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電算システムのニュース
■会社概要
電算システム<3630>は独立系総合情報処理サービス企業。システム構築のSI・ソフト開発、情報処理サービスなどを手掛ける「情報サービス事業」と、コンビニエンスストアでの払込票決済サービスや国際送金サービスなどを手掛ける「収納代行サービス事業」の2つの分野において事業を展開している。また、データセンターを中心にしたクラウドサービス事業を3つ目の主要事業にすべく、積極的に取り組んでいる。独立系であることから、情報サービス・BPOサービス・収納代行サービスをワンストップで行えることが強みである。さらに単独株式移転による持株会社の設立及び連結子会社の吸収合併を発表し、2021年7月に電算システムホールディングスを設立する。
1. 沿革
同社は1967年、岐阜県内の企業の情報処理業務を受託することを目的として、地元企業や地銀の共同出資により株式会社岐阜電子計算センターとして設立された。地方企業ではあるものの、技術力と先進的なことに積極的にチャレンジする企業風土とがあいまって、1973年4月には民間企業初の「口座振替サービス」を開始するなど、着実に業容とプレゼンスを高めていった。1977年に岐阜県外での事業拡大を企図して社名を現社名の株式会社電算システムへと変更した。
同社の創業事業は情報サービス事業であるが、この分野では1982年のPOSオンライン・サービスの開始や1986年の郵便局「ふるさと小包」事業のバックオフィス業務受託など、データ処理だけにとどまることなく事業領域と顧客層の拡大に取り組んできている。1997年には再び全国初のサービスとして、コンビニエンスストアでの代金決済代行サービスを開始した。これは「払込票決済サービス」として、収納代行サービスの中核事業へと成長を遂げた。2020年7月にはインターネット・モバイル・IoTの普及に伴いセキュリティ事業をより拡大・発展させるため、情報セキュリティ事業会社であるピーエスアイを完全孫会社化した。
2. 事業概要
(1) 情報サービスセグメント
情報サービスセグメントは、「SI・ソフト開発(Google事業)」「情報処理サービス(BPO(業務処理アウトソーシング)事業)」及び「商品販売」の3つのサブセグメントに分けられる。このうちSI・ソフト開発は、顧客の注文に応じて業務システムやネットワークの構築、ソフトウエア開発等を行うのが主要な業務となるが、同社が近年力を入れているクラウド関連サービスもSI・ソフト開発の中に含まれている。システム構築に際しては、コンピュータ端末やネットワーク機器の販売なども取り扱うことがあり、その売上高は商品販売として計上される。基本的にSI・ソフト開発の事業はフロー型ビジネスに分類されるが、そのなかでクラウド関連サービスについてはストック型ビジネスの性格を有している。
同社のクラウド関連サービスのなかにはデジタルサイネージなど様々なものが含まれるが、Google関連サービス売上高が多くを占めている。Googleは「Google Workspace(旧G Suite)」等様々な法人向けサービスをクラウドで提供しているが、同社はその有力販売代理店としての地位を築き上げている。
情報処理サービスは、同社の情報処理システムや情報処理技術を活用して役務・サービスを提供する。顧客データの管理や顧客データに基づいて商品の受注・発送業務などを行うBPO業務においては、郵便局関連や百貨店のギフト通販のデータ処理や発注作業で年間約8,000万件を処理するなど、各企業の業務に応じて様々なBPOサービスを提供している。情報処理サービスはストック型収入の事業となっている。また、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)においては、「ロボット」と呼ばれるソフトウエアにより業務を自動化し、人手不足の悩みを解決している。
(2) 収納代行サービスセグメント
収納代行サービス事業は「決済サービス」と「決済イノベーション」の2つのサブセグメントに分けられる。決済サービス(払込票決済サービス・ペーパーレス決済サービス・口座振替サービス)の中核は払込票決済サービスである。これは、コンビニエンスストアにおいて払込票を用いて通信販売の代金や公金(ガス・水道料金や税金等の公共料金のこと)を支払うサービスで「コンビニ決済サービス」と呼ばれることもある。口座振替サービスを発展させ、1997年に業界に先駆けて事業を開始した分野である。コンビニエンスストアをネットワークする事業基盤は、競合企業に対する高い参入障壁となっている。EC(eコマース)市場の拡大やスマートフォンの普及と利用拡大といった環境変化のなかで、紙の払込票を用いた決済が減少することを懸念する向きもあるが、処理件数は順調に伸びており依然として成長は続いている。
また同社では、スマートフォンを活用して払込票決済の利便性を向上させる取り組みを積極的に進めている。具体的には、電子バーコードの採用によって決済スピードがアップするほか、各種キャッシュレス決済サービスとの連携でコンビニエンスストアまで出向く必要がなくなってきている。こうしたペーパーレス化・キャッシュレス化を通じた利便性向上により、クレジットカード決済との利便性の差は着実に埋まりつつある状況だ。
決済イノベーションは、国内・国際送金を扱う「送金サービス」と、「収納代行窓口サービス」の2つからなる。国際送金サービスはコンビニエンスストアを通じて割安な手数料で小口現金を海外に送金するサービスで、送金件数や登録顧客数が順調に伸びている。外国人に対する日本の労働市場の開放は、この事業にとっては追い風と言える。収納代行窓口サービスはコンビニ決済サービスと同様のものをスーパーマーケットやドラッグストアに導入するもので、「Biz@gent(ビズエージェント)」のサービスブランドで展開している。これは、同社が契約店舗を開拓することで、通販業者など同社の顧客企業とその利用者である一般消費者双方の利便性を高め、同社が提供するサービスの魅力度を高めようというものだ。また「Biz@gent」は、フィリピンのコンビニエンスストア等の小売店チェーン向けに、海外展開の第1弾として導入した。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<EY>
電算システム<3630>は独立系総合情報処理サービス企業。システム構築のSI・ソフト開発、情報処理サービスなどを手掛ける「情報サービス事業」と、コンビニエンスストアでの払込票決済サービスや国際送金サービスなどを手掛ける「収納代行サービス事業」の2つの分野において事業を展開している。また、データセンターを中心にしたクラウドサービス事業を3つ目の主要事業にすべく、積極的に取り組んでいる。独立系であることから、情報サービス・BPOサービス・収納代行サービスをワンストップで行えることが強みである。さらに単独株式移転による持株会社の設立及び連結子会社の吸収合併を発表し、2021年7月に電算システムホールディングスを設立する。
1. 沿革
同社は1967年、岐阜県内の企業の情報処理業務を受託することを目的として、地元企業や地銀の共同出資により株式会社岐阜電子計算センターとして設立された。地方企業ではあるものの、技術力と先進的なことに積極的にチャレンジする企業風土とがあいまって、1973年4月には民間企業初の「口座振替サービス」を開始するなど、着実に業容とプレゼンスを高めていった。1977年に岐阜県外での事業拡大を企図して社名を現社名の株式会社電算システムへと変更した。
同社の創業事業は情報サービス事業であるが、この分野では1982年のPOSオンライン・サービスの開始や1986年の郵便局「ふるさと小包」事業のバックオフィス業務受託など、データ処理だけにとどまることなく事業領域と顧客層の拡大に取り組んできている。1997年には再び全国初のサービスとして、コンビニエンスストアでの代金決済代行サービスを開始した。これは「払込票決済サービス」として、収納代行サービスの中核事業へと成長を遂げた。2020年7月にはインターネット・モバイル・IoTの普及に伴いセキュリティ事業をより拡大・発展させるため、情報セキュリティ事業会社であるピーエスアイを完全孫会社化した。
2. 事業概要
(1) 情報サービスセグメント
情報サービスセグメントは、「SI・ソフト開発(Google事業)」「情報処理サービス(BPO(業務処理アウトソーシング)事業)」及び「商品販売」の3つのサブセグメントに分けられる。このうちSI・ソフト開発は、顧客の注文に応じて業務システムやネットワークの構築、ソフトウエア開発等を行うのが主要な業務となるが、同社が近年力を入れているクラウド関連サービスもSI・ソフト開発の中に含まれている。システム構築に際しては、コンピュータ端末やネットワーク機器の販売なども取り扱うことがあり、その売上高は商品販売として計上される。基本的にSI・ソフト開発の事業はフロー型ビジネスに分類されるが、そのなかでクラウド関連サービスについてはストック型ビジネスの性格を有している。
同社のクラウド関連サービスのなかにはデジタルサイネージなど様々なものが含まれるが、Google関連サービス売上高が多くを占めている。Googleは「Google Workspace(旧G Suite)」等様々な法人向けサービスをクラウドで提供しているが、同社はその有力販売代理店としての地位を築き上げている。
情報処理サービスは、同社の情報処理システムや情報処理技術を活用して役務・サービスを提供する。顧客データの管理や顧客データに基づいて商品の受注・発送業務などを行うBPO業務においては、郵便局関連や百貨店のギフト通販のデータ処理や発注作業で年間約8,000万件を処理するなど、各企業の業務に応じて様々なBPOサービスを提供している。情報処理サービスはストック型収入の事業となっている。また、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)においては、「ロボット」と呼ばれるソフトウエアにより業務を自動化し、人手不足の悩みを解決している。
(2) 収納代行サービスセグメント
収納代行サービス事業は「決済サービス」と「決済イノベーション」の2つのサブセグメントに分けられる。決済サービス(払込票決済サービス・ペーパーレス決済サービス・口座振替サービス)の中核は払込票決済サービスである。これは、コンビニエンスストアにおいて払込票を用いて通信販売の代金や公金(ガス・水道料金や税金等の公共料金のこと)を支払うサービスで「コンビニ決済サービス」と呼ばれることもある。口座振替サービスを発展させ、1997年に業界に先駆けて事業を開始した分野である。コンビニエンスストアをネットワークする事業基盤は、競合企業に対する高い参入障壁となっている。EC(eコマース)市場の拡大やスマートフォンの普及と利用拡大といった環境変化のなかで、紙の払込票を用いた決済が減少することを懸念する向きもあるが、処理件数は順調に伸びており依然として成長は続いている。
また同社では、スマートフォンを活用して払込票決済の利便性を向上させる取り組みを積極的に進めている。具体的には、電子バーコードの採用によって決済スピードがアップするほか、各種キャッシュレス決済サービスとの連携でコンビニエンスストアまで出向く必要がなくなってきている。こうしたペーパーレス化・キャッシュレス化を通じた利便性向上により、クレジットカード決済との利便性の差は着実に埋まりつつある状況だ。
決済イノベーションは、国内・国際送金を扱う「送金サービス」と、「収納代行窓口サービス」の2つからなる。国際送金サービスはコンビニエンスストアを通じて割安な手数料で小口現金を海外に送金するサービスで、送金件数や登録顧客数が順調に伸びている。外国人に対する日本の労働市場の開放は、この事業にとっては追い風と言える。収納代行窓口サービスはコンビニ決済サービスと同様のものをスーパーマーケットやドラッグストアに導入するもので、「Biz@gent(ビズエージェント)」のサービスブランドで展開している。これは、同社が契約店舗を開拓することで、通販業者など同社の顧客企業とその利用者である一般消費者双方の利便性を高め、同社が提供するサービスの魅力度を高めようというものだ。また「Biz@gent」は、フィリピンのコンビニエンスストア等の小売店チェーン向けに、海外展開の第1弾として導入した。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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