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ロードスターキャピタルのニュース
2022年前半の株式市場は波乱安の展開を強いられている。米国のインフレ進行を背景としたFRB(米連邦準備理事会)による金融引き締め強化が意識されるなか、米長期金利が上昇したことを受けて、年初から高PERのグロース株を中心に大きく値を崩した。さらにロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めたことで世界の金融市場が大混乱に陥り、日経平均株価は3月9日に昨年末比14.3%安の2万4681円まで急落した。その後はいったん落ち着きを取り戻したものの、米金融政策の転換や中国での新型コロナウイルス感染拡大などが警戒され、4月に入ってから再び値動きの荒い乱調相場が続いている。
ここでは、全体相場が波乱展開を余儀なくされているにもかかわらず、今年前半に株価が大きく値上がりした銘柄に注目し、上昇率ベスト50を取り上げ、その上昇の主因を記した。なお、今回の急騰株ランキングは、ウクライナ危機で拍車がかかった資源高を背景に、資源関連のETFやETNが50銘柄中11銘柄も入る異例な状況となった。このため、ETFやETNなどは対象から除外し、東証プライム、スタンダード、グロースの3市場に上場する銘柄に限定してランキングを作成した。
値上がり率ランキング上位3社は、値ごろ感から個人マネーを誘導しやすい中低位材料株が並んだ。なかでも目立った材料があったのが中小型液晶パネル世界大手のジャパンディスプレイ <6740> [東証P]だ。従来比4倍の電界効果移動度を持つ酸化物半導体の薄膜トランジスタを実現する回路基板技術の開発に世界で初めて成功したことが好感され、株価は4月5日に約2年4ヵ月ぶりの高値80円まで上昇した。2日終値は昨年末比88.9%高の68円となり、ランキング3位に輝いた。
電気自動車(EV)向け部品などの試作品を手掛ける5位のJMC <5704> [東証G]は、トヨタ自動車 <7203> [東証P]がEVへの注力姿勢を強めるなか、関連銘柄として注目を集め、年明けから3日連続ストップ高と急騰劇を演じた。その後は調整局面に移行したが、2月1日に21年12月期の経常利益予想を2.7倍上方修正、同月14日には22年12月期の大幅増益見通しを打ち出したことで再び人気化し、株価は全体相場に逆行して4月下旬まで強調展開が続いた。
7位に入った遊技機販売大手のフィールズ <2767> [東証P]は非開示だった22年3月期業績の大幅黒字転換と配当倍増方針を3月22日に発表したことが大きなサプライズを呼んだ。また、「メタバース推進協議会」の発足で メタバースが脚光を浴びた4月中旬には関連銘柄として大幅高に買われる場面もあった。協業体制にあるNTTドコモとのメタバース空間での取り組みに期待が高まった格好だ。
メタバースやNFT(非代替性トークン)は株式テーマとして注目度が高く、関連材料が出ると株価が急騰するケースが目立った。これに関連する銘柄では、2月に「メタバース専門部隊」を立ち上げたカヤック <3904> [東証G]が39位に、NFTアートに傾注している大手オークション会社のShinwa Wise Holdings <2437> [東証S]が46位にそれぞれランクインしている。
冒頭でも触れたが、選出リストには資源高の恩恵を受けることが期待される銘柄が多く入った。フェロニッケル国内首位の大平洋金属 <5541> [東証P]、チタン大手の大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> [東証P]と東邦チタニウム <5727> [東証P]、石油・天然ガス開発トップのINPEX <1605> [東証P]がリスト入りを果たしている。38位のコスモエネルギーホールディングス <5021> [東証P]は旧村上ファンド系投資会社のシティインデックスイレブンスが大株主に浮上したことも材料視された。
続いて、値上がり率ランキングの常連である好業績銘柄を見ていく。8位のアルマード <4932> [東証S]は2月14日に4期ぶり復配と自社株買いの実施を発表。好決算に加えて、積極的な株主還元姿勢が大きく評価された。12位のアピリッツ <4174> [東証S]は1月に前期業績を大幅上方修正し、3月には今期業績の最高益見通しと増配予想を発表。さらに4月にWeb接客ツール「Branch Pop」の提供を開始したことが評価材料となり、株価は4月13日に昨年末比2.3倍の1331円まで上値を伸ばしている。
今回のランキングでは、高成長が期待される中小型株のリスト入りが少なかった。米国の長期金利上昇を背景に、高PER銘柄に対する売り圧力が強く、マザーズ指数は昨年末と比べ3割も下落している。米国が金融政策の引き締めに舵を切るなか、高成長のグロース株への逆風はしばらく続くみられる。こうしたなかでも、連休明けにピークを迎える決算発表で業績動向はしっかりとチェックしておきたいところだ。
●今年前半の株価上昇率ランキング【ベスト50】
※5月2日終値の12月30日終値に対する上昇率
(株式分割などを考慮した修正株価で算出)
―― 対象銘柄数:3772銘柄 ――
銘柄名 市場 上昇率(%) 株価 個別ニュース/決算速報/テーマ
1. <2776> 新都HD 東証S 179 176
2. <8139> ナガホリ 東証S 151 597
3. <6740> Jディスプレ 東証P 88.9 68 従来比4倍の電界効果移動度を持つ酸化物半導体TFTを実現 (03/30)
4. <4235> UFHD 東証S 88.1 3590 前期最終が上振れ着地・今期は12%増益、前期配当を2円増額・今期は6円増配へ (02/14)
5. <5704> JMC 東証G 81.7 852 トヨタ効果波及でEV関連の一角として急浮上 (01/05)
6. <5541> 大平金 東証P 73.9 3705 ニッケル価格の大幅上昇が手掛かりに (03/24)
7. <2767> フィールズ 東証P 73.8 888 今3月期大幅黒字転換で配当倍増もサプライズに (03/23)
8. <4932> アルマード 東証S 71.2 1015 4期ぶりの復配と自社株買い発表を好感 (02/15)
9. <7381> 北国FHD 東証P 70.8 4355 上限9%の自社株買いや株主還元方針を好感 (04/28)
10. <6916> アイオデータ 東証S 69.5 1298 1株1300円でMBO実施 (02/10)
11. <7014> 名村造 東証S 69.4 354 4-12月期(3Q累計)経常が赤字縮小で着地・10-12月期は黒字浮上 (02/14)
12. <4174> アピリッツ 東証S 69.4 1001 Web接客ツール『Branch Pop』の提供を開始 (04/04)
13. <6016> ジャパンエン 東証S 69.3 1558 UEC42LSH型機関の国内外受注が50台を超える見通し (04/13)
14. <3094> スーパーV 東証S 68.9 971 ディスカウントストア運営のロピアHDが第2位株主に (02/14)
15. <5726> 大阪チタ 東証P 68.9 1334 チタン価格高騰で思惑呼び踏み上げ相場の素地も (04/14)
16. <9827> リリカラ 東証S 68.4 298 業績急拡大で目を見張る増配発表に視線集中 (02/14)
17. <7011> 三菱重 東証P 66.9 4437 “リアル防衛関連”として強さ発揮 (04/12)
18. <3936> GW 東証G 66.3 504 4-12月期(3Q累計)経常は黒字浮上・通期計画を超過 (02/10)
19. <7066> ピアズ 東証G 64.7 942 子会社がフードデリバリーサービス一括管理システムの提供開始 (04/06)
20. <3990> UUUM 東証G 64.1 1316 22年5月期上方修正で営業利益は一転増益の公算大 (04/15)
21. <4393> バンクオブイ 東証G 63.1 2788 新作大型RPG「メメントモリ」事前登録者数が20万人突破 (03/03)
22. <6175> ネットマーケ 東証S 60.4 672 上期経常が24%増益で着地・10-12月期も53%増益 (02/10)
23. <5727> 邦チタ 東証P 58.3 1496 チタン価格高騰で思惑呼び踏み上げ相場の素地も (04/14)
24. <2178> トライSTG 東証G 57.5 564 TOB価格は565円 (04/12)
25. <1890> 東洋建 東証P 57.1 913 任天堂創業家が1株1000円で買収提案 (04/25)
26. <9086> 日立物流 東証P 56.7 8460 日立が同社株の売却方針を固めたと報じられる (04/22)
27. <5387> チヨダウーテ 東証S 55.8 603 独建材大手が1株605円でTOB実施 (04/26)
28. <2159> フルスピード 東証S 54.1 550 フリービットが1株551円でTOBへ (04/12)
29. <9501> 東電HD 東証P 53.5 456 原発再稼働への期待で電力株に買い優勢 (04/11)
30. <1605> INPEX 東証P 52.1 1524 WTI大幅上昇で買い優勢に (04/13)
31. <1963> 日揮HD 東証P 50.8 1449 LNGプラント建設需要拡大で物色機運 (03/11)
32. <4498> サイバトラス 東証G 49.7 4745 23年3月期の営業利益予想15.1%増、前期実績は会社計画上回る (04/28)
33. <4481> ベース 東証P 49.4 6410 今期経常は20%増で5期連続最高益、5円増配へ (02/14)
34. <3482> ロードスター 東証P 48.9 1498 本日から東証1部に市場変更 (03/18)
35. <9766> コナミHD 東証P 47.6 8150 コロナ禍からの回復進み21年4~12月期増収増益 (02/04)
36. <7128> フルマルHD 東証P 45.6 3470 今期経常は2.3倍増益、前期配当を2円増額・今期は77円増配へ (02/14)
37. <7879> ノダ 東証S 44.0 1305 合板製品価格が大幅に上昇し第1四半期営業利益は2.1倍 (04/11)
38. <5021> コスモHD 東証P 43.2 3220 旧村上ファンド系投資会社が大株主に浮上 (04/06)
39. <3904> カヤック 東証G 42.5 956 メタバース・AI・NFTに積極展開 (04/06)
40. <1352> ホウスイ 東証S 42.2 1217 中央魚が完全子会社化目指しTOB実施 (03/01)
41. <3187> サンワカンパ 東証G 41.7 598 10-12月期(1Q)経常は黒字浮上で着地 (02/14)
42. <6553> ソウルド 東証P 40.6 1805 人工知能関連
43. <2721> JHD 東証S 40.5 267 今期最終は黒字浮上へ (02/18)
44. <9119> 飯野海 東証P 39.7 763 ドライバルク船市況高く22年3月期業績予想を上方修正 (02/08)
45. <9130> 共栄タ 東証S 39.7 1190 PBR0.5倍で良好な株式需給に着目した買い流入 (02/17)
46. <2437> シンワワイズ 東証S 39.1 477 高額美術品落札で約6億円の取扱手数料を計上 (04/01)
47. <7898> ウッドワン 東証S 38.7 1426 今期経常を33%上方修正 (02/04)
48. <7769> リズム 東証P 38.0 1782 今期経常を54%上方修正 (02/10)
49. <6495> 宮入バ 東証S 37.9 142 値上げ効果で22年3月期業績は計画上振れ (04/19)
50. <2438> アスカネット 東証G 37.6 1057 フォトブック事業堅調で22年4月期業績予想を上方修正 (03/08)
★4月29日~5月5日に「ゴールデンウイーク特集」などを一挙、“42本”配信します。ご期待ください。
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