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レカムのニュース
■今後の成長戦略について
レカム<3323>は2019年9月30日で創立25周年を迎え、新中期経営計画を発表した。2020年9月期決算発表の場では改めてその基本成長戦略などの説明が行われた。以下、その成長戦略の概要を紹介する。
1. グループ経営ビジョン
同社が従来から掲げていた「レカムグループ経営ビジョン」については、特に変更はない。同社は、グループ経営ビジョン「A&A111+」を定めている。これは、Action & Achievement(行動、そして以下の3つの「1」とプラスを達成する)というものだ。3つの「1」とプラスとは、株主にとって投資リターン「No.1」、顧客にとって「オンリー1」、業界で質量ともに「No.1」、従業員にとって最も魅力的な「Best1」企業グループを指す。また、将来的に目指す姿としては、「B to Bソリューションプロバイダーとして世界を代表する企業グループへ」としている。主旨としては、国内市場は長い目で見て成長性で限界があること、「日本」や「専門商社」ということにこだわらず、「B to Bソリューションプロバイダー」という領域で、長期的に様々な可能性を追求するということをイメージしているものと考えられる。またグローバルに戦っていくうえで、M&A・事業提携による成長は必須のものであり、意識的に「企業グループ」という表現にしているものと考えられる。
2. 主要指標
同社は2020年代中に、売上高1,000億円、営業利益100億円、20ヶ国(日本含む海外進出国数)、営業マン人数700名の企業グループを目指すとしている。2021年9月期通期業績予想と比較すると、売上高は約10倍、営業利益では約17倍という急拡大となる。これは長期的な目標であり、特に数値目標としての具体的根拠はない模様であるが、いずれにしてもM&Aを含め積極的な展開が必要だろう。中期経営計画の目標値としては、2022年9月期達成計画として、売上高220億円、営業利益20億円を掲げている。
3. 成長戦略
今回発表した成長戦略としては、1)グローバル戦略商品、2)戦略的パートナーシップ、3)販売チャネルの多様化、4)グローバル人財の育成、の4点を掲げている。
1) グローバル戦略商品
2020年9月期業績のトピックスで述べたとおり、今回グローバル戦略商品の第1弾としてウイルス除去除菌&空気浄化装置「ReSPR」を位置付けている。日本国内で販売するほか、海外8ヶ国での独占販売権を取得している。「ReSPR」は、グローバル市場を一気通貫で世界同時販売することができ、売上高・利益の最大化が可能となっている。今後は、「ReSPR」の拡販で成功を収め、「ReSPR」に次ぐグローバル戦略商品の第2弾、第3弾を開拓し、事業拡大を図る。
2) 戦略的パートナーシップ
上記のグローバル戦略商品を拡販するうえで、現地の有力企業とのアライアンスやM&Aに投資を行う戦略的パートナーシップを活用しつつ、これを積極的に推進する。
3) 販売チャネルの多様化
同社はこれまで、直販営業、フランチャイズ営業、代理店販売の3つのチャネルを展開してきた。今回、新たにEC販売チャネル展開を表明しており、「TMALL(天猫)」での販売やASEANでもEC販売を行う予定。今後は、各国のマーケット特性に対応したチャネル販売を進めるマルチチャネル化の推進を行う。
4) グローバル人財の育成
上記の成長戦略を実行していくうえで重要となるのがグローバル人財の育成である。具体的には、自主選択型ジョブローテーション制度導入、経営幹部の再チャレンジ制度、女性社員の積極活用、など、国籍・性別・年齢に拘らない多種多様な人財を活用する。また、社員1人当たり年間100時間の教育研修を実施し、グループ共通評価報酬制度を導入するといったことなども進める。
また同社は、中期経営計画の目標値(2022年9月期で売上高220億円、営業利益20億円)を達成するための課題として、ストック収益を拡大することとしている。具体的には、1)BPR事業の営業強化、2)定額保守サービスへの取り組み、3)サブスクリプションモデルの確立、の3点を掲げている。しかしながら、これは成長性重視から収益性重視へと方針転換したわけではないようだ。ある程度収益性の見込める戦略商品を選択しながら大きく拡販を進めるということである。同社のグループ経営ビジョンにもあるように、「B to Bソリューションプロバイダーとして世界を代表する企業グループ」を標榜しており、そのためには規模的にも相応のレベルを早期に目指したいという意思があるものと見る。
同社では、これまでに進出を果たした国々での事業と今後の新規事業を4つのステージにポジション分けし、併せて投資・M&Aの基本的戦略を明示している。それによると、投資・M&Aは既存事業と同業であり直接的なシナジーが見込めるものとしている。既に、「Stage1」=現地日系企業へのLED照明販売、「Stage2」=現地日系LED顧客企業へのIT&エネルギーソリューション提供、「Stage3」=IT&エネルギーソリューションを現地欧米系及びローカル企業向けに展開、までは国別に進捗度合いの違いはあるが既に実績として進んでいる。2020年6月に販売を開始したウイルス除去除菌&空気浄化装置「ReSPR」はローカル企業かつB to Bの事業を展開する企業に対し積極的な投資を実行し顧客基盤を獲得していくという「Stage4」の戦略に該当し、同商品の販売が軌道に乗れば、大きなマーケットを手にすることができる。こうした点から、今後の「ReSPR」の販売動向に注目したい。
■情報セキュリティについて
同社グループが進める事業は情報通信分野を中心とする事業で、顧客の個人情報も含めた情報の取り扱いについては厳格な管理が求められる。そのため同社グループは、社内管理組織体制の構築、従業員に対する情報管理やセキュリティ教育など、情報の保護について、施策の実施・維持及びそれらの継続的な改善に取り組んでいる。その一環として、レカムBPOがプライバシーマークを取得し、個人情報取り扱いの安全性を担保している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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レカム<3323>は2019年9月30日で創立25周年を迎え、新中期経営計画を発表した。2020年9月期決算発表の場では改めてその基本成長戦略などの説明が行われた。以下、その成長戦略の概要を紹介する。
1. グループ経営ビジョン
同社が従来から掲げていた「レカムグループ経営ビジョン」については、特に変更はない。同社は、グループ経営ビジョン「A&A111+」を定めている。これは、Action & Achievement(行動、そして以下の3つの「1」とプラスを達成する)というものだ。3つの「1」とプラスとは、株主にとって投資リターン「No.1」、顧客にとって「オンリー1」、業界で質量ともに「No.1」、従業員にとって最も魅力的な「Best1」企業グループを指す。また、将来的に目指す姿としては、「B to Bソリューションプロバイダーとして世界を代表する企業グループへ」としている。主旨としては、国内市場は長い目で見て成長性で限界があること、「日本」や「専門商社」ということにこだわらず、「B to Bソリューションプロバイダー」という領域で、長期的に様々な可能性を追求するということをイメージしているものと考えられる。またグローバルに戦っていくうえで、M&A・事業提携による成長は必須のものであり、意識的に「企業グループ」という表現にしているものと考えられる。
2. 主要指標
同社は2020年代中に、売上高1,000億円、営業利益100億円、20ヶ国(日本含む海外進出国数)、営業マン人数700名の企業グループを目指すとしている。2021年9月期通期業績予想と比較すると、売上高は約10倍、営業利益では約17倍という急拡大となる。これは長期的な目標であり、特に数値目標としての具体的根拠はない模様であるが、いずれにしてもM&Aを含め積極的な展開が必要だろう。中期経営計画の目標値としては、2022年9月期達成計画として、売上高220億円、営業利益20億円を掲げている。
3. 成長戦略
今回発表した成長戦略としては、1)グローバル戦略商品、2)戦略的パートナーシップ、3)販売チャネルの多様化、4)グローバル人財の育成、の4点を掲げている。
1) グローバル戦略商品
2020年9月期業績のトピックスで述べたとおり、今回グローバル戦略商品の第1弾としてウイルス除去除菌&空気浄化装置「ReSPR」を位置付けている。日本国内で販売するほか、海外8ヶ国での独占販売権を取得している。「ReSPR」は、グローバル市場を一気通貫で世界同時販売することができ、売上高・利益の最大化が可能となっている。今後は、「ReSPR」の拡販で成功を収め、「ReSPR」に次ぐグローバル戦略商品の第2弾、第3弾を開拓し、事業拡大を図る。
2) 戦略的パートナーシップ
上記のグローバル戦略商品を拡販するうえで、現地の有力企業とのアライアンスやM&Aに投資を行う戦略的パートナーシップを活用しつつ、これを積極的に推進する。
3) 販売チャネルの多様化
同社はこれまで、直販営業、フランチャイズ営業、代理店販売の3つのチャネルを展開してきた。今回、新たにEC販売チャネル展開を表明しており、「TMALL(天猫)」での販売やASEANでもEC販売を行う予定。今後は、各国のマーケット特性に対応したチャネル販売を進めるマルチチャネル化の推進を行う。
4) グローバル人財の育成
上記の成長戦略を実行していくうえで重要となるのがグローバル人財の育成である。具体的には、自主選択型ジョブローテーション制度導入、経営幹部の再チャレンジ制度、女性社員の積極活用、など、国籍・性別・年齢に拘らない多種多様な人財を活用する。また、社員1人当たり年間100時間の教育研修を実施し、グループ共通評価報酬制度を導入するといったことなども進める。
また同社は、中期経営計画の目標値(2022年9月期で売上高220億円、営業利益20億円)を達成するための課題として、ストック収益を拡大することとしている。具体的には、1)BPR事業の営業強化、2)定額保守サービスへの取り組み、3)サブスクリプションモデルの確立、の3点を掲げている。しかしながら、これは成長性重視から収益性重視へと方針転換したわけではないようだ。ある程度収益性の見込める戦略商品を選択しながら大きく拡販を進めるということである。同社のグループ経営ビジョンにもあるように、「B to Bソリューションプロバイダーとして世界を代表する企業グループ」を標榜しており、そのためには規模的にも相応のレベルを早期に目指したいという意思があるものと見る。
同社では、これまでに進出を果たした国々での事業と今後の新規事業を4つのステージにポジション分けし、併せて投資・M&Aの基本的戦略を明示している。それによると、投資・M&Aは既存事業と同業であり直接的なシナジーが見込めるものとしている。既に、「Stage1」=現地日系企業へのLED照明販売、「Stage2」=現地日系LED顧客企業へのIT&エネルギーソリューション提供、「Stage3」=IT&エネルギーソリューションを現地欧米系及びローカル企業向けに展開、までは国別に進捗度合いの違いはあるが既に実績として進んでいる。2020年6月に販売を開始したウイルス除去除菌&空気浄化装置「ReSPR」はローカル企業かつB to Bの事業を展開する企業に対し積極的な投資を実行し顧客基盤を獲得していくという「Stage4」の戦略に該当し、同商品の販売が軌道に乗れば、大きなマーケットを手にすることができる。こうした点から、今後の「ReSPR」の販売動向に注目したい。
■情報セキュリティについて
同社グループが進める事業は情報通信分野を中心とする事業で、顧客の個人情報も含めた情報の取り扱いについては厳格な管理が求められる。そのため同社グループは、社内管理組織体制の構築、従業員に対する情報管理やセキュリティ教育など、情報の保護について、施策の実施・維持及びそれらの継続的な改善に取り組んでいる。その一環として、レカムBPOがプライバシーマークを取得し、個人情報取り扱いの安全性を担保している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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