの企業に導入されているが、SalesforceがCRM分野に強いことから、大企業の営業/サービス/マーケティング部門向け大規模案件の比率が高くなっている。
また、子会社のBeeXではSAPのクラウド移行支援やAWSの開発・導入支援(Microsoft Azureも手掛ける)を展開している。特に、SAPのクラウド移行支援に関しては高い技術力を背景に国内で多くの実績を持つ。そのほか、スカイ365で、SalesforceやAWS等のクラウド導入案件に関するMSPサービスを提供し、CuonでWebシステム開発を行っている。
(2) 製品事業
製品事業では、同社がSaaSベンダーとしてクラウドに特化したサービスの開発及び提供を行っている。主な製品としては、Salesforceの画面開発ツールとなる「SkyVisualEditor」、他システムとのスムーズなデータ連携を実現する「DataSpider Cloud」、Salesforce上で提供するグループウェア「mitoco」、コンタクトセンターソリューションの「OMLINE-I」「OMLINE-O」などがある。このうち、現在の主力サービスは「DataSpider Cloud」「SkyVisualEditor」の2製品で2021年2月期の売上構成比で7割以上を占めている。国内では業務に合わせて画面やロジックなどの仕様をカスタマイズし、使い勝手を向上したいとの顧客ニーズが強く、「SkyVisualEditor」に関しては業界でデファクト製品としての地位を確立している。また、自社で所有するオンプレミスのシステムとSalesforceなどのクラウドサービスとの連携を希望する国内企業も多く、こういったケースには「DataSpider Cloud」が選択されている。
また、2020年に入ってコロナ禍でテレワークにシフトする企業が増えるなか、社内のコミュニケーション・ツールとして「mitoco」を導入する企業が増えてきており、今後は「mitoco」の成長が期待される状況となってきている。Salesforceが提供するビジネスアプリケーションのマーケットプレイスAppExchangeにおける2020年の販売件数ランキングでも、「mitoco」は中小企業部門で3位、大企業部門で4位にランクインしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業内容
テラスカイ<3915>のセグメントは、ソリューション事業と製品事業の2つに分類される。2021年2月期における構成比はソリューション事業が売上高で86.0%、セグメント利益で90.6%を占める主力事業となっている。セグメント利益率ではソリューション事業が15%前後と比較的安定した水準で推移しているのに対して、製品事業は5〜15%台と期によって変動が大きい。売上規模がまだ小さく、売上変動が利益率に与える影響が大きいことが要因となっている。ただ、今後は安定収益基盤となるストック収入の売上構成比が上昇する見通しとなっており、収益性も安定してくるものと予想される。売上高に占める償却費の比率がまだ高いが、今後の売上拡大により償却費率が低下すれば、セグメント利益率もソリューション事業を上回ってくるものと予想される。
一方、ソリューション事業についてはクラウドシステムの開発・導入支援が中心で、ストック売上となる運用・保守の売上比率は15%程度となっており、開発・導入案件の受注動向とプロジェクトの生産性によって利益率が変動することになる。ここ数年は不採算プロジェクトも殆どなく、受注好調により稼働率も高水準が続いているため、利益率は15%前後で安定して推移しているものと考えられる。
また、売上構成比をプラットフォーム別で分けると2021年2月期はSalesforce関連が64%、AWS関連が36%となっており、前期と比較するとSalesforce関連の構成比が5ポイント低下している。売上成長率で見るとSalesforce関連が11.1%増、AWS関連が39.2%増となっており、Salesforce関連がやや減速した格好となっている。これは製品事業において2020年2月期はSalesforce関連の大型導入案件の売上貢献があり、2021年2月期は同案件の売上が大きく減少したことが主因となっている。製品事業の売上構成比は前期比で5.7ポイント低下していることから、ソリューション事業だけで見れば、構成比に大きな変化は無かったと見られる。
(1) ソリューション事業
ソリューション事業では、クラウドを活用したシステムを顧客企業のニーズに応じて開発し、導入支援を行っている。具体的には、フロントシステムや基幹システム等の要件定義から設計・開発・テスト・運用・効果検証・改善策立案・システム化計画までを行う。フロントシステムとしてはSalesforceの開発が多く、セールスフォース・ドットコムとSalesforceのライセンス販売契約を締結し、同社及び子会社のキットアライブ(北海道が主な営業エリア)で導入支援を展開している。Salesforceを中心にしたクラウドシステムの累計導入実績は5,000件以上で国内トップクラスとなっている。トヨタ自動車<7203>や日立製作所<6501>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、小田急電鉄<9007>グループ、KDDI<9433>など業種・業態・企業規模を問わず多くの企業に導入されているが、SalesforceがCRM分野に強いことから、大企業の営業/サービス/マーケティング部門向け大規模案件の比率が高くなっている。
また、子会社のBeeXではSAPのクラウド移行支援やAWSの開発・導入支援(Microsoft Azureも手掛ける)を展開している。特に、SAPのクラウド移行支援に関しては高い技術力を背景に国内で多くの実績を持つ。そのほか、スカイ365で、SalesforceやAWS等のクラウド導入案件に関するMSPサービスを提供し、CuonでWebシステム開発を行っている。
(2) 製品事業
製品事業では、同社がSaaSベンダーとしてクラウドに特化したサービスの開発及び提供を行っている。主な製品としては、Salesforceの画面開発ツールとなる「SkyVisualEditor」、他システムとのスムーズなデータ連携を実現する「DataSpider Cloud」、Salesforce上で提供するグループウェア「mitoco」、コンタクトセンターソリューションの「OMLINE-I」「OMLINE-O」などがある。このうち、現在の主力サービスは「DataSpider Cloud」「SkyVisualEditor」の2製品で2021年2月期の売上構成比で7割以上を占めている。国内では業務に合わせて画面やロジックなどの仕様をカスタマイズし、使い勝手を向上したいとの顧客ニーズが強く、「SkyVisualEditor」に関しては業界でデファクト製品としての地位を確立している。また、自社で所有するオンプレミスのシステムとSalesforceなどのクラウドサービスとの連携を希望する国内企業も多く、こういったケースには「DataSpider Cloud」が選択されている。
また、2020年に入ってコロナ禍でテレワークにシフトする企業が増えるなか、社内のコミュニケーション・ツールとして「mitoco」を導入する企業が増えてきており、今後は「mitoco」の成長が期待される状況となってきている。Salesforceが提供するビジネスアプリケーションのマーケットプレイスAppExchangeにおける2020年の販売件数ランキングでも、「mitoco」は中小企業部門で3位、大企業部門で4位にランクインしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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