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デリカフーズホールディングスのニュース
*12:17JST デリカフHD Research Memo(7):長期売上目標1,000億円の達成に向け新たな成長戦略を始動(1)
■デリカフーズホールディングス<3392>の今後の見通し
2. 第5次中期経営計画
(1) 前中期経営計画の振り返り
2022年3月期からスタートした第4次中期経営計画「Transformation 2024」(2022年3月期~2024年3月期)では、コロナ禍で大きく変化した市場環境下で新たな生活様式に対応するため、重点施策として「事業ポートフォリオの変革」「青果物流通インフラの構築」「サステナビリティ経営の推進」に取り組み、おおむね当初の目標を達成したと評価される。最終年度となる2024年3月期の業績目標(売上高450億円、経常利益10億円、ROE7.0%)についても、外食業界が想定を上回るペースで回復したことから、すべての項目で目標を超過達成しており、持続的な成長を可能とする経営基盤の構築が進んだものと評価される。
「事業ポートフォリオの変革」では、コロナ禍で大きく落ち込んだ外食業界向けの売上を補完すべく、量販・小売や給食の顧客開拓に注力したほか、新規事業としてミールキットやBtoC事業の育成に取り組んだ。この結果、外食業界向けの売上構成比は2020年3月期の83.3%から69.7%に低下した。当初計画では63.0%を想定していたが、外食需要が予想を上回るペースで回復したことにより、想定をやや上回ることとなった。逆にBtoC事業については当初計画で7.0%を見込んでいたが、巣ごもり需要の一巡などもあり1.0%にとどまった。当初計画とのズレはあったものの、外食業界以外の販売チャネルを拡充できたことで、今後「食」の市場環境に大きな変化が起こったとしても、柔軟に対応できる体制が整ったと言える。また、「青果物流通インフラの構築」ではFSセンターなど事業拠点の全国展開、及び自社物流の強化に取り組んだが、いずれも当初計画に沿ったかたちで構築できたものと弊社では評価している。
「サステナビリティ経営の推進」では、野菜の端材を活用したプラントベースの調味料「ベジブロード」を開発し、大手外食チェーンへの販売を開始、顧客企業で「ベジブロード」を用いた商品を販売している。また、「ベジブロード」を活用した「ごぼうスープ」「大根スープ」などの開発を行い、自社商品として販売を開始している。フードロス削減の取り組みの1つとして導入する企業も増えている。その他、全国5ヶ所の事業所に残渣リサイクルシステムを導入して日々発生する野菜ゴミを堆肥化し、農産物の肥料として活用する循環型の事業活動や省エネ化の取り組みを推進しているほか、人的資本経営の観点から外国籍従業員の活躍推進やキャリア推進プロジェクト、女性活躍推進プロジェクトなどを立ち上げ、多様な人財の育成に取り組んでいる。
(2) 第5次中期経営計画の概要
2025年3月期からスタートする第5次中期経営計画では、「keep on trying 2027」をテーマに掲げ、長期ビジョンの実現に向けてあらゆることに挑戦することで、新たな成長に向けた転換点とする期間と位置付けている。長期ビジョン(10年後のありたい姿)として、1) 野菜の総合加工メーカーとしてのポジションを確立、2) 持続可能な農業の実現、3) 個人の幸福と会社の繁栄の両立を実現、の3点を掲げており、これらを実現することで10年後に売上高1,000億円、経常利益率4〜5%、ROE10〜15%の水準を目指す。
3ヶ年で取り組む基本方針としては、1) 各種ポートフォリオの変革、2) 青果物サプライチェーンの構造変革、3) 研究部門・開発部門への投資拡大に取り組み、最終年度となる2027年3月期の業績目標として、売上高600億円、経常利益18億円、ROE10.2%を設定した。2025年3月期は新工場立ち上げに伴う費用増により減益見込みとなるが、大型投資が一巡し、2026年3月期以降は先行投資の効果が顕在化し、利益成長フェーズに入る見通しだ。売上高については年率4%の成長率と堅実な計画となっている。EBITDAベースでは年率10%弱の増益ペースとなっており、実現性の高い計画になっているものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
2. 第5次中期経営計画
(1) 前中期経営計画の振り返り
2022年3月期からスタートした第4次中期経営計画「Transformation 2024」(2022年3月期~2024年3月期)では、コロナ禍で大きく変化した市場環境下で新たな生活様式に対応するため、重点施策として「事業ポートフォリオの変革」「青果物流通インフラの構築」「サステナビリティ経営の推進」に取り組み、おおむね当初の目標を達成したと評価される。最終年度となる2024年3月期の業績目標(売上高450億円、経常利益10億円、ROE7.0%)についても、外食業界が想定を上回るペースで回復したことから、すべての項目で目標を超過達成しており、持続的な成長を可能とする経営基盤の構築が進んだものと評価される。
「事業ポートフォリオの変革」では、コロナ禍で大きく落ち込んだ外食業界向けの売上を補完すべく、量販・小売や給食の顧客開拓に注力したほか、新規事業としてミールキットやBtoC事業の育成に取り組んだ。この結果、外食業界向けの売上構成比は2020年3月期の83.3%から69.7%に低下した。当初計画では63.0%を想定していたが、外食需要が予想を上回るペースで回復したことにより、想定をやや上回ることとなった。逆にBtoC事業については当初計画で7.0%を見込んでいたが、巣ごもり需要の一巡などもあり1.0%にとどまった。当初計画とのズレはあったものの、外食業界以外の販売チャネルを拡充できたことで、今後「食」の市場環境に大きな変化が起こったとしても、柔軟に対応できる体制が整ったと言える。また、「青果物流通インフラの構築」ではFSセンターなど事業拠点の全国展開、及び自社物流の強化に取り組んだが、いずれも当初計画に沿ったかたちで構築できたものと弊社では評価している。
「サステナビリティ経営の推進」では、野菜の端材を活用したプラントベースの調味料「ベジブロード」を開発し、大手外食チェーンへの販売を開始、顧客企業で「ベジブロード」を用いた商品を販売している。また、「ベジブロード」を活用した「ごぼうスープ」「大根スープ」などの開発を行い、自社商品として販売を開始している。フードロス削減の取り組みの1つとして導入する企業も増えている。その他、全国5ヶ所の事業所に残渣リサイクルシステムを導入して日々発生する野菜ゴミを堆肥化し、農産物の肥料として活用する循環型の事業活動や省エネ化の取り組みを推進しているほか、人的資本経営の観点から外国籍従業員の活躍推進やキャリア推進プロジェクト、女性活躍推進プロジェクトなどを立ち上げ、多様な人財の育成に取り組んでいる。
(2) 第5次中期経営計画の概要
2025年3月期からスタートする第5次中期経営計画では、「keep on trying 2027」をテーマに掲げ、長期ビジョンの実現に向けてあらゆることに挑戦することで、新たな成長に向けた転換点とする期間と位置付けている。長期ビジョン(10年後のありたい姿)として、1) 野菜の総合加工メーカーとしてのポジションを確立、2) 持続可能な農業の実現、3) 個人の幸福と会社の繁栄の両立を実現、の3点を掲げており、これらを実現することで10年後に売上高1,000億円、経常利益率4〜5%、ROE10〜15%の水準を目指す。
3ヶ年で取り組む基本方針としては、1) 各種ポートフォリオの変革、2) 青果物サプライチェーンの構造変革、3) 研究部門・開発部門への投資拡大に取り組み、最終年度となる2027年3月期の業績目標として、売上高600億円、経常利益18億円、ROE10.2%を設定した。2025年3月期は新工場立ち上げに伴う費用増により減益見込みとなるが、大型投資が一巡し、2026年3月期以降は先行投資の効果が顕在化し、利益成長フェーズに入る見通しだ。売上高については年率4%の成長率と堅実な計画となっている。EBITDAベースでは年率10%弱の増益ペースとなっており、実現性の高い計画になっているものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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