東急不動産ホールディングスのニュース
東急不動産、渋谷再開発プロジェクトが順調に着工 18年3月期は増収増益に
2017年3月期決算説明会 業績ハイライト
兼松将興氏:それでは、よろしくお願いいたします。お手元の決算説明会の資料でご説明させていただきます。
17年3月期決算は、営業収益8,085億。営業利益732億。中計目標値でありました営業利益730億・DEレシオ2.6倍を達成することができました。
18年3月期の予算は、営業収益8,400億、営業利益735億と引き続き堅調な市況を背景に増収増益の計画でございます。
17年3月期の主なトピックスは、大型プロジェクトとして、当社が推進する渋谷再開発プロジェクトの道玄坂一丁目・南平台の2プロジェクトと竹芝のプロジェクトが着工し、いずれも開業に向けて、順調なスタートが切れたと思っております。
また、11月には賃貸住宅管理事業における事業機会の拡大を図ることを目的に、学生マンションの管理事業等を行う学生情報センターグループをM&Aにより子会社化いたしました。
2017年3月期決算 主要経営指標
17年3月期決算の概要です。営業収益8,085億。営業利益732億。経常利益636億。当期純利益315億と、対前期対予想ともに減収増益となりました。
セグメント別実績
セグメント別の増減でございます。上段が営業収益、下段が営業利益となっております。
営業収益は都市で投資家向けのビル等売却収益の減少。また住宅も前期に土地の一括売却があったこと等から減収となり、トータルで対前期70億円の減収となっています。
営業利益につきましては、住宅において分譲マンションの粗利率の改善により増益となったことに加えて、仲介およびウェルネスが好調に推移したこと等から、対前期45億の増益です。
期末BS
バランスシートの概要です。17年3月末の総資産は2兆672億。前期末から828億の増加です。販売用不動産の増加や、学生情報センターの株式取得に伴うのれんの増加等によるものです。
有利子負債は1兆1,379億。対前期末318億の増加。DEレシオは2.6倍となり、前期末と同水準です。
なお、コメント欄に記載のとおり、2017年3月末の賃貸不動産の時価評価につきましては、含み益やキャップレートの改善等により、前期末1,008億から1,310億まで拡大しております。
キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フローの状況です。17年3月期は営業活動による資金増加689億と、財務活動による資金増加230億を固定資産取得や、子会社株取得といった投資活動に充当いたしまして、現金等の期末残高619億となっています。
2018年3月期 業績予想
18年3月期の業績予想です。営業収益8,400億。営業利益735億。経常利益640億。当期純利益345億。対前期、増収増益の計画といたしました。営業収益および当期純利益につきましては、過去最高値の計画です。
セグメント別業績予想
セグメント別の増減予想です。
営業収益は住宅や管理、仲介を中心に315億の増収の計画。営業利益は、住宅、ウェルネス、ハンズで減益の計画ですが、都市、管理、仲介でカバーをし、全体としては対前期3億増益の計画です。
都市事業① 2017年3月期実績・2018年3月期予想
これよりセグメント別にご説明をさせていただきます。最初に都市セグメントです。上段が17年3月期の実績。下段が18年3月期の予想となります。
実績は対前期97億の減収。1億の増益となりました。減収の要因は、備考欄記載のとおり、投資家向けのビル等売却収益が249億減収となったことが要因です。
一方、営業利益につきましては、投資家向けのビル等売却益が減少したことによる減益があったものの、前期に開業した東急プラザ銀座等の稼働による寄与。既存物件の賃貸収益の改善等により増益となりました。
下段の予想は45億の増収、25億の増益の計画です。
投資家向けのビルと売却収益の減収がありますが、前期にM&Aにより取得した学生情報センターの通期寄与等により増収。投資家向けビル等売却益の増加、既存ビルの改善等により増益の計画です。
都市事業② 空室率・賃料の推移
空室率、賃料の推移でございます。
赤色の折れ線グラフが空室率ですが、既存物件でのテナント入れ替えの影響等により、17年3月末は2.0パーセントです。12月末0.8パーセントから上昇いたしましたが、引き続き低水準を維持しております。
棒グラフのオフィスの平均賃料につきましては、3月末で月坪あたり2万4,210円と、既存ビルの値上げが進捗したこと等もあり着実に上昇しております。
都市事業③ 主要プロジェクト
新規開業物件です。16年度につきましては、9月に六本木に所在する商業ビル、アクソール六本木を棚卸資産として取得いたしました。17年度は5プロジェクトの開業があります。
銀座一丁目計画は、竣工後すでに売却済みです。
キュープラザ二子玉川につきましても、すでに開業しています。二子玉川駅近くに所在する都市型の商業施設でして、モンベルさまと4つのテナントさまにご入居いただきまして、100パーセント稼働で、順調に運営を開始しております。
今後は横浜市みなとみらいに所在するMM21-32街区のオフィス計画。ビジネスホテルのカンデオホテルズさまの入居が決定している新橋三丁目計画。
また、大阪の心斎橋筋商店街に位置する心斎橋筋二丁目計画の開業を予定しています。なお、MM21-32街区オフィス計画につきましても、竣工後、今期中に売却する計画です。
19年度以降、順次大型プロジェクトが開業を迎えますので、確実に事業を推進して参ります。
都市事業④ 主要プロジェクト
広域渋谷圏における当社グループ関与の商業施設、オフィス物件の地図です。道玄坂一丁目および南平台プロジェクトについては、新築着工いたしました。
その下、広域渋谷圏以外の主要プロジェクトのご紹介ということで、左側が昨年3月末に開業した東急プラザ銀座です。開業してちょうど1年が経過しました。銀座エリアでは希少な大型の商業施設として、おおむね計画どおり、順調に推移しております。
右側が竹芝プロジェクトです。昨年5月に着工いたしまして、2020年度の開業に向けて順調に進捗しております。
住宅事業① 2017年3月期実績・2018年3月期予想
続いて住宅セグメントです。
上段の実績は92億の減収、27億の増益となりました。前年に土地の一括売却があったこと等により、全体では減収となりましたが、分譲マンションの粗利率が改善し、増益でございます。
下段予想は129億の増収、19億の減益の計画としております。今年度から投資家向けの賃貸住宅売却事業を、住宅のセグメントで計上しています。その影響により、投資家向けの賃貸住宅売却収益が増加したことに加えて、分譲マンションが計上戸数が増加、増収の計画でございます。
営業利益では、分譲マンションにおきまして、前期と比較して戸あたり平均単価が下落し、粗利率も低下することにより、減益の計画でございます。
住宅事業② マンション計画概要
分譲マンションの計画の概要です。
赤枠の18年3月期は、172戸増加の1,732戸、1,003億を計上する計画です。マンションの売上予想に対する契約確保の割合につきましては、表の中段記載のとおり、54パーセントと、順調に進捗しております。
また、分譲マンションの粗利率は22パーセントの計画でございまして、前期は27パーセントと好採算物件が多く、ある意味特別な年であったと思っております。
用地の仕入れ状況につきましては、表の下、土地の投資額に記載のとおり、17年3月期は407億、1,966戸分を取得いたしました。
結果として、19年3月期以降に計上を予定する手当済のマンションは、右側記載のとおり8,200戸となっております。
18年3月期の用地の仕入れにつきましては、引き続き都心物件や再開発案件等を中心に、慎重に投資を進める方針のもと、500億を投資する計画でございます。
管理事業① 2017年3月期実績・2018年3月期予想
管理セグメントです。実績は34億の増収、4,800万の増益でございます。マンション・ビルともに、管理ストックが拡大し、増収増益となっています。
下段の予想につきましても、54億の増収、5億の増益の計画です。
管理事業② 物件ストック状況
その下、管理ストックの状況です。上段のマンションの管理戸数の推移では、3月末74万1,000戸と、順調に積み上がりができています。
18年3月末には、施設管理におきまして、県営住宅等の公的案件での大型案件の受注が決まっていること等もあり、83万戸まで管理戸数を積み上げる計画でございます。
下段はビル等の管理戸数の推移です。こちらも3月末1,483件。前期末から30件の増加。18年3月には1,553件まで積み上げる計画でございます。
17年3月期につきましては、静岡県の草薙総合運動場、横浜の赤レンガ倉庫のほか、PFI事業の東大阪市民会館の管理を受託。付加価値の高い運営ノウハウを活かしてオフィスビルのほか、公共施設等の受託も拡大しております。
仲介事業① 2017年3月期実績・2018年3月期予想
仲介セグメントです。実績は17億の増収、11億の増益です。売買仲介において、リテール部門が新規出店やリバブル安心仲介保証等のサービス充実に努めたことで、順調に取引件数、成約価格が上昇いたしました。
ホールセール部門では、前期に大型物流の成約があった影響で、成約価格が低下。取引件数も減少いたしましたが、付帯収益でカバーをし、増収増益となりました。予想につきましては61億の増収、5億の増益の計画でございます。
仲介事業② 売買仲介営業指標
売買仲介の営業指標です。17年3月期の実績では、リテール部門においては取引件数、平均取扱価格が上昇し、取扱高が増加したことから増収。店舗につきましては14店舗を新規出店し、着実に事業拡大を進めております。
ホールセール部門におきましては、前期に大型物件の成約があったことにより、平均取扱価格が4億2,400万から2億7,500万円に低下いたしましたが、手数料率については、2.4パーセントから3.8パーセントに改善いたしました。
下段右側、18年3月期の計画です。リテール部門、ホールセール部門ともに、取引件数の増加を見込みまして、取扱高の増加による増収を見込んでいます。
ウェルネス事業① 2017年3月期実績・2018年3月期予想
ウェルネスセグメントです。
実績は42億の増収、12億の増益でございます。都市型ホテルの東急ステイにおける新規稼働の寄与や客室単価の上昇もあり増収したことに加えて、別荘・会員権の販売において、別荘地の売上計上があったこと。東急ハーヴェストクラブ軽井沢の会員権販売に伴う登録金収入が増加したこと等により、増収増益となりました。
下段の予想につきましては、44億の増収、18億の減益の計画です。リゾート運営におけるスキー場施設などの既存施設の改善やシニア住宅、東急ステイ等の新規稼働等により増収となるものの、前期に別荘地の計上や、会員権販売に伴う登録金収入の計上があったこと等により減益の計画でございます。
ウェルネス事業② 主要プロジェクト
ウェルネスセグメントの主要プロジェクトです。
東急ステイにつきましては、現在都内で17施設2,445室で展開しております。17年度には東急ステイの京都両替町通と東急ステイ泉岳寺の開業を予定。
18年度以降は札幌、博多、京都などの開業を計画しており、20年度には約30施設、4,400室の規模まで計画するところでございます。
ビジネスユースの需要が底堅く、インバウンド事業も堅調な東京都心および地方主要都市への出店を加速して参ります。
ハーヴェストクラブでは、東急ハーヴェストクラブ軽井沢&VIARAを、南軽井沢の塩沢区の隣接で計画しておりまして、2018年度の開業予定でございます。会員権につきましては、すでに5割強が契約済となりまして、大変好調な売れ行きでございます。
また今後につきましては、パブリックホテル事業の拡大にも注力して参ります。3月に旧軽井沢ホテルを取得し、2018年度開業予定のハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄もすでに着工済で、開業に向け順調に進捗をしております。
ハンズ事業 2017年3月期実績・2018年3月期予想
ハンズセグメントです。実績は14億の増収。8億の減益でございます。新規出店等により増収となったものの、既存店の減収や40周年記念キャンペーン実施に伴う販促費の増加等により減益となりました。
予想につきましては18億の増収、1億の減益の計画でございます。新規出店等により増収を見込みますが、開業費用の増加等により、減益の計画でございます。
次世代・関連事業 2017年3月期実績・2018年3月期予想
その下、次世代・関連事業セグメントです。実績につきましては、減収増益となっています。前期に物件売却があった海外事業は減収となりましたが、リフォーム・注文住宅の完工高の増加や、費用の減少等により増益でございます。予想につきましては、売上は横ばい。営業損失については15億の計画としています。
自己資本・有利子負債の推移
自己資本と有利子負債の推移です。
「Value Frontier 2020」の2017年3月期までの前半3年間につきましては、有利子負債が増加する一方で、自己資本が確実に拡大をいたしまして、DEレシオは目標値である2.6倍に改善いたしました。
18年3月期につきましても、新規投資等により、有利子負債が増加いたしますが、期間利益の積み上げによる自己資本の拡充により、DEレシオは横ばいの2.6倍の計画です。
株主還元
その下、株主還元です。株還元方針に基づきまして、安定的な配当の継続維持、かつ配当性向25パーセント以上という基本方針のもと、18年3月期につきましても増配を予定しております。以上、決算および予算のご説明でございました。
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