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*15:14JST ネットイヤー Research Memo(4):2024年3月期第2四半期はリソース不足による減収で3期ぶりに損失を計上
■業績動向
1. 2024年3月期第2四半期累計業績の概要
ネットイヤーグループ<3622>の2024年3月期第2四半期累計業績は、売上高で前年同期比6.6%減の1,704百万円と2期ぶりに減収に転じ、営業損失で36百万円(前年同期は70百万円の利益)、経常損失で36百万円(同70百万円の利益)、四半期純損失で27百万円(同48百万円の利益)と各利益においては3期ぶりの損失を計上した。
企業のDX関連に対する投資意欲は引き続き堅調に推移した。また、コロナ禍が収束するとともに消費者の購買行動が多様化し、顧客一人ひとりのニーズに応えるサービスの開発やマーケティング施策の重要性がますます高まるなど、同社を取り巻く市場環境は引き続き良好であった。にもかかわらず、売上高が減収となったのは既存取引先において比較的規模の大きいプロジェクトの終了や縮小が重なったことが影響した。また、これら既存案件の減少分をカバーすべく、新規受注獲得のための営業活動に取り組んだが、専門的かつ高度化する顧客ニーズに応えられるだけの人的リソースが不足しており、受注獲得機会を逸失したことも減収要因となった。
業界別売上動向を見ると、売上高の37.2%を占めるNTTグループ向けが前年同期比23.3%減の634百万円と大きく減少した。過半を占めるNTTデータ経由のプロジェクトが終了したことやその他のNTTグループ会社向けの売上も減少した。また、小売・飲食業向けも同0.6%減の570百万円と伸び悩んだ格好だ。スターバックスやモスフードサービスが主要顧客で、両社合計では前年同期並みの水準だった。小売・飲食業界では2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2類相当から季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げられたことを契機に実店舗への来客数が回復し、店舗投資の優先順位が上がった影響もあり、新規受注の獲得についても停滞した。サービス業界向けについては同3.8%増の272百万円、その他業界向けは同40.2%増の227百万円とそれぞれ増加したが、NTTグループ向けの減収分をカバーしきれなかった。第2四半期累計の会社計画は開示していないが、前年同期並みの売上水準を見込んでいたと見られる。
売上高の減少に伴いエンジニアの稼働率が低下したことにより、売上総利益率が前年同期の20.4%から17.2%に低下し、売上総利益は同21.1%減の293百万円となった。また、積極的な人材投資を継続したことにより、販管費が同28百万円増加の329百万円となった。増加の内訳としては人件費※で14百万円、採用費で2百万円となっており、その他従業員のスキルアップを支援するための教育費等も増加した。採用状況については新卒・中途採用含めて通期で40名程度を予定していたが、第2四半期までは順調に推移したようだ。また、離職率についても10%台と前期並みの水準を維持した。
※給与、賞与引当金、退職給付費用の合算値。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
1. 2024年3月期第2四半期累計業績の概要
ネットイヤーグループ<3622>の2024年3月期第2四半期累計業績は、売上高で前年同期比6.6%減の1,704百万円と2期ぶりに減収に転じ、営業損失で36百万円(前年同期は70百万円の利益)、経常損失で36百万円(同70百万円の利益)、四半期純損失で27百万円(同48百万円の利益)と各利益においては3期ぶりの損失を計上した。
企業のDX関連に対する投資意欲は引き続き堅調に推移した。また、コロナ禍が収束するとともに消費者の購買行動が多様化し、顧客一人ひとりのニーズに応えるサービスの開発やマーケティング施策の重要性がますます高まるなど、同社を取り巻く市場環境は引き続き良好であった。にもかかわらず、売上高が減収となったのは既存取引先において比較的規模の大きいプロジェクトの終了や縮小が重なったことが影響した。また、これら既存案件の減少分をカバーすべく、新規受注獲得のための営業活動に取り組んだが、専門的かつ高度化する顧客ニーズに応えられるだけの人的リソースが不足しており、受注獲得機会を逸失したことも減収要因となった。
業界別売上動向を見ると、売上高の37.2%を占めるNTTグループ向けが前年同期比23.3%減の634百万円と大きく減少した。過半を占めるNTTデータ経由のプロジェクトが終了したことやその他のNTTグループ会社向けの売上も減少した。また、小売・飲食業向けも同0.6%減の570百万円と伸び悩んだ格好だ。スターバックスやモスフードサービスが主要顧客で、両社合計では前年同期並みの水準だった。小売・飲食業界では2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2類相当から季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げられたことを契機に実店舗への来客数が回復し、店舗投資の優先順位が上がった影響もあり、新規受注の獲得についても停滞した。サービス業界向けについては同3.8%増の272百万円、その他業界向けは同40.2%増の227百万円とそれぞれ増加したが、NTTグループ向けの減収分をカバーしきれなかった。第2四半期累計の会社計画は開示していないが、前年同期並みの売上水準を見込んでいたと見られる。
売上高の減少に伴いエンジニアの稼働率が低下したことにより、売上総利益率が前年同期の20.4%から17.2%に低下し、売上総利益は同21.1%減の293百万円となった。また、積極的な人材投資を継続したことにより、販管費が同28百万円増加の329百万円となった。増加の内訳としては人件費※で14百万円、採用費で2百万円となっており、その他従業員のスキルアップを支援するための教育費等も増加した。採用状況については新卒・中途採用含めて通期で40名程度を予定していたが、第2四半期までは順調に推移したようだ。また、離職率についても10%台と前期並みの水準を維持した。
※給与、賞与引当金、退職給付費用の合算値。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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