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マーケットE Research Memo(2):ネット型リユース事業を核にメディア事業、モバイル通信事業を展開

配信元:フィスコ
投稿:2020/10/06 15:12
■事業概要

1. 会社概要と沿革
マーケットエンタープライズ<3135>は、ネット型リユース事業、メディア事業、モバイル通信事業の3事業を展開している。主力のネット型リユース事業は、個人向けリユースに加え、戦略分野として農機具や建設機械、医療機器などを扱う法人向けリユース、マッチングプラットフォームの「おいくら」で構成されている。メディア事業は、「賢い消費者」への情報提供を目的に、消費者の関心の高い通信関連、リユース関連、趣味関連の3つの分野で6つの記事型メディアの展開に加え、事業譲受によって農機具マーケットプレイス、修理業者情報のプラットフォームビジネスを行っている。モバイル通信事業では、無線高速通信サービスであるWiMAXのMVNOビジネスを展開している。なお、2020年6月期の売上高構成比(消去前)は、ネット型リユース事業59.5%、メディア事業6.2%、モバイル通信事業34.4%となっている。

同社は2006年の設立時よりリユース事業を展開、フリーマーケットの主催などを経て、2013年からネット型リユースに事業を特化した。その後、2015年6月の東証マザーズ上場を機に事業を多角化、2016年にモバイル通信事業、2018年にメディア事業を開始、売上高は創業以来拡大を続けている。そして2017年6月期−2018年6月期を戦略的投資期間とし、人員やリユースセンター2拠点の拡充、取扱商材のカテゴリー拡大、新規サービスのリリースなどに経営資源を集中したことが奏功し、2019年6月期には大きく利益を飛躍させた。さらに、2020年6月期には、中古農機具の国内買取・輸出事業やマーケットプレイスなどの事業を譲り受け、2021年6月期以降の更なる飛躍を目指している。


全国規模の買取・販売を背景に好採算・高回転
2. ネット型リユース事業
ネット型リユース事業では、主に個人から買い取った商材を、個人を中心に販売するという点で、日本全国に数多く存在している店舗型リサイクルショップと変わりがない。しかし、同社が他社と大きく異なっているのが、「インターネット特化型」という特徴である。同社は実店舗を持たず、自社が運営するサイトを通じて全国の不用品を売りたい方から買取依頼を受領し、同社のリユースセンターが出張・宅配・店頭で買取を行い商品化されたものを、複数ECサイトで販売している。インターネットとリアルを融合した事業展開が持ち味である。

買取は、「高く売れるドットコム」と商材別の専門サイト(例、「農機具高く売れるドットコム」など)を通じて行っている。月間約4万件の買取依頼があり、買い取る商材は、インターネット上で販売しやすいことを前提に、家電などの一般消費財からニッチで競争の少ない好採算な商材と取扱いは幅広い。当初はフィギュアや電動工具など、比較的競合の少ない商材からスタートした。その後徐々にカテゴリーを広げ、楽器やカメラ、現在では大型でニッチな農機具や建設機械なども扱うようになり、カテゴリー数は30に達している。売り手は個人が大半だが、農機具、建設機械や医療機器などの法人向け大型商材では主に中小企業、農家など小規模事業者から買取を行っている。

販売は、自社ECサイト「ReRe」のほか、「ヤフオク!」、「楽天市場」、「Amazon」など複数のEC(eコマース)サイトを通じて行なわれる。ちなみに同社は、メルカリ<4385>などネット型CtoC(個人間取引)で扱うことが難しい、高い品質が求められる高単価商材や、販売にあたりデータ消去や品質保証など個人では対応が難しい工程が生じる商材を主に扱っており、特徴的な差別化要因となっている。

従来のリユースショップでは一般的に、在庫回転が低回転だと言われる。これは、売り手も買い手も店舗がある商圏を利用する人に限られるためだ。一方、売り手(「高く売れるドットコム」)と買い手(ECサイト)を結ぶ同社のビジネスフローには、本査定前に概算買取価格を伝えることで売り手に安心感を与えるコンタクトセンター、全国10拠点で出張・宅配・店頭と利便性の高い3つの買取チャネル、効率的な在庫連動システムによって商品を管理する全国10拠点のリユースセンターといった特徴的な機能があるため、在庫回転率が高くなりやすい。仮に売れない商品でも、広域商圏のため価格を引き下げることで売り切ることができ、在庫評価損もほとんど出ないもようである。なお近年、農機具や建設機器、医療機器など「大型」「高額」でニッチな領域への展開や、売り手と全国約1,400店のリサイクルショップをマッチングするリユースプラットフォーム「おいくら」の運営など、法人向けのビジネスも拡大し始めた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


<NB>
配信元: フィスコ
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