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AndDo Research Memo(3):成長強化事業への積極的な投資を継続することでさらなる収益拡大を目指す(1)

配信元:フィスコ
投稿:2023/09/14 12:03
*12:03JST AndDo Research Memo(3):成長強化事業への積極的な投資を継続することでさらなる収益拡大を目指す(1) ■事業概要

1. 事業セグメント別売上高及び利益構成
2023年6月期の連結売上高49,552百万円のうち、セグメント別内訳はフランチャイズ事業が6.4%、ハウス・リースバック事業が44.4%、金融事業が1.0%、不動産売買事業が39.6%、不動産流通事業が3.6%、リフォーム事業が5.0%であった。また、成長強化事業のうち、フランチャイズ事業の利益構成比は25.8%、ハウス・リースバック事業は40.9%と2本柱を形成している(分母となる利益額は調整額控除前の数値を採用)。先述の通りAnd Doホールディングス<3457>は、不動産売買事業において回転率の良い中古買取再販事業に注力する方針も掲げている。その方針のもと、中長期的には不動産売買事業の利益構成比も高まっていくことが想定される(2023年6月期の利益構成比は22.4%)。一方、金融事業に含まれるリバースモーゲージ保証事業は、同社の業界内での優位性と機能を十分に発揮でき、資金面での制約を受けないことから、第三の柱として育成すべく、注力している。

なお、同社は、持株会社体制への移行に伴い事業セグメントを見直した。2022年6月期第3四半期より「小山建設グループ」の不動産売買業を「不動産売買事業」に、不動産売買仲介業を「不動産流通事業」に、賃貸管理・仲介業を「ハウス・リースバック事業」に振り分けている。

2. 成長強化事業
(1) フランチャイズ事業
2023年6月期におけるフランチャイズ事業の累計加盟店舗数は692店舗、累計開店店舗数は623店舗となった。このうち、累計加盟店舗数の内訳は、FC加盟店が659店舗、直営店が33店舗であった。FC加盟店は、不動産売買仲介に特化したフランチャイズ事業「ハウスドゥ」の売買仲介店が564店舗、買取専門店が81店舗、住宅情報モールが3店舗、不動産賃貸仲介「RENT Do(レントドゥ)」が11店舗となっている。一方で直営店は、サテライト店が8店舗、買取専門店19店舗、住宅情報モール2店舗、「RENT Do」4店舗となる。このほかにリフォームショールームを1店舗展開している。

a) 加盟店舗
2023年6月期末の累計加盟店舗数は前期末比9店舗増の692店舗となった。長引くコロナ禍で業績が悪化した不動産以外の異業種を母体とする加盟企業の退会等が影響し、2022年6月期は累計加盟店舗数が減少したものの、当初の予想どおり減少は短期的であり、2023年6月期は前期末比で純増となった。2023年5月から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に変更され経済・社会活動がますます回復してくる中、足元では新規加入店舗数が順調に増加している状況である。2024年6月期以降は、コロナ禍以前の増加ペース(年間50~70店舗)への回帰を目指す。

b) フランチャイズ事業の収益構造
フランチャイズ事業は高収益で安定的な成長が見込めるストック型ビジネスである。2023年6月期の売上高営業利益率は63.9%であり、高水準を維持している。また、売上構成比は加盟金15.0%、月会費25.8%、システム料14.9%、広告分担金28.3%、備品売上5.7%、その他10.3%であった。広告分担金の割合が高いが、これは2013年より元 プロ野球選手・監督で現 解説者の古田敦也氏(ふるたあつや)をイメージキャラクターに起用したブランド戦略を展開するなど、集合的な広告宣伝への使用を目的に費用を分担していることによる。コロナ禍から経済社会活動が再開し、事業環境の好転が見込まれる中、今後も積極的にプロモーションを実施し、店舗純増ペースを回復させる方針だ。

c) 地域別展開
2023年6月期末の累計加盟店舗692店舗のうち、地域別では東海地域が182店舗(構成比26.3%)と最も多く、関東地域が143店舗(同20.7%)、創業地である近畿地域が113店舗(同16.3%)と続く。不動産仲介業は景気に左右されず、コロナ禍の影響も小さいこともあり、加盟店のさらなる拡大が見込めることから、同社は出店余地が大きい首都圏を重点的に開拓する方針を掲げている。実際、2023年6月期の関東地域の累計加盟店舗数は前期末比13店舗増と順調に拡大している。

(2) 高齢者の資金需要に対応する「不動産×金融」サービス
高齢者は「住宅」という資産を所有しているものの、収入と支出が低水準に留まっている。高齢者の持家率は60代以上が88.2%(70~74歳は88.9%、75~79歳は84.8%、80歳以上は91.4%)と極めて高い※。一方で、公的年金以外にも老後資金として2,000万円が必要との試算が出ているものの、高齢者の平均貯蓄額は2,284万円、中央値は1,515万円と、60%以上で貯蓄が2,000万円未満となっている。同社は、不動産ストックの流動化により資産を資金化することで市場に還流させ、経済活性化の一翼を担うことを目的として、高齢者の資金需要に対応する「不動産×金融」サービスを提供している。このサービスにより高齢者は、自宅に住みながら老後の生活資金を得ることで、資金面で老後のQOLを向上できる。

※出所:内閣府「令和元年版高齢社会白書」


これらの高齢社会の問題に対し、同社は複数のソリューションビジネスを展開している。2013年10月には自宅を売却した後も住み続けられるハウス・リースバック事業を他社に先駆けて開始し、2016年7月には一時的な資金ニーズはあるものの自宅を売却するほどの金額を必要としない人向けに「不動産担保融資」を、2017年10月には地域の金融機関と提携して自宅を担保に融資を受けられる「リバースモーゲージ保証事業」を開始した。これらの幅広い商品ラインナップにより、多様な顧客のニーズに応えている。

a) ハウス・リースバック事業
ハウス・リースバック事業は、同社が住宅を買い取り、売主とリース(賃貸)契約を結ぶスキームである。持ち主は自宅を売却して資金を得た後も、愛着のある住居や地域で住み続けられるほか、資金の使途、年齢、収入、対象者、対象物件に制限がないうえ、住居の賃貸契約に保証人も不要である。同社は地域密着型の店舗網を展開していることに加え、不動産の査定や不動産売買、金融サービスのノウハウを有していることから、ハウス・リースバックに必要な機能をすべて自社の経営リソースでカバーできることが強みである。

ハウス・リースバック事業は、買取時の事務手数料、毎月の家賃収入、売却時のキャピタルゲインと3種類の収益機会がある。物件は顧客から直接取得し、仕入額の約3%が買取時の事務手数料となる。取得翌月からは毎月家賃としてインカムゲインが発生し、年間で仕入額の約8%程度がリターンとして入る。売却時には、諸費用及び手数料別途で仕入額の15%程度のキャピタルゲインが発生する。

ハウス・リースバック事業は従来、先行投資負担が大きく、財務状況を勘案しながら事業展開する必要があったが、2018年6月期より、収益拡大と保有資産の効率的活用及び財務の健全化のため、HLBファンドへの譲渡によるハウス・リースバック資産の流動化を実施している。HLBファンドからの利益分配は匿名組合投資利益という形で営業外収益として計上されており、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の拡大に寄与している。2023年6月期には、HLBファンド14号への譲渡として過去最高となる48.8億円を実施した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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配信元: フィスコ
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