＜動意株・１７日＞（大引け）＝ＤＩＴ、クスリのアオキ、アジア航測など

　デジタル・インフォメーション・テクノロジー＜3916.T＞＝ストップ高。特に目新しい材料は観測されていないものの、ウエブサイトが不正アクセスで改竄された際、自動的に修復・復旧する独自システムに強みを持つことから、サイバーセキュリティー関連の循環物色の一環として買いが入っているもよう。また、６月１８日に新規上場した直近ＩＰＯ銘柄であることから、値動きへの期待感も含まれているようだ。

　クスリのアオキ＜3398.T＞＝大幅高。来週２２日に６月の訪日外国人観光客統計が発表される予定にあり、足もとインバウンド需要を底流に、小売関連株に物色の矛先が向いている。同社は北陸３県を地盤に展開し、訪日関連としての収益メリットは限定的ながら、新規開業した北陸新幹線関連としての追い風を受けている。また、イオン＜8267.T＞を第２位株主に擁しており、イオンが新たな収益の柱として打ち立てているドラッグストア事業の一角としても同社の成長戦略に注目が集まっている。

　アジア航測＜9233.T＞＝切り返し、底入れ反転の気配。航空測量と建設コンサル事業を手掛け、１５年９月期は増収を確保するものの、営業利益は前期急変化の反動で小幅減益を見込む。ただ、来期は防災関連需要を取り込み業績成長路線への復帰が見込まれている。同社が開発した「赤色立体地図」は、地形を１枚の地図で立体的に表現し土地の形状を画期的に把握しやすくしたもので、防災時対応の側面から今後引き合いが高まる公算が大きい。

　文教堂グループホールディングス＜9978.T＞＝一時ストップ高。１６日、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹氏が小説「火花」で芥川賞を受賞したことを受けて、「火花」の販売増への期待から首都圏を軸に全国展開する書店チェーン大手の同社に思惑的な買いが入っている。また、丸善ＣＨＩホールディングス＜3159.T＞も一時、大幅高に買われる場面があった。

　ナイガイ＜8013.T＞＝急動意。低位材料株物色の流れのなか、朝方に仕掛け的な買いが入った。５日・２５日移動平均線のゴールデンクロスも接近、短期資金の追随買いを誘導している。株価１００円未満の銘柄では、最近ではエコナックホールディングス＜3521.T＞が急騰し、株価は２倍以上に化けた経緯がある。同社は高級品に強みを持つ靴下大手で、中国人観光客の「爆買い」需要を想定した商品ラインを強化、高価格帯商品も充実させており、インバウンド消費関連としての切り口で人気素地を内包している。

　大和コンピューター＜3816.T＞＝ストップ高。１６日の取引終了後、植物工場を運営するグリーンクロックスと資本提携を行うと発表しており、これを好感した買いが入っている。グリーンクロックスは、大阪府立大学２１世紀科学研究機構植物工場研究センターが開設した全国唯一の完全閉鎖人工光型植物工場「グリーンクロックス新世代（ＧＣＮ）植物工場」を利用し、野菜の生産から販売までを行う企業。資本提携は、大和コンがグリーンクロックスの筆頭株主である伊東電機（兵庫県加西市）から、発行済み株式数の１０％（予定）を取得する方法で行う予定。

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出所：株経通信（株式会社みんかぶ）