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ネットイヤー Research Memo(1):NTTデータとの協業効果もあり収益成長が続く見通し

配信元:フィスコ
投稿:2023/07/13 12:41
*12:41JST ネットイヤー Research Memo(1):NTTデータとの協業効果もあり収益成長が続く見通し ■要約

ネットイヤーグループ<3622>は、インターネット技術を活用した顧客起点のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業を展開しており、デジタルマーケティング領域において豊富な実績を持つ。2019年2月にNTTデータグループ<9613>と資本業務提携契約を締結し、グループ会社となっている。NTTデータグループのシステム開発力と同社のCX(Customer Experience、顧客体験)デザイン設計力を組み合わせた協業案件が増加しており、NTTデータグループ向けの売上構成比が3割を超える。

1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の業績は、売上高で前期比14.7%増の3,919百万円、営業利益で同37.1%増の281百万円と増収増益となり、会社計画(売上高3,600百万円、営業利益240百万円)に対しても上回って着地した。オウンドメディア(自社Webサイトやスマホアプリなど)を用いたデジタルマーケティングやCXの向上に取り組む企業が増加しており、NTTデータグループとの協業案件(通信業界、小売業界、金融業界、自治体案件)が増加したほか、15年以上取引が継続するスターバックスコーヒージャパン(株)向けデジタルマーケティング支援案件なども収益増に貢献した。業務量の増加に伴い外注費が増加したため原価率は若干上昇したものの増収効果でカバーし、営業利益率は7.2%と8期ぶりに7%台の水準まで回復したことになる。

2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績は、売上高で前期比4.6%増の4,100百万円、営業利益で同6.7%増の300百万円と堅調に推移する見通し。企業のDX投資は引き続き活発で、同社の事業領域であるデジタルマーケティング支援やCX向上を目的とした開発プロジェクトの引き合いも旺盛だ。人材不足によって受注を見送るケースも出てきていることから、人財投資を積極的に行い成長基盤を構築していく考えで、今後は年率10%以上のペースで社員を純増させていくとともに、外部パートナーとの戦略的な取り組みも加速させ、プロフェッショナル人材ネットワークを構築していく。具体的には、2022年3月より人材派遣会社の(株)LULLとの協働で「若手をIT・デジタル人材にリスキリングするプロジェクト」を始動しており、既に5~6名を社員として採用するなど実績も出始めている。2024年3月期はこうした人材投資を行いつつ、NTTデータグループとの協業案件や主要顧客とからの継続案件を受注することで増収増益を目指す。

3. 成長戦略
今後の成長戦略として、既存事業の成長に加えて新規事業を開発・育成することで、一段の収益成長を目指していく。既存事業においてはNTTデータグループとの協業だけでなく、これまで蓄積してきたノウハウを型化し、EコマースプラットフォームのShopify等のSasS型サービスと組み合わせることで収益性の向上にも取り組む方針だ。また、新規事業として社会課題の解決と事業課題の解決を目的とする社会インパクト事業を育成する。第1弾として2022年9月に(一社)日本顧問介護士協会と介護離職リスクの軽減支援に関する業務提携を行い、同協会が提供するサービスプラットフォームのDX支援や専門ECサイトの開発支援を行う予定となっている。また、2023年2月には地域と事業の課題解決を両立する「廃校の利活用」を核とした地域創生プロジェクトについて、愛媛県宇和島市と包括連携協定を結んだ。廃校をコワーキングスペースやシェアオフィスとして再生していくほか、地域の物販を支援するECサイトの構築やデジタルマーケティング支援等を行っていく。当面はこれらのプロジェクトが業績に与える影響は軽微だが、こうしたプロジェクトを多く積み重ねることによって、社会への貢献と収益成長を同時に実現していく考えだ。また、このような社会貢献に資する事業に取り組むことで人材の獲得や定着化に繋げていく。

■Key Points
・2023年3月期は旺盛なDX投資を背景に2ケタ増収、営業利益及び経常利益も2ケタ増益を達成
・2024年3月期は人材投資による経営基盤の強化に軸足を置きながら増収増益を目指す
・NTTデータグループとの協業による既存事業の拡大に加えて社会インパクト事業を育成し、中長期的な企業価値向上を目指す
・配当方針を安定配当から配当性向20%程度を目安とする業績連動型に変更

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ
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