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テックファームホールディングスのニュース
■要約
テックファームホールディングス<3625>は、ICTソリューション事業(旧ソフトウェア受託開発事業)を展開するテックファーム(株)や自動車アフターマーケット向け業務支援システムの開発販売を行う(株)EBE(イーバ)、農水産物輸出ソリューション事業を展開する(株)We Agriなどを子会社に持つ持株会社である。
1. 2020年6月期の業績概要
2020年6月期の連結業績は、売上高で前期比4.3%減の6,311百万円、営業利益で同69.5%減の219百万円と減収減益に転じた。主力のICTソリューション事業において、NTTドコモ<9437>からの大型プロジェクトが一巡したほか、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、新規プロジェクトの商談延伸が発生したことが響いた。また、自動車アフターマーケット事業や農水産物輸出ソリューション事業も、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で営業活動の制限を余儀なくされたことも収益悪化要因となった。その結果、We Agriの今後の事業計画について当初予測と乖離が生じたことから、同感染症拡大の長期化による影響を慎重に見積もり、保守的にのれん590百万円分の減損処理を実施した。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は492百万円(前期は16百万円の損失)に拡大している。
2. 2021年6月期の業績見通し
2021年6月期の連結業績は、売上高で前期比7.7%増の6,800百万円、営業利益で同105.1%増の450百万円と増収増益に転じる見通し。ICTソリューション事業については新型コロナウイルス感染症拡大の影響が残り、前期並みの水準にとどまる見通しだが、We Agriの売上拡大とのれん償却負担(前期で147百万円)がなくなることによる増益効果、自動車アフターマーケット事業における部品商向けシステムの売上貢献による増益などを見込んでいる。We Agriについては2020年1月に業務提携した青果物の加工・仲卸の国内最大手である(株)ベジテックの輸出入業務を受託することが決まっており同取扱高の増加が見込めること、また、2020年4月末に開設した生鮮食品の通販サイト「大田市場直送.com」の売上貢献が見込めることなどが増収増益要因となる。「大田市場直送.com」では、通常であれば高級スーパーや高級外食店向けに卸売される商品が、新型コロナウイルス感染症拡大で需要が減少しており、その受け先として一般消費者向けに販売を開始したもので、開設以降、毎月売上は3割増ペースで伸びている。
3. 中期見通し
同社は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、中経営計画の業績数値目標(2022年6月期に売上高120億円、営業利益18億円)を一旦取り下げ、2022年6月期の営業利益水準を、過去最高益を出した2019年6月期並み(720百万円)まで回復させることを優先する。成長戦略については従来と変わらず、ICTソリューション事業では需要の旺盛なIoT/AI関連や5G、AR/VR領域など先端テクノロジーを活用した特定領域の開発テーマを確実に取り込んでいくこと、また、自動車アフターマーケット事業や農水産物輸出支援ソリューション事業など業界特化型の業務支援システムを開発・サービス化していくことで当該市場でのシェアを拡大し、成長を実現していく戦略となっている。課題としては、これら業界特化型の業務支援システムの開発スケジュールが遅れ気味となっていることにある。顧客ニーズは確実に存在するだけに、開発力の強化によってこれらのシステム開発を計画通り遂行していくことができれば、収益成長につながると予想される。
■Key Points
・2020年6月期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響や自社プロダクトの開発遅延もあって減収減益に転じる
・2021年6月期業績は自動車アフターマーケット事業や農水産物輸出ソリューション事業の収益回復により増収増益に転じる見通し
・先端技術の活用をテーマにした開発案件の取り込みと業界特化型ソリューションサービスの拡大により高成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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テックファームホールディングス<3625>は、ICTソリューション事業(旧ソフトウェア受託開発事業)を展開するテックファーム(株)や自動車アフターマーケット向け業務支援システムの開発販売を行う(株)EBE(イーバ)、農水産物輸出ソリューション事業を展開する(株)We Agriなどを子会社に持つ持株会社である。
1. 2020年6月期の業績概要
2020年6月期の連結業績は、売上高で前期比4.3%減の6,311百万円、営業利益で同69.5%減の219百万円と減収減益に転じた。主力のICTソリューション事業において、NTTドコモ<9437>からの大型プロジェクトが一巡したほか、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、新規プロジェクトの商談延伸が発生したことが響いた。また、自動車アフターマーケット事業や農水産物輸出ソリューション事業も、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で営業活動の制限を余儀なくされたことも収益悪化要因となった。その結果、We Agriの今後の事業計画について当初予測と乖離が生じたことから、同感染症拡大の長期化による影響を慎重に見積もり、保守的にのれん590百万円分の減損処理を実施した。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は492百万円(前期は16百万円の損失)に拡大している。
2. 2021年6月期の業績見通し
2021年6月期の連結業績は、売上高で前期比7.7%増の6,800百万円、営業利益で同105.1%増の450百万円と増収増益に転じる見通し。ICTソリューション事業については新型コロナウイルス感染症拡大の影響が残り、前期並みの水準にとどまる見通しだが、We Agriの売上拡大とのれん償却負担(前期で147百万円)がなくなることによる増益効果、自動車アフターマーケット事業における部品商向けシステムの売上貢献による増益などを見込んでいる。We Agriについては2020年1月に業務提携した青果物の加工・仲卸の国内最大手である(株)ベジテックの輸出入業務を受託することが決まっており同取扱高の増加が見込めること、また、2020年4月末に開設した生鮮食品の通販サイト「大田市場直送.com」の売上貢献が見込めることなどが増収増益要因となる。「大田市場直送.com」では、通常であれば高級スーパーや高級外食店向けに卸売される商品が、新型コロナウイルス感染症拡大で需要が減少しており、その受け先として一般消費者向けに販売を開始したもので、開設以降、毎月売上は3割増ペースで伸びている。
3. 中期見通し
同社は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、中経営計画の業績数値目標(2022年6月期に売上高120億円、営業利益18億円)を一旦取り下げ、2022年6月期の営業利益水準を、過去最高益を出した2019年6月期並み(720百万円)まで回復させることを優先する。成長戦略については従来と変わらず、ICTソリューション事業では需要の旺盛なIoT/AI関連や5G、AR/VR領域など先端テクノロジーを活用した特定領域の開発テーマを確実に取り込んでいくこと、また、自動車アフターマーケット事業や農水産物輸出支援ソリューション事業など業界特化型の業務支援システムを開発・サービス化していくことで当該市場でのシェアを拡大し、成長を実現していく戦略となっている。課題としては、これら業界特化型の業務支援システムの開発スケジュールが遅れ気味となっていることにある。顧客ニーズは確実に存在するだけに、開発力の強化によってこれらのシステム開発を計画通り遂行していくことができれば、収益成長につながると予想される。
■Key Points
・2020年6月期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響や自社プロダクトの開発遅延もあって減収減益に転じる
・2021年6月期業績は自動車アフターマーケット事業や農水産物輸出ソリューション事業の収益回復により増収増益に転じる見通し
・先端技術の活用をテーマにした開発案件の取り込みと業界特化型ソリューションサービスの拡大により高成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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