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プロパティエージェントのニュース
*12:56JST プロパティAG Research Memo(6):顔認証プラットフォーム「FreeiD」を中心に拡大を目指す
■中長期の成長戦略
プロパティエージェント<3464>では、2030年までにDX支援のリーディングカンパニーになることを目標に掲げている。DX不動産事業においては、旧態依然の紙面・対面中心の業務フローの電子化・オンライン化や顧客物件情報の一元管理及びシステムによるKPI管理により、管理工数を割くことなく生産性の向上を実現している。DX推進事業においては、DX不動産事業を通じて確立したDXノウハウをコアコンピタンスとして、様々な業種業態の企業の生産性向上を支援している。多種多様な業種・業態に向けたコンサルティングから、システム要件定義・システム開発まで完全テーラーメイド型で実施しており、支援実績会社数も順調に増加している。
また、飛躍的な成長に向けて、M&Aについても機動的に検討し積極的に推進する方針だ。M&Aの対象企業に関しては、取得価額がEBITDAの5倍以内であることを基本とし、ITエンジニアやノウハウを有しているものの、経営戦略やマーケティングなど、開発以外の経営ノウハウに弱みのある企業をターゲットとしている。同社ではM&A仲介会社を利用しないリファラルM&Aを積極的に活用しており、取得費用を抑えた効率的なM&Aによる成長加速を実現している。今後もパートナーシップを広げながら対象企業を検討する方針だ。
また、同社の成長ドライバーの1つである顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」については、マンションやオフィスの導入だけに留まらず、様々な業種業態の企業からの依頼が増加している。今後は、認証方法を統合管理することでユーザーへの利便性と付加価値提供を最大化し、入退・本人確認・決済を通じたポイントの付与やクーポンの発行を可能とするマーケティングプラットフォームへの進化を進め、最終的にはスマートシティソリューションとすることを目指す。
1. 持株会社体制への移行
同社は2023年5月24日に、持株会社体制へ移行することを公表した。同社は、2023年10月2日を期日として単独株式移転により純粋持株会社ミガロホールディングス(株)を設立する。同社は「DXと不動産で価値を創造する企業グループ」をコンセプトに、近年では特にDX領域に注力して事業を展開してきた。DXにより徹底的に効率化された不動産事業と、DXをビジネスとして展開するデジタル関連事業という特徴の異なる事業体を構えるグループ構成とする。持株会社体制へ移行することにより、グループ各社の自律的経営や経営者人材の育成などの取り組みが可能となり、経営戦略機能の強化やグループ間シナジーの創出といった一層の経営効率化を図るとしている。
同社はミガロホールディングスの完全子会社となる。現在同社の子会社となっている各社については、事業特性・経営責任・資本関係等を総合的に勘案し、2023年10月中に現物分配の手法により持株会社の傘下に置き、DX不動産事業とDX推進事業が並列となる戦略的再編を実施する予定だ。これにより、不動産事業のためのDX推進関連子会社という位置付けから、DX不動産事業とDX推進事業がそれぞれ主力事業として並列運営していくという姿勢が対外的にも明確となった。両事業は経営環境がそれぞれに異なるが、持株会社体制への移行により一層の経営効率化が図られ、スピード感のある成長と企業価値の向上が期待できると弊社では見ている。
2. DX銘柄2023に選定
同社は2023年5月31日に、経済産業省と東証が共同で選定する「DX銘柄2023」に初選定されたことを公表した。「DX銘柄2023」は、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を対象として選定されている。同社では、顔認証システム「FreeiD」により、様々なIDや認証方法が乱立し分断されたサービスを統合し、入退室・決済・本人確認・交通機関利用・ポイント利用などが手ぶらで実現可能となるプラットフォームを提供している。これにより、「居住空間」だけではなく、「日常空間」から「非日常」に至る様々な場面において顔認証が利用可能となるスマートシティの実現を目指している。「DX銘柄2023」には32社が選定されているが、時価総額・企業規模の観点や業績規模から見ても大手企業が中心となっている。そのなかで同社が選定された要因は、スマートシティ構想の独自性が高く評価された点が大きいと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
<AS>
プロパティエージェント<3464>では、2030年までにDX支援のリーディングカンパニーになることを目標に掲げている。DX不動産事業においては、旧態依然の紙面・対面中心の業務フローの電子化・オンライン化や顧客物件情報の一元管理及びシステムによるKPI管理により、管理工数を割くことなく生産性の向上を実現している。DX推進事業においては、DX不動産事業を通じて確立したDXノウハウをコアコンピタンスとして、様々な業種業態の企業の生産性向上を支援している。多種多様な業種・業態に向けたコンサルティングから、システム要件定義・システム開発まで完全テーラーメイド型で実施しており、支援実績会社数も順調に増加している。
また、飛躍的な成長に向けて、M&Aについても機動的に検討し積極的に推進する方針だ。M&Aの対象企業に関しては、取得価額がEBITDAの5倍以内であることを基本とし、ITエンジニアやノウハウを有しているものの、経営戦略やマーケティングなど、開発以外の経営ノウハウに弱みのある企業をターゲットとしている。同社ではM&A仲介会社を利用しないリファラルM&Aを積極的に活用しており、取得費用を抑えた効率的なM&Aによる成長加速を実現している。今後もパートナーシップを広げながら対象企業を検討する方針だ。
また、同社の成長ドライバーの1つである顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」については、マンションやオフィスの導入だけに留まらず、様々な業種業態の企業からの依頼が増加している。今後は、認証方法を統合管理することでユーザーへの利便性と付加価値提供を最大化し、入退・本人確認・決済を通じたポイントの付与やクーポンの発行を可能とするマーケティングプラットフォームへの進化を進め、最終的にはスマートシティソリューションとすることを目指す。
1. 持株会社体制への移行
同社は2023年5月24日に、持株会社体制へ移行することを公表した。同社は、2023年10月2日を期日として単独株式移転により純粋持株会社ミガロホールディングス(株)を設立する。同社は「DXと不動産で価値を創造する企業グループ」をコンセプトに、近年では特にDX領域に注力して事業を展開してきた。DXにより徹底的に効率化された不動産事業と、DXをビジネスとして展開するデジタル関連事業という特徴の異なる事業体を構えるグループ構成とする。持株会社体制へ移行することにより、グループ各社の自律的経営や経営者人材の育成などの取り組みが可能となり、経営戦略機能の強化やグループ間シナジーの創出といった一層の経営効率化を図るとしている。
同社はミガロホールディングスの完全子会社となる。現在同社の子会社となっている各社については、事業特性・経営責任・資本関係等を総合的に勘案し、2023年10月中に現物分配の手法により持株会社の傘下に置き、DX不動産事業とDX推進事業が並列となる戦略的再編を実施する予定だ。これにより、不動産事業のためのDX推進関連子会社という位置付けから、DX不動産事業とDX推進事業がそれぞれ主力事業として並列運営していくという姿勢が対外的にも明確となった。両事業は経営環境がそれぞれに異なるが、持株会社体制への移行により一層の経営効率化が図られ、スピード感のある成長と企業価値の向上が期待できると弊社では見ている。
2. DX銘柄2023に選定
同社は2023年5月31日に、経済産業省と東証が共同で選定する「DX銘柄2023」に初選定されたことを公表した。「DX銘柄2023」は、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を対象として選定されている。同社では、顔認証システム「FreeiD」により、様々なIDや認証方法が乱立し分断されたサービスを統合し、入退室・決済・本人確認・交通機関利用・ポイント利用などが手ぶらで実現可能となるプラットフォームを提供している。これにより、「居住空間」だけではなく、「日常空間」から「非日常」に至る様々な場面において顔認証が利用可能となるスマートシティの実現を目指している。「DX銘柄2023」には32社が選定されているが、時価総額・企業規模の観点や業績規模から見ても大手企業が中心となっている。そのなかで同社が選定された要因は、スマートシティ構想の独自性が高く評価された点が大きいと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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