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*14:51JST 新興市場見通し:長期金利の動向気がかり、IPOは1社、JRC
■日米長期金利の上昇でリスク回避強まる
今週の新興市場は小幅反発。週前半は上昇した。前の週末の日本銀行の金融政策決定会合での政策修正は金融引き締めに向けた第一歩ではないとの見方から安心感が台頭。米6月個人消費支出(PCE)コアデフレーターの鈍化を受けたインフレ収束期待も寄与した。一方、週後半は大きく下落。財政赤字の補填を目的とした米財務省の中長期債の発行規模拡大や予想を大幅に上振れた米雇用関連指標を背景に米10年債利回りが4%を超えたことが嫌気された。また、日本国内でも長期金利の上昇が続いたことが警戒感を誘い、地合いが悪化するなか、流動性リスクの高い新興株は手仕舞い売りに押された。なお、今週の騰落率は、日経平均が-1.73%だったのに対し、マザーズ指数は+0.03%、東証グロース市場指数は+0.09%だった。
個別では、直近の新規株式公開(IPO)銘柄であるエコナビスタ<5585>やGENDA<9166>、ABEJA<5574>が週間の売買代金ランキング上位に入り、いずれも週間で上昇した。また7月中旬以降、商いが活発化し株価も上昇基調にあるRJ<9522>が今週も売買代金上位に顔を出し、週間+11.4%と続伸。週間上昇率ランキングでは先週+20.1%と上昇した弁護士ドットコム<6027>が今週も+24.2%と続伸。契約書のAI(人工知能)審査サービスを手掛けるリセ(東京都・中央区)との資本業務提携を契機に、AI関連として人気化しているようだ。Aiming<3911>(上昇率+26.0%)は四半期業績の底入れ感が、GMOTECH<6026>(+20.1%)やジーエヌアイ<2160>(+10.4%)は業績上方修正が好感された。BASE<4477>(+19.8%)は四半期営業赤字幅の着実な縮小傾向が好感され、週末に急伸した。
■米CPI・PPIに注目
来週の新興市場は神経質な展開か。マザーズ指数は今週末には下げ渋って陽線を形成し、200日移動平均線上を辛うじて維持して週を終えた。サポートラインによる下支えが意識されるなか、反発に期待したいところだが、来週も新興株にとっては厳しい環境が続きそうだ。
米国では今週発表されたADP民間雇用者数が前回に続き大幅に市場予想を上回った。また、雇用統計でも失業率が低下、平均時給の伸びは前月比および前年同月比でともに市場予想を上回るなど、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ懸念を強める内容だった。さらに、FRBがバランスシートの縮小に取り組み、債券の買い手として以前ほどには期待できないなか、米財務省が中長期債の発行規模を拡大させたことで米国債の需給の緩みも警戒されている。米10年債利回りは雇用統計の発表後にいったん低下したが、依然として4%を超えている。こうしたなか、来週後半には米国で消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)が発表される。どちらも前年同月比では伸びが加速する見込みで、結果を受けた後の米長期金利の動向に神経質にならざるを得ないだろう。
そのほか、来週は国内で1500社以上の企業決算が発表される。今週に続き、決算を材料とした東証プライム銘柄の個別株物色が主体となることが予想され、新興株には目線が向かいづらいだろう。
なお、新興市場では8日にJTOWER<4485>、9日にはカバー<5253>が決算を発表する。9日にはベルトコンベヤ部品の製造・販売を手掛けるJRC<6224>が新規上場予定。
<FA>
今週の新興市場は小幅反発。週前半は上昇した。前の週末の日本銀行の金融政策決定会合での政策修正は金融引き締めに向けた第一歩ではないとの見方から安心感が台頭。米6月個人消費支出(PCE)コアデフレーターの鈍化を受けたインフレ収束期待も寄与した。一方、週後半は大きく下落。財政赤字の補填を目的とした米財務省の中長期債の発行規模拡大や予想を大幅に上振れた米雇用関連指標を背景に米10年債利回りが4%を超えたことが嫌気された。また、日本国内でも長期金利の上昇が続いたことが警戒感を誘い、地合いが悪化するなか、流動性リスクの高い新興株は手仕舞い売りに押された。なお、今週の騰落率は、日経平均が-1.73%だったのに対し、マザーズ指数は+0.03%、東証グロース市場指数は+0.09%だった。
個別では、直近の新規株式公開(IPO)銘柄であるエコナビスタ<5585>やGENDA<9166>、ABEJA<5574>が週間の売買代金ランキング上位に入り、いずれも週間で上昇した。また7月中旬以降、商いが活発化し株価も上昇基調にあるRJ<9522>が今週も売買代金上位に顔を出し、週間+11.4%と続伸。週間上昇率ランキングでは先週+20.1%と上昇した弁護士ドットコム<6027>が今週も+24.2%と続伸。契約書のAI(人工知能)審査サービスを手掛けるリセ(東京都・中央区)との資本業務提携を契機に、AI関連として人気化しているようだ。Aiming<3911>(上昇率+26.0%)は四半期業績の底入れ感が、GMOTECH<6026>(+20.1%)やジーエヌアイ<2160>(+10.4%)は業績上方修正が好感された。BASE<4477>(+19.8%)は四半期営業赤字幅の着実な縮小傾向が好感され、週末に急伸した。
■米CPI・PPIに注目
来週の新興市場は神経質な展開か。マザーズ指数は今週末には下げ渋って陽線を形成し、200日移動平均線上を辛うじて維持して週を終えた。サポートラインによる下支えが意識されるなか、反発に期待したいところだが、来週も新興株にとっては厳しい環境が続きそうだ。
米国では今週発表されたADP民間雇用者数が前回に続き大幅に市場予想を上回った。また、雇用統計でも失業率が低下、平均時給の伸びは前月比および前年同月比でともに市場予想を上回るなど、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ懸念を強める内容だった。さらに、FRBがバランスシートの縮小に取り組み、債券の買い手として以前ほどには期待できないなか、米財務省が中長期債の発行規模を拡大させたことで米国債の需給の緩みも警戒されている。米10年債利回りは雇用統計の発表後にいったん低下したが、依然として4%を超えている。こうしたなか、来週後半には米国で消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)が発表される。どちらも前年同月比では伸びが加速する見込みで、結果を受けた後の米長期金利の動向に神経質にならざるを得ないだろう。
そのほか、来週は国内で1500社以上の企業決算が発表される。今週に続き、決算を材料とした東証プライム銘柄の個別株物色が主体となることが予想され、新興株には目線が向かいづらいだろう。
なお、新興市場では8日にJTOWER<4485>、9日にはカバー<5253>が決算を発表する。9日にはベルトコンベヤ部品の製造・販売を手掛けるJRC<6224>が新規上場予定。
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