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【QAあり】LeTech、経常利益前年比+35.1%の大幅増益と共に総配当性向を30%まで引き上げ 中期経営計画の業績目標を上方修正

投稿:2024/10/10 15:00

目次

宮地直紀氏:株式会社LeTech代表取締役社長の宮地です。ただいまより、2024年7月期決算説明会を始めます。どうぞよろしくお願いします。

本日は、3つのパートに分かれています。まずは会社概要で当社についてご説明します。続いて2024年7月期の決算概況についてご説明した後、今後の見通しについていくつかお話しします。

会社概要

会社概要です。当社は2000年に設立され、はや24年です。来年は創立25周年を迎えます。大阪で生まれ、当初は不動産・仲介コンサルティング業務の、特に不良債権処理に伴う任意売却物件のようなところに法的なノウハウを活かすビジネスを行っていました。このようなところから、当初は「リーガル不動産」という社名でした。

経営陣については、昨年来変わっていません。私、宮地を皮切りに、創業者の平野が会長で、営業は副社長の藤原と取締役の岡、コーポレート部門は経営企画担当の松木と管理本部長の坂東が務め、この6名で経営しています。

私の経歴は、スライドに記載のとおりです。昨年10月に代表取締役社長に就任し、もうすぐ1年を迎えます。昨年の社長交代は、創業以来初めて創業者ではない社長が就任したということで、1つの新たな創業期と捉えています。

企業理念の刷新①

着任以来、私が最初に取り組んだのが企業理念の刷新でした。後ほどご説明しますが、ここ数年は苦しい時期もあり、かつてあった企業理念がやや忘れられていたところもありました。

会社を1つにするべく、当社が目指すべき方向や社会に対して何を果たすべきなのかをいま一度考えようということで、LeTechの「L」を取り、企業理念の刷新プロジェクト「LVisionプロジェクト」を立ち上げました。

大阪と東京の2極で経営している当社ですが、物理的な距離も離れていますので、どうしても2つに分かれてしまうことがありました。「LVisionプロジェクト」は極力、全役職員が参加して策定するプロセスで、数ヶ月をかけて実施しました。

Missionとして「LeTechは何のために存在しているのか」「社会に何を求められているのか」をいま一度考えたほか、Visionとして「LeTechが未来の社会にどのような景色を作り出すのか」「我々の夢は何なのか」「未来像はどのようなものなのか」についても考えました。

これらに加えValuesとして、「LeTechがこだわり、社員に求める価値観や我々らしさとはどのようなことなのか」ということも考えました。

企業理念の刷新②

数ヶ月にわたり議論した結果、スライドに示したMission・Vision・Valuesを策定しました。

Missionは、「『まだない』を見つけ、可能性の扉をひらく」です。コンサルティング事業で始まった当社は、事業環境の変化でデベロッパーに転身し、今まで経験したことのない事業に足を踏み入れることで、さらなる成長を遂げてきた歴史があります。

成長企業として、常に自分たちに前例のないことを見つけて取り組む中では、もちろん失敗もありましたが、まずそのような扉を開いていくことが我々のやり方なのではないかと考えています。世の中に「まだない」を見つけるべく、その扉を勇気を持って開いていきます。このようなことを我々はMissionとして策定しました。

Visionは、「モノ・コト・トキをデザインし、コミュニティを幸せでみたす」です。ややもすると、当社はデベロッパーとして、モノ作りにどうしても特化してしまいます。

もちろん、モノを作ることも大事ですが、例えば我々が作っているマンションに入居される方々が過ごす時間や、物件を買う投資家のみなさまなど、さまざまなコミュニティを幸せでみたしていきます。

いろいろなステークホルダーの幸せをみたすためにはどうしたらよいのかを考え、プロジェクトの中でも、協力していただくゼネコンのみなさまも含む1つのコミュニティを幸せでみたしていこうということを掲げました。

スライドに掲載している2枚で1セットのポスターは、大阪と東京の2極でビジネスを行う我々を表しています。これを今、社内外に発信しています。

Valuesについては、スライドで示している5つを選びました。実は1番目の「己動」は、当社で考えた造語です。己で動くと書いて「こどう」と読みます。まさに「自ら気づき、がむしゃらにやりきる」という意味です。当社は、良い意味で従業員一人ひとりに権限を与え、とりあえずできるところまでやってみるのが1つの特徴です。これを一番に掲げています。

一方で、前例のないものに取り組んでいるため、いつも試行錯誤しています。脳みそに汗をかくくらい知恵を出し尽くし、いい物を作っていきます。この我々のスタイルを、2番目の「試行錯誤」で表しました。

また、会社も従業員もやはり成長していかなければいけません。しかし、成長という言葉だけでは物足りません。我々がさらに成長するにはどうしたらいいのかを表す言葉は何かと考えたところ、「進化」という言葉にたどり着きました。

1年後の自分にワクワクし、成長を超えるような、裏を返すと1年後はどのようになっているかよくわからないというくらい高い成長カーブで、まさに「進化」を求めていきます。

4番目、5番目は、我々の日々の行動のベースとなる2つの価値観として、「相互理解」と「誠実」を挙げています。当社は中途採用者が多い会社となっています。もちろん新卒のスタッフもいますが、大半が中途採用ということで、これまでのバックグラウンドや経験のすべてが違うスタッフがそろっています。

1つになるには、ベースとして相互理解が必要であるということで、「らしさを認め、らしさを活かしあう」ことを大事な価値観として大きく掲げています。

「誠実」は、デベロッパーとして、言うなればズルをしないということです。この業界では過去にいろいろな不祥事等がありましたが、一人ひとりの誠実さが結果として会社としての誠実さにつながっていくと考えています。これは私自身がこだわり、これだけは譲れないということで入れました。

LeTechの特徴・強み

LeTechの特徴です。4つ掲げています。中心となるのは、スライド中央に記載している「人財」です。「財」をあえて財産の「財」にしていますが、経験豊かなプロ集団で構成されています。

我々は、腕に自信のある人がチャレンジする土壌を構えているため、いろいろな人に集まっていただき、現にスタッフも今、大変増えています。

この人財を核にした4つの強みとして、まず「大阪・東京での事業展開」を挙げています。特に、大阪が本社でありながら東京という市場にも精通しています。このクラスのデベロッパーでは、おそらく当社だけだと考えています。

続いて「大手不動産会社との差別化領域」です。大手が手掛けにくい市場として、例えば我々の主力商品である「LEGALAND」という1棟賃貸マンションについては、いわゆる「壁式構造」という構造を採用しており、狭小地での開発が可能になっています。こちらについては、後ほどご説明します。

さらに「権利調整による多様な選択」も特徴です。祖業から蓄積してきた法的なノウハウを駆使しながら、現在では権利調整案件と呼ばれる事案で大変競争力を有しています。

最後に「不動産管理事業展開による開発力向上」です。作って売却して終わりではなく、その物件の不動産管理業務を受託することで継続的に関与し、そこで得たノウハウや課題を次の開発に活かしていくことでよりよい物を作っていきます。

このような事業サイクルを展開しています。

コアブランド「LEGALAND」

当社のコアブランドの「LEGALAND」についてです。おかげさまで、すでに100棟を超える開発実績を誇っています。

特徴としては、まず「使いやすくてゆとりのある空間」です。壁式RC、すなわちコンクリートはコンクリートでも、耐力壁で建物の荷重を支える「壁式構造」を採用しています。裏を返すと、大きな鉄骨が入っていないため室内空間が大変使いやすく、入居者の住みやすさにつながっています。

次に「立地へのこだわり」です。特に当社が得意としているのは、東京の城南・城西エリアです。同じ地域に何棟も作り、我々の得意な地域となっています。加えて、そのほとんどが駅近物件で、入居者のみなさまから見ると大変利便性の高いマンションです。

関西圏でも「LEGALAND」を展開しています。こちらはコンセプト特化型ということで、例えばペットマンションのようなコンセプトを有したものを今、開発中です。

次に「デザイン性の高さ」です。スライドの写真でご覧いただけるとおり、コンクリート打ちっぱなしをベースとしたスタイリッシュなデザインです。

それと同時に、経年劣化せず、10年経っても古く見えないところも、「高いキャッシュフロー創出力」につながっています。こちらを購入された投資家・保有者の方々は、5年後・10年後も色あせず、経年劣化しにくいデザインの下、高いキャッシュフロー創出力を有することになります。

スライドにはありませんが、これを我々は愚直にかなり丁寧に作っています。建築工程のちょっとした違いが、コンクリートの色合いなどに影響してきます。みなさまも機会があればぜひご覧になっていただきたいと思いますが、周りの同種のマンションと比べても、大変きれいな印象を持っていただけるものと考えています。

事業概要(セグメント区分別)

当社の事業概要です。セグメントについてご説明します。とにもかくにも中心となっているのは開発事業です。我々は不動産ソリューション事業と呼んでいます。

低層賃貸マンション「LEGALAND」に加え、昨今では大阪で民泊マンションのほか、飲食店舗を構えた商業施設等も開発しています。レジデンスが得意ですが、さまざまなタイプの不動産について開発実績があります。

「不動産ソリューション事業」という名称の心は、そこにある物件に対し、最も高い付加価値を得られるような開発につなげていくことです。もちろんレジデンスが得意ですが、その土地ごとの特性に合った開発を行っていくことが、まさに不動産ソリューション事業の「ソリューション」という言葉に込められています。

不動産賃貸事業には、2つのポイントがあります。1つは、我々デベロッパーはどうしてもビジネスがフローベースになっていくため、いざという時の安定的なキャッシュフローを獲得するべく、戦略的に物件を保有して賃料収益を得ています。

我々の開発によって割安で入手でき、結果として高い利回りを生んでいるような物件については、しばらく保有していきます。これにより、安定的なキャッシュフローを獲得していくことを1つの戦略としています。

もう1つは、開発物件売却後の不動産管理業務です。これを受注することで、手数料収入により安定的な収益を上げられると同時に、そこで得たパフォーマンスデータを開発に還元していくことで、不動産ソリューション事業のさらなる強化につなげていくというサイクルを構築しています。

その他事業としては、まだまだこれから成長しなければいけない分野ですが、ウェルスマネジメント事業があります。不動産仲介業として、アジア富裕層の国内インバウンド投資になんとか伴走できないかというところで始めた事業です。

2024/7期 決算サマリー

2024年7月期の決算概況についてご説明します。まずサマリーとして、ポイントを8つお伝えします。

1番目は正常化です。思い返せば2022年7月期に、大幅な赤字を計上しました。その後、当期も合わせて2期連続で黒字を計上しました。もちろん、財務的にも正常化が進み、信用力の回復により営業面においてもプラスの効果が大きく出ています。

2番目が大幅増益です。特にレジデンス開発が好調に推移しました。売上は若干減収となりましたが、経常利益は11億円を超える水準となり、前年同期比35.1パーセント増と大幅増益を達成しました。もう少しで創業来最高益でしたが、これに匹敵する水準であったということです。

3番目が利益率改善です。高収益案件が奏功したことに加え、金融コスト減少により経常利益率も7.5パーセントに改善しています。いまだ改善の余地はあるものの、まず第一歩として、前年同期の5.1パーセントから実に2.4ポイントの改善となりました。この結果、ROEは20パーセントを超えています。

実際のところ、ROEは我々の主要なKPIではありませんが、株主のみなさまから見て非常に高収益な株であることは間違いないと思います。

4番目に、財務の健全化が進んでいます。財務の健全化にあたり最も重視している指標は、私が金融出身ということもありますが、現預金残高を重視しています。黒字・赤字にかかわらず、資金繰りさえつながれば会社は潰れないというポリシーのもと、現預金残高を積み上げています。

現預金残高は月商2ヶ月分の水準に回復しました。前年同期は1.5ヶ月強ですので、財務健全化がかなり進んでいます。

また、もう1つの重要な指標である自己資本比率は21.3パーセントと、前期末比1.8ポイントの改善です。仕入れが好調であったため流動資産が膨らみました。自己資本比率についてはもう少し改善の余地があり、1.8ポイント改善したとも言えますし、1.8ポイントの改善でとどまったとも言えます。

5番目に、今お伝えしたように仕入れが非常に好調です。1番目の正常化に基づいて、「この会社には買う余力がある」「資金調達が可能な状態」と認識されたため、さまざまな仲介会社から積極的に案件を持ってきていただけるようになりました。

その結果、我々が検討する案件は質・量ともに大幅に改善し、銀行のスタンスも非常に良く、仕入れが好調に推移しました。資金調達と仕入れ案件の質・量の改善により、販売用不動産残高は200億円を超えています。

一方で、6番目の収益の多様化については道半ばです。不動産管理事業・ウェルスマネジメント事業等によるストックビジネスや手数料ビジネスの強化は、収益多様化という意味で、開発事業に依存する当社の重要な課題です。

7番目に、このような好業績を踏まえ、昨年策定した当社の中期経営計画について、業績目標を上方修正しました。後ほどご説明します。

8番目は増配です。好業績を受け株主還元も強化すべきという考えのもと、総配当性向を30パーセントまで引き上げ、1株当たり配当額を55円としました。

市場環境と今後の課題

さまざまな投資家とのディスカッションやミーティングでよくいただく質問について、当社の考えをご説明します。

1つ目は金利環境です。2024年7月にある種サプライズとして実施された利上げは、不動産業界に大きな影響をもたらすことは明らかです。これには2つの側面があります。

まず、案件の仕入れには資金調達が伴います。金利上昇による借入コストの増大により、我々の原価が増えていくということです。しかし、当社はこのようなことも想定し、一定割合を固定金利借入にしていたため、足元の影響は限定的です。

ただし、今後さらなる利上げが実施される場合、いわゆる不動産の利回りであるキャップレートへの影響は避けられません。したがって、当社は不動産の流動性を重視し、立地にこだわった物件仕入れを行うというポリシーをさらに強化しています。

2つ目に建築費の高騰です。連日のように新聞等で取り上げられており、直近では某大型物件の完成時期が大幅延期になると非常に話題になっています。当社ももちろん影響を受けていますが、足元では賃料相場の上昇によりキャッシュフローが増加しています。

キャッシュフローと利回りの2つの変数で算定される不動産の価値そのものについては、コストは増えているものの、キャッシュフローの上昇に助けられている状況が続いています。

そのような意味で影響は限定的ですが、予断を許さない状況です。したがって、私が代表に就任して以来、仕入れ検討時に複数のシナリオを想定しています。例えばコストがさらに上がった場合はどうか、その際の損益分岐はどこかというように、複数のシナリオをシミュレーションし、慎重に仕入れを行っていくスタンスをとっています。

3番目の収益の多様化については、先ほどからお伝えしているように、開発事業はどうしてもバランスシートに依存するビジネスです。バランスシートに極力依存しない開発事業以外の収益の拡大が課題と考えています。そのため、不動産管理業務や富裕層向けの仲介プラットフォームの推進は必須となっています。

加えて、新規事業開発の体制をさらに整えるべく、部署を構築中です。さまざまな新規事業について社内で議論が始まっています。社内各部のいろいろな戦略の中に新規事業の検討が散りばめられ、今期に取り組むこととしています。

2024/7期 損益計算書

損益計算書です。売上高が若干減収となったものの、レジデンス開発とともにホテル・民泊マンション開発が好調に推移し、大幅増益となりました。

特に、経常利益率は5.1パーセントから7.5パーセントに改善しています。我々は不動産デベロッパーですので、支払いコストのうち銀行に支払う利息も含めた経常利益を最も重視しており、これが非常に堅調であるということです。計画の10億円に対し、10パーセント以上の上振れで着地となりました。

2024/7期 セグメントの状況

セグメントの状況です。不動産ソリューション事業が好調であることは、先ほどお伝えしたとおりです。不動産賃貸事業についても、利益率が24.2パーセントまで向上しています。

収益の多様化はまだ道半ばですが、ここをさらに注力していきます。その他については、今は仲介事業を何件か行うにとどまっていますが、こちらもさらに強化していきます。

2024/7期 経常利益の増減要因

経常利益の増減要因についてです。増益要因として、不動産ソリューション事業の利益拡大に加え、金融関連費用が減少しました。特に前期は資本調達に伴うコストが大きくかさんでいましたが、当期はこれがなくなったため、11億円を超える経常利益を計上できました。

2024/7期 貸借対照表

貸借対照表です。繰り返しになりますが、販売用不動産が大きく伸長したことと、現預金残高を含めた財務のバランスシートの健全化がさらに進捗したことがポイントです。

仕入れと裏腹の関係である自己資本比率は、1.8ポイントの改善となりました。今後も無尽蔵にバランスシートを拡大するのではなく、収益性を吟味しながら、バランスシートの健全化に取り組んでいきます。

不動産開発実績/レジデンス開発

当社が最も得意とするレジデンス開発について、今期の案件をいくつかご紹介します。これにより、どのような物件を取り扱っているのかをお伝えできればと思っています。

スライド左側に掲載している物件は、「LEGALAND 白金ANNEX」です。白金エリアでの3棟目の開発となりました。もともと我々は世田谷区、目黒区、品川区、杉並区、一部の渋谷区といった、城南・城西地区を得意としています。この物件は港区にあり、みなさまご存知のとおり瀟洒なエリアですので、その特性に合わせたデザインとなっています。

中央に掲載している物件は、「LEGALAND Biz原宿」です。当社にとって、今まであまり経験のないエリアであったため、通常のレジデンスのみではなく共用の応接スペースを設置し、ビジネスができる物件に仕立てました。できるだけ初期費用を抑えて事業を始めたいという、いわゆるスタートアップの経営者がターゲットです。

右側に掲載している物件は少し毛色が異なる物件で、大阪で開発した中高層のレジデンスです。比較的大型の物件で、関西の不動産デベロッパーとの共同事業案件です。15階建ての84戸となっており、当社が東京で手がけている「LEGALAND」シリーズとは違う趣です。大阪の靱公園にほど近い立地の良い物件となっています。

不動産開発実績/ホテル・民泊開発

ホテル・民泊開発についてです。正直なところ、民泊ホテルはコロナ禍において非常に苦戦しました。しかし、2022年10月の水際対策緩和に始まり、昨年の春くらいからインバウンドの足取りもかなり戻りました。今ではご存知のとおり、大阪の難波・心斎橋のあたりはコロナ禍前を超えるような賑わいです。

人流の戻りに伴い、当社初のホテル開発案件である「CENTURION HOTEL」や、当社初の民泊専用マンション「LEGALIE日本橋東」が非常に高い評価をいただき、売却にいたっています。

特に民泊専用マンションは1棟目ということもあり、我々らしい振り切ったデザインで、共用部に忍者屋敷風のしつらえをしています。テレビをはじめ、さまざまなメディアの取材を多数受け、実際に高いキャッシュフローを生み出す源泉となっています。両物件ともに売却済みです。

「LEGALAND」の開発実績

「LEGALAND」の開発実績です。地図からおわかりいただけるとおり、我々の得意エリアはまさに城南・城西地区です。すでに開発棟数は120棟を超え、今期は新たに18件の開発用地の取得にいたりました。4桁件程度の検討案件が持ち込まれ、厳選に厳選を重ねて取得しています。

大阪エリアはまだこれからですが、大阪市内の人口が増えている区を中心に、戦略に基づいた開発を進めています。兵庫エリアは地図にある通りではありますが、なかなか良い用地に巡り合えていない状況です。

不動産管理事業の実績

不動産管理事業の実績です。こちらは開発した物件の管理業務を受託し、継続的に管理手数料収入を得るという、いわゆるストック型ビジネスです。不動産管理を通じて得たデータを分析し、開発につなげています。

我々は漫然と管理するのではなく、稼働率の改善、ないしは高位安定させることを1つのゴールとしています。例えば、我々が購入した宝塚市の物件は、取得時は38戸中8戸という約20パーセントの稼働率でしたが、1年弱でほぼフル稼働にまで持っていきました。

漫然とコストをかけて仲介業者に頼むのではなく、マーケット調査等で「どのような方が住むのか」といった顧客ペルソナ、入居者ペルソナに基づいたターゲティングリノベーションを行いました。その結果、たった1年でこれだけの稼働率の回復を果たしています。

スライド右下には、お客さまが保有している物件の管理を受託している案件を記載しています。こちらも同様に、1年で稼働率を向上させました。仲介会社向けに、この物件の良さを訴求する独自の特別な募集リーフレットを作ったことで、短期間で稼働率を大幅に改善させることができています。

このように、不動産管理事業のノウハウを蓄積しながら日々成長しているところです。

ウェルスマネジメント事業

ウェルスマネジメント事業についてです。始まったばかりのビジネスですが、市場の状況としては、日本の不動産価格は円安環境も相まってまだ割安です。

スライド左下に示しているグラフによると、ハイエンドクラスマンションの価格水準は、東京を100とすると、同じアジアの香港、上海、シンガポール、北京は軒並み100を超えている一方で、大阪は東京よりさらに割安の68.2です。

アジアの富裕層が、東京と大阪を合わせた割安と見られている物件にインバウンド投資を行っており、そこになんとか伴走していくようなビジネスを今手掛けています。

足元では、新築マンションの販売受託をいただいています。大手デベロッパーから海外向けの販売を一部受託することで物件を仕入れつつ、シンガポール、香港を中心とした富裕層のみなさまと会話を重ねているところです。

特に大阪の新築マンションの販売受託を受けているところを1つの差別化として、顧客ベースも広がりつつあります。

資金調達状況の改善

資金調達状況の改善についてです。当社はデベロッパーですので、資金調達が仕入と表裏一体ですが、業績回復・財務の健全化により、引き続き借入条件は良化しています。

2024年7月期に、新規にフローで借り入れた額は82億円です。平均借入利率は2.30パーセントで、前年期末時点の2.57パーセントに対し、0.27ポイント改善しました。

一歩一歩進んでいる一方で、これに加えて、当期はメガバンクも含めた6行の金融機関において新規で借り入れをすることができました。これが我々としては一番のグッドニュースです。

取引復活も一部ありますが、私も銀行出身ですので、新規の貸し出しは非常に慎重なものです。それを踏まえると、借入先が6行増加したことは当社の財務スタッフの努力の賜物と考えており、我々としては極めて良いニュースであったと感じています。

株主還元

株主還元についてです。この好業績を受け、株主還元の強化や、我々のファンになっていただけるように個人株主の方々に対して、好業績に報いなければならないということで、総配当性向を30パーセントまで引き上げることを決断しました。結果的に、1株当たりの配当額は55円となります。

今後の配当政策については後ほどご説明します。

サステナビリティ方針

サステナビリティ方針についてです。社会貢献も重要なミッションであるということで、当社も社会の公器として、スライドに記載した4大ポリシーに基づき、社会貢献活動を行っています。

サステナビリティ活動

ハイライトとして、2点ご紹介します。「山王こどもセンター」という大阪の西成地区にある施設に、人も含めてさまざまな支援を行っています。

昨年末には、子どもたちの主催するクリスマスイベントに私も招待され、大変明るい子どもたちに勇気づけられました。支援しているようで我々が得るものも非常に大きい支援活動であると思います。

また、建築家の安藤忠雄先生が手掛けた、大阪で有名な「こども本の森」が中之島というところにあります。いろいろなご縁があって、こちらに「山王こどもセンター」の22名のお子さまを貸し切りで招待するという取り組みも行いました。

中期経営計画 業績目標の上方修正

今後の見通しについてです。まず中期経営計画の業績目標を上方修正しました。売上高は据え置いていますが、営業利益、経常利益、当期純利益ともに上方修正しています。

1つは、当期の利益が上振れしたことを踏まえてのことです。もう1つは、経常利益の成長率を10パーセントにキープしていくためです。もちろん目指すべき数字でもあり、我々としては最低限10パーセント成長することにコミットしていくため、上方修正しました。

これには「LEGALAND」のみならず、さまざまなタイプの案件を手掛けていき、土地の特性に合わせた知恵を出して試行錯誤し、収益を積み上げていきます。

一方で、大変厳しい環境ではありますので、むやみやたらに仕入れるのではなく、慎重に検討しつつ、行う時は大胆に行うことで、この利益目標を達成していく心意気です。

株主還元

株主還元については、引き続き配当性向30パーセントを維持したいと考えています。増益計画に基づくと、1株当たりの配当額は66円になる予定です。これも踏まえて、今の足元の株価の状況を考慮すると、配当利回りは5パーセント半ばとなり、大変割安であると考えています。

さらに、新NISAも導入されて長期保有がキーワードになっていることも踏まえ、今年度より中間配当を実施することも決めています。これにより、株価のボラティリティを少しでも和らげ、安定株主、長期株主の確保に努めていきたいと考えています。

「LStrategyキックオフミーティング」の実施

当社内部では、新たに事業計画を立てています。企業理念のプロジェクトは「LVision」でしたが、全社一体となって事業計画を立案するプロセスを「LStrategy」と称し、ディスカッションを行いました。

その最後には、東京の全スタッフにも大阪に来てもらい、決定した方針・戦略を共有して一丸となって進んでいくため、東京・大阪の全社員でキックオフミーティングを開催しました。

今後も当社は「まだない」可能性の扉を開き続け、全役職員一丸となり全てのステークホルダーを幸せでみたす企業として走り続けます

我々は1つになってさらなる成長を遂げていくため、「LStrategy」に限らず、今では毎月、全社会議を行う等のいろいろな施策を推進しています。

新しい企業理念に基づき、「まだない」可能性の扉を開き続け、役職員も含め、ステークホルダーのみなさまを幸せでみたしていく企業として、今後さらに進化していきたいと考えています。

長くなりましたが、私からの説明は以上です。

質疑応答:経常利益率の計画について

「2024年7月期は経常利益率が改善された一方、2025年、2026年の計画は5パーセント、6パーセントにとどまっています。このあたりの要因や方針について教えてください。また、今後目標とすべき利益率の設定があれば教えてください」というご質問です。

利益率ありきで計画を作っていないというのが正直なところで、我々は会社としての利益率を狙っていくことは難しいです。

これは一つひとつの物件の収益性をいかに丁寧に見ていくかということであり、積み上げた数字の結果という意味合いがかなり強いです。ですので、仕入れ案件の想定される利益率については非常に厳しい目で見る一方で、会社としての固定費などの削減についてもさらに推進しています。

若干保守的かもしれませんが、利益率についてはこれが最低ラインということです。もう少し高い数字を狙っていきたいという思いはありますが、まずは利益額を確保していくことを1つのポイントとしています。

質疑応答:今後の株価対策の方針と自社株買いの予定について

「昨年の株主優待廃止の発表時に株価が大きく下落しました。今回、業績・増配の好材料によって株価も上昇したかと思いますが、今後の株価対策の方針について教えてください。また、自社株買い等の予定はありますか?」というご質問です。

当社の株価については、昨年の株主優待廃止後の下落から復調していましたが、直近のブラックマンデーを超える暴落と当社の権利落ちのタイミングが重なり、非常に厳しい環境にありました。

先ほど配当のお話をしましたが、現在、PERで見るとまだ5倍内外ですので、我々の発信力にも問題があるのかもしれませんが、我々としては、まずは配当性向を30パーセントに引き上げ、このようなことをさらに発信していきます。

一方で、この業界として不安視されているかもしれませんが、日々バランスシートの改善を通じて、財務の安全性、つぶれない会社をアピールするなど、みなさまにご安心いただけるような努力が必要なのではないかと思っています。

自社株買いも1つの案として、常に株価についていろいろなソリューションを検討しています。今後も、自社株買い等も含め、継続的にさまざまな手法について検討していきたいと考えています。

質疑応答:東京と大阪の事業の比率について

「東京と大阪の事業の比率はどのような見通しですか? どちらかのマーケットに偏重していく予定はあるのかを教えてください」というご質問です。

こちらも大変難しい質問ですが、結果として、当期の東京と大阪の売上高はおおむね半々となりました。

比率について目標設定はしていませんが、みなさまもご存じのとおり、賃料水準等が東京のほうが高いため、同じような広さの物件を手掛ける場合、東京のほうが規模としては大きくなるということはあります。

そのようなことも含め、仕入れの状況を踏まえると東京が大変好調ですので、結果として当面は東京の売上が大きくなるかと思います。

仕入れもさることながら、日本の中でも東京の家賃水準の上昇傾向はとりわけ強い状況です。そのような観点から、東京の物件高が続いていくことも含め、東京の売上が多くなる蓋然性が高いと考えています。

配信元: ログミーファイナンス

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