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サイバーリンクスのニュース
■事業概要
4. 特色、強み
(1) シェアクラウド
サイバーリンクス<3683>の事業の特色の1つは、「シェアクラウド」に特化している点である。シェアクラウドサービスとは、各顧客企業の機能要求に個別に対応するのではなく、複数の顧客が同じハードウェア、ソフトウェア、運用・保守等を共同で利用する方式のことで、これによって「高機能」「高品質」のサービスを「ローコスト」で提供することが可能となっている。同社によれば、通常の個別対応の流通システムに比べて同じ性能のシステムを1/2~2/3程度のコストで提供可能とのことである。
このような共同利用を可能にするためには、優れた開発力を持つことが必要なことは言うまでもないが、それに加えて、開発・導入・運用・保守までの一貫サービスを自社ですべて提供できることが必要となる。
(2) 食品流通業界向けに特化
同社は1988年から流通小売業向けネットワーク型POSの情報処理事業を行っており、流通分野、特に食品流通における知見やノウハウの蓄積が豊富である。このようなノウハウを生かすため、日持ちのしない生鮮食品や加工が必要な刺身のような商品も扱い、小売業のなかでも最も厳しい販売管理が求められる食品スーパーを対象としたクラウドシステムに狙いを定めて事業を展開している点は、同社の特色であり強みと言えるだろう。
ただし、同社が他の領域にまったく参入しない、またはできないわけではない。年商300億円以下の食品スーパーを対象とした食品流通の市場では、同社は既にITベンダーとして確固たる地位を築いているが、今後は今まで同社が参入していなかった年商1,000億円以上を含む中・大規模企業向け市場にも進出する計画だ。その第1弾として、2017年4月に「@rms基幹」の中大企業向けバージョン(初期版)をファーストユーザーへ導入、その後も順次導入を進めており、今後更なる市場拡大が期待できる。
また、現在同社は食品流通向けに絞って事業展開をしているが、同社のシステムが他の業界(例えばドラッグストアやホームセンター等)向けに利用できないというわけではない。近い将来、現在の市場での収益基盤が磐石となった場合には、他の小売市場へ参入することはあり得る。このように市場を絞り込んで着実に事業を進めている点も、同社の特色と言えるだろう。
(3) 「定常収入」重視の経営方針
同社は重要な経営方針として「定常収入の増加」を掲げている。定常収入とは、毎月の利用料や保守料などのように、営業成績や受注高等に関係なく安定的に入る収入のことで、これが増加することで固定費を賄う負担が軽減され、収益基盤は安定する。
同社だけでなく、多くの企業が定常収入の増加を目指しているが、経営方針として明白な数値目標を掲げている企業は少ない。なお、同社の定常収入(2020年12月期)は6,424百万円であり、対売上高比率は50.3%であった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YM>
4. 特色、強み
(1) シェアクラウド
サイバーリンクス<3683>の事業の特色の1つは、「シェアクラウド」に特化している点である。シェアクラウドサービスとは、各顧客企業の機能要求に個別に対応するのではなく、複数の顧客が同じハードウェア、ソフトウェア、運用・保守等を共同で利用する方式のことで、これによって「高機能」「高品質」のサービスを「ローコスト」で提供することが可能となっている。同社によれば、通常の個別対応の流通システムに比べて同じ性能のシステムを1/2~2/3程度のコストで提供可能とのことである。
このような共同利用を可能にするためには、優れた開発力を持つことが必要なことは言うまでもないが、それに加えて、開発・導入・運用・保守までの一貫サービスを自社ですべて提供できることが必要となる。
(2) 食品流通業界向けに特化
同社は1988年から流通小売業向けネットワーク型POSの情報処理事業を行っており、流通分野、特に食品流通における知見やノウハウの蓄積が豊富である。このようなノウハウを生かすため、日持ちのしない生鮮食品や加工が必要な刺身のような商品も扱い、小売業のなかでも最も厳しい販売管理が求められる食品スーパーを対象としたクラウドシステムに狙いを定めて事業を展開している点は、同社の特色であり強みと言えるだろう。
ただし、同社が他の領域にまったく参入しない、またはできないわけではない。年商300億円以下の食品スーパーを対象とした食品流通の市場では、同社は既にITベンダーとして確固たる地位を築いているが、今後は今まで同社が参入していなかった年商1,000億円以上を含む中・大規模企業向け市場にも進出する計画だ。その第1弾として、2017年4月に「@rms基幹」の中大企業向けバージョン(初期版)をファーストユーザーへ導入、その後も順次導入を進めており、今後更なる市場拡大が期待できる。
また、現在同社は食品流通向けに絞って事業展開をしているが、同社のシステムが他の業界(例えばドラッグストアやホームセンター等)向けに利用できないというわけではない。近い将来、現在の市場での収益基盤が磐石となった場合には、他の小売市場へ参入することはあり得る。このように市場を絞り込んで着実に事業を進めている点も、同社の特色と言えるだろう。
(3) 「定常収入」重視の経営方針
同社は重要な経営方針として「定常収入の増加」を掲げている。定常収入とは、毎月の利用料や保守料などのように、営業成績や受注高等に関係なく安定的に入る収入のことで、これが増加することで固定費を賄う負担が軽減され、収益基盤は安定する。
同社だけでなく、多くの企業が定常収入の増加を目指しているが、経営方針として明白な数値目標を掲げている企業は少ない。なお、同社の定常収入(2020年12月期)は6,424百万円であり、対売上高比率は50.3%であった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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