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データセクションのニュース
*12:05JST データセク Research Memo(5):同社グループ全体で増収を達成。売上原価増加も、減益は通期計画上の想定内
■業績動向
1. 2024年3月期第2四半期の業績概要
データセクション<3905>の2024年3月期第2四半期の業績は、売上高で前年同期比13.8%増の978百万円、営業損失は162百万円(前年同期は104百万円の損失)、経常損失123百万円(前年同期は8百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は99百万円(前年同期は75百万円の利益)となった。海外子会社各社の業績が好調であること及びFollowUP Customer Experience(スペイン)、Alianza FollowUP Panama(パナマ)を新たに連結子会社化したこと等により売上高が増加し、海外売上高は前年同期比41.4%増となった。一方で、同社単体及びチリの連結子会社であるJach Technologyにおける体制強化のための人件費が59百万円増加したこと、連結子会社の受注増に伴う外注費増加により業務委託費が51百万円増加したことなどにより売上原価が前年同期比22.6%増加し利益面を圧迫したが、通期計画上の想定内である。
国内事業の売上高は横ばいで減益の一方、海外事業は大幅な増収増益
2. 事業セグメント別動向
2024年3月期第2四半期より、同社の従来の事業セグメントである「FollowUP」を主力とした「リテールマーケティング」及び「AI・システム開発事業」「ソーシャルメディア分析事業」「新規事業」を含んだ「データ分析ソリューション」の2セグメントから「国内事業」「海外事業」の2セグメントに再編した。
(1) 国内事業
売上高は536百万円(前年同期比2.0%減)、セグメント損失は69百万円(前年同期は10百万円のセグメント利益)となった。「FollowUPの国内展開」は前期に引き続き顧客層の拡大、チェーン展開、フランチャイズ展開を行っている顧客への一括導入を進めた結果、「FollowUP」の導入店舗数・カメラ設置台数が増加した。「ソーシャルメディア分析事業」では、2023年3月期から効率的な業務体制の構築を進め、スポット案件を積み上げた結果、前年同期に比べ売上高は増加した。連結子会社であるソリッドインテリジェンスにおいては、官公庁や外国人観光客向けのニーズを的確に捉え売上高が増加した。「AI・システム事業」は、同社単体で既存取引のストック収入及び新規案件の減少により売上高は前年同期に比べ減少した。連結子会社であるディーエスエスにおいては、ずれていた案件の検収が2023年10月に完了したため、計画どおり推移している。
(2) 海外事業
売上高は441百万円(前年同期比41.4%増)、セグメント利益は85百万円(前年同期比223.0%増)と大幅な増収増益となった。2023年3月期より引き続きプロジェクトの大型化を進め、ショッピングモールに出店している小売店舗の全店へ一括導入を行った。特にチリの連結子会社におけるモールへの導入が寄与し増加した。
2024年3月期第2四半期時点で、国内事業の業績において売上高はほぼ横ばい、セグメント利益は大幅に減少している。一方で、海外事業の業績は大幅な増収増益で好調に推移している。セグメントを「国内事業」と「海外事業」に再編することは、「国内事業」のあらゆる課題を抽出し、見直しを図り、事業基盤を盤石にする目的がある。今後、事業戦略を推進するにあたり「国内事業」「海外事業」双方においてバランスの良い投資を促すことが肝要となる。
3. 財務状況と経営指標
2024年3月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比98百万円減少の4,287百万円となった。主な増減要因は、有形固定資産が190百万円、のれんが78百万円、ソフトウェアが80百万円増加したものの、長期貸付金が151百万円、現金及び預金が445百万円減少したことなどがある。負債合計は前期末比67百万円減少の1,809百万円となった。これは短期借入金が23百万円、未払金が36百万円、固定負債のその他が44百万円増加した一方、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が189百万円減少したことによるものである。純資産合計は、前期末比30百万円減少の2,478百万円となった。これは海外子会社の財務諸表の為替換算により生じた為替換算調整勘定が58百万円増加した一方、親会社株主に帰属する四半期純損失99百万円を計上したことが主要因である。利益増減要因により若干の減少はあったものの、総資産規模はほぼ横ばいである。安全性を示す自己資本比率も前期末より0.3ポイント増加の56.5%となった。
4. キャッシュ・フロー計算書
2024年3月期第2四半期のキャッシュ・フロー計算書を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは159百万円の資金の支出(前年同期は27百万円の獲得)となった。これは主に税金等調整前四半期純損失が113百万円、減価償却費69百万円及びのれん償却費24百万円の計上、売上債権の減少32百万円などによるものである。投資活動によるキャッシュ・フローについては、92百万円の資金の支出(前年同期は86百万円の支出)となった。主因は、有形固定資産の売却による収入16百万円、無形固定資産取得に伴う支出81百万円、保険金積立に伴う支出20百万円によるものである。財務活動によるキャッシュ・フローは、217百万円の資金の減少(前年同期は392百万円の減少)で、主に長期借入金返済に伴う支出200百万円によるものである。こうした活動に伴い、現金及び現金同等物の四半期残高は前期末比445百万円減少の969百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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1. 2024年3月期第2四半期の業績概要
データセクション<3905>の2024年3月期第2四半期の業績は、売上高で前年同期比13.8%増の978百万円、営業損失は162百万円(前年同期は104百万円の損失)、経常損失123百万円(前年同期は8百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は99百万円(前年同期は75百万円の利益)となった。海外子会社各社の業績が好調であること及びFollowUP Customer Experience(スペイン)、Alianza FollowUP Panama(パナマ)を新たに連結子会社化したこと等により売上高が増加し、海外売上高は前年同期比41.4%増となった。一方で、同社単体及びチリの連結子会社であるJach Technologyにおける体制強化のための人件費が59百万円増加したこと、連結子会社の受注増に伴う外注費増加により業務委託費が51百万円増加したことなどにより売上原価が前年同期比22.6%増加し利益面を圧迫したが、通期計画上の想定内である。
国内事業の売上高は横ばいで減益の一方、海外事業は大幅な増収増益
2. 事業セグメント別動向
2024年3月期第2四半期より、同社の従来の事業セグメントである「FollowUP」を主力とした「リテールマーケティング」及び「AI・システム開発事業」「ソーシャルメディア分析事業」「新規事業」を含んだ「データ分析ソリューション」の2セグメントから「国内事業」「海外事業」の2セグメントに再編した。
(1) 国内事業
売上高は536百万円(前年同期比2.0%減)、セグメント損失は69百万円(前年同期は10百万円のセグメント利益)となった。「FollowUPの国内展開」は前期に引き続き顧客層の拡大、チェーン展開、フランチャイズ展開を行っている顧客への一括導入を進めた結果、「FollowUP」の導入店舗数・カメラ設置台数が増加した。「ソーシャルメディア分析事業」では、2023年3月期から効率的な業務体制の構築を進め、スポット案件を積み上げた結果、前年同期に比べ売上高は増加した。連結子会社であるソリッドインテリジェンスにおいては、官公庁や外国人観光客向けのニーズを的確に捉え売上高が増加した。「AI・システム事業」は、同社単体で既存取引のストック収入及び新規案件の減少により売上高は前年同期に比べ減少した。連結子会社であるディーエスエスにおいては、ずれていた案件の検収が2023年10月に完了したため、計画どおり推移している。
(2) 海外事業
売上高は441百万円(前年同期比41.4%増)、セグメント利益は85百万円(前年同期比223.0%増)と大幅な増収増益となった。2023年3月期より引き続きプロジェクトの大型化を進め、ショッピングモールに出店している小売店舗の全店へ一括導入を行った。特にチリの連結子会社におけるモールへの導入が寄与し増加した。
2024年3月期第2四半期時点で、国内事業の業績において売上高はほぼ横ばい、セグメント利益は大幅に減少している。一方で、海外事業の業績は大幅な増収増益で好調に推移している。セグメントを「国内事業」と「海外事業」に再編することは、「国内事業」のあらゆる課題を抽出し、見直しを図り、事業基盤を盤石にする目的がある。今後、事業戦略を推進するにあたり「国内事業」「海外事業」双方においてバランスの良い投資を促すことが肝要となる。
3. 財務状況と経営指標
2024年3月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比98百万円減少の4,287百万円となった。主な増減要因は、有形固定資産が190百万円、のれんが78百万円、ソフトウェアが80百万円増加したものの、長期貸付金が151百万円、現金及び預金が445百万円減少したことなどがある。負債合計は前期末比67百万円減少の1,809百万円となった。これは短期借入金が23百万円、未払金が36百万円、固定負債のその他が44百万円増加した一方、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が189百万円減少したことによるものである。純資産合計は、前期末比30百万円減少の2,478百万円となった。これは海外子会社の財務諸表の為替換算により生じた為替換算調整勘定が58百万円増加した一方、親会社株主に帰属する四半期純損失99百万円を計上したことが主要因である。利益増減要因により若干の減少はあったものの、総資産規模はほぼ横ばいである。安全性を示す自己資本比率も前期末より0.3ポイント増加の56.5%となった。
4. キャッシュ・フロー計算書
2024年3月期第2四半期のキャッシュ・フロー計算書を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは159百万円の資金の支出(前年同期は27百万円の獲得)となった。これは主に税金等調整前四半期純損失が113百万円、減価償却費69百万円及びのれん償却費24百万円の計上、売上債権の減少32百万円などによるものである。投資活動によるキャッシュ・フローについては、92百万円の資金の支出(前年同期は86百万円の支出)となった。主因は、有形固定資産の売却による収入16百万円、無形固定資産取得に伴う支出81百万円、保険金積立に伴う支出20百万円によるものである。財務活動によるキャッシュ・フローは、217百万円の資金の減少(前年同期は392百万円の減少)で、主に長期借入金返済に伴う支出200百万円によるものである。こうした活動に伴い、現金及び現金同等物の四半期残高は前期末比445百万円減少の969百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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