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サムティ・レジデンシャル投資法人のニュース
■要約
1. 会社概要
サムティ<3244>は、関西圏及び首都圏を中心として全国に展開している総合不動産会社である。不動産事業(不動産ファンド向け大型賃貸マンションやホテルの開発及び販売等)と不動産賃貸事業(賃貸マンションの保有等)を両輪とし、ホテル事業なども手掛けている。不動産賃貸事業による安定収入と不動産事業による成長加速のバランスにより事業環境の変化に柔軟に対応できるところに特長があり、大きな金融危機を乗り越えながら持続的な成長を実現してきた。また、両事業の組み合わせによる一気通貫型のビジネスモデルにも優位性があり、ここ数年高い成長を続けている。営業エリアの拡大とともに、2015年6月にはJ-REIT事業にも進出※、更なる事業拡大に向けてビジネスモデルの基礎固めが完了した。
※2015 年3 月に設立したサムティ・レジデンシャル投資法人<3459>(以下、SRR)を東証J-REIT に上場。
今期からは新たな経営体制のもと、新中期経営計画「サムティ強靭化計画」(3ヶ年)を推進。また、2019年5月には大和証券グループと資本業務提携を締結した。大和証券グループの信用力などを取り込むことにより、新たなステージへの飛躍を目指す。
2. 2019年11月期上期の業績
2019年11月期上期の業績は、売上高が前年同期比3.3%増の47,827百万円、営業利益が同53.0%増の13,941百万円と増収増益となり、過去最高業績(上期ベース)を更新した。好調な不動産市況を追い風として「不動産事業」が順調に拡大。特に、都内を中心に外資系ファンド等からの投資需要が強い「S-RESIDENCE」シリーズのほか、新たに注力しているホテルなど、自社開発物件の販売が好調であった。また、ホテルの新規開業等に伴う収入増により、「その他の事業」も大きく拡大した。利益面では、販売価格の上振れやホテルなど利益率の高い開発物件の売却により大幅な増益を実現。また、今後の成長につながる仕入れの状況(及び開発パイプライン)についても、順調に進捗している。
3. 2019年11月期の業績予想
2019年11月期の業績予想について同社は、上期の進捗等を踏まえ、各段階利益を増額修正した。修正後の業績予想として、売上高を前期比2.0%増の86,000百万円、営業利益を同14.0%増の16,000百万円(修正幅+1,000百万円)と見込んでいる。売上高は、「不動産事業」及び「不動産賃貸事業」がおおむね横ばいで推移する一方、「その他の事業」がホテル事業の拡大により増収に寄与する見通しである。特に、利益予想を増額修正したのは、上期において自社開発ホテルなど利益率の高い物件を売却したことが理由である。弊社でも、上期実績のほか、好調な外部環境(不動産市況)や内部要因(パイプラインの状況やホテル事業の順調な立ち上がり等)を勘案すると、同社の業績予想の達成は十分に可能であるとみている。
4. 成長戦略
同社は、2016年11月期から2020年11月期までの中長期経営計画(5ヶ年)を2期前倒しで達成したことから、今期からは2021年11月期を最終年度とする新中期経営計画「サムティ強靭化計画」を推進している。重点戦略には、1) SRRを中心としたビジネスモデルの展開(フィー収入ビジネスの強化)、2) 地方大都市圏における戦略的投資(営業エリアの拡大)、3) ホテル開発・オフィス開発事業の展開を掲げており、方向性に大きな変更はない。ポイントと言えるのは、将来的な調整局面に備えるため、バランスシート重視の経営をより強く打ち出しているところであり、賃貸キャッシュ・フローを中心とした財務基盤の強化を最大のテーマに置いている。自己資本比率30%以上を維持しつつ、営業利益200億円水準、ROE15.0%水準、ROA7.0%水準を目指していく。今回の大和証券グループとの資本業務提携がどのような成果を生み出していくのかに注目したい。
■Key Points
・2019年11月期上期は増収増益となり、通期予想に対しても順調な進捗
・2019年11月期の通期予想(利益予想のみ)を増額修正。引き続き、増収増益を見込む
・2019年5月には大和証券グループとの資本業務提携を締結
・今期から新中期経営計画をスタート。よりバランスシートを重視した経営への転換により、自己資本比率30%以上を維持しつつ、生産性や資本効率性の向上による利益成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 会社概要
サムティ<3244>は、関西圏及び首都圏を中心として全国に展開している総合不動産会社である。不動産事業(不動産ファンド向け大型賃貸マンションやホテルの開発及び販売等)と不動産賃貸事業(賃貸マンションの保有等)を両輪とし、ホテル事業なども手掛けている。不動産賃貸事業による安定収入と不動産事業による成長加速のバランスにより事業環境の変化に柔軟に対応できるところに特長があり、大きな金融危機を乗り越えながら持続的な成長を実現してきた。また、両事業の組み合わせによる一気通貫型のビジネスモデルにも優位性があり、ここ数年高い成長を続けている。営業エリアの拡大とともに、2015年6月にはJ-REIT事業にも進出※、更なる事業拡大に向けてビジネスモデルの基礎固めが完了した。
※2015 年3 月に設立したサムティ・レジデンシャル投資法人<3459>(以下、SRR)を東証J-REIT に上場。
今期からは新たな経営体制のもと、新中期経営計画「サムティ強靭化計画」(3ヶ年)を推進。また、2019年5月には大和証券グループと資本業務提携を締結した。大和証券グループの信用力などを取り込むことにより、新たなステージへの飛躍を目指す。
2. 2019年11月期上期の業績
2019年11月期上期の業績は、売上高が前年同期比3.3%増の47,827百万円、営業利益が同53.0%増の13,941百万円と増収増益となり、過去最高業績(上期ベース)を更新した。好調な不動産市況を追い風として「不動産事業」が順調に拡大。特に、都内を中心に外資系ファンド等からの投資需要が強い「S-RESIDENCE」シリーズのほか、新たに注力しているホテルなど、自社開発物件の販売が好調であった。また、ホテルの新規開業等に伴う収入増により、「その他の事業」も大きく拡大した。利益面では、販売価格の上振れやホテルなど利益率の高い開発物件の売却により大幅な増益を実現。また、今後の成長につながる仕入れの状況(及び開発パイプライン)についても、順調に進捗している。
3. 2019年11月期の業績予想
2019年11月期の業績予想について同社は、上期の進捗等を踏まえ、各段階利益を増額修正した。修正後の業績予想として、売上高を前期比2.0%増の86,000百万円、営業利益を同14.0%増の16,000百万円(修正幅+1,000百万円)と見込んでいる。売上高は、「不動産事業」及び「不動産賃貸事業」がおおむね横ばいで推移する一方、「その他の事業」がホテル事業の拡大により増収に寄与する見通しである。特に、利益予想を増額修正したのは、上期において自社開発ホテルなど利益率の高い物件を売却したことが理由である。弊社でも、上期実績のほか、好調な外部環境(不動産市況)や内部要因(パイプラインの状況やホテル事業の順調な立ち上がり等)を勘案すると、同社の業績予想の達成は十分に可能であるとみている。
4. 成長戦略
同社は、2016年11月期から2020年11月期までの中長期経営計画(5ヶ年)を2期前倒しで達成したことから、今期からは2021年11月期を最終年度とする新中期経営計画「サムティ強靭化計画」を推進している。重点戦略には、1) SRRを中心としたビジネスモデルの展開(フィー収入ビジネスの強化)、2) 地方大都市圏における戦略的投資(営業エリアの拡大)、3) ホテル開発・オフィス開発事業の展開を掲げており、方向性に大きな変更はない。ポイントと言えるのは、将来的な調整局面に備えるため、バランスシート重視の経営をより強く打ち出しているところであり、賃貸キャッシュ・フローを中心とした財務基盤の強化を最大のテーマに置いている。自己資本比率30%以上を維持しつつ、営業利益200億円水準、ROE15.0%水準、ROA7.0%水準を目指していく。今回の大和証券グループとの資本業務提携がどのような成果を生み出していくのかに注目したい。
■Key Points
・2019年11月期上期は増収増益となり、通期予想に対しても順調な進捗
・2019年11月期の通期予想(利益予想のみ)を増額修正。引き続き、増収増益を見込む
・2019年5月には大和証券グループとの資本業務提携を締結
・今期から新中期経営計画をスタート。よりバランスシートを重視した経営への転換により、自己資本比率30%以上を維持しつつ、生産性や資本効率性の向上による利益成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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