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きちりホールディングスのニュース
■業績動向
2. 財務状況と経営指標
きちりホールディングス<3082>の2020年6月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比4,252百万円増加の8,335百万円となった。新型コロナウイルス感染症の収束に時間がかかり、既存店舗の収益状況はしばらく厳しい状況が続くとの判断により、安定した経営を行うための資金として、銀行から約50億円の借入を実施し、現金及び預金が4,082百万円増加したことが主因となっている。そのほかでは、有形固定資産が99百万円増加したほか、ソフトウェアやのれんの計上によって無形固定資産が70百万円増加、投資その他の資産では繰延税金資産が207百万円増加した。
負債合計は前期末比4,741百万円増加の6,955百万円となった。有利子負債が4,886百万円増加したことによる。また、純資産は前期末比489百万円減少の1,379百万円となった。親会社株主に帰属する当期純損失609百万円を計上し、利益剰余金が減少した。
経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は有利子負債の増加と純資産の減少により、前期末の45.5%から15.7%と大きく低下し、有利子負債比率は57.7%から454.2%と大きく上昇するなど財務体質は健全な状態とは言えない状況となっており、収益性に関しても大きく低下するなど、新型コロナウイルス感染症が経営に及ぼす影響の大きさが、これら指標からもうかがえる。喫緊の課題は、収益を黒字化させることにあるが、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せないなかで、既存店舗の売上回復にはなお時間を要すると見られ、前期末から取り組み始めたデリバリーやテイクアウト、D2C、除菌サービスなどの新たな事業や、ASP/SaaS事業の拡大でいかに既存店の落ち込みをカバーできるかがカギを握ることになる。ただ、期末の現金及び預金の水準は50億円超と潤沢にあることから、2021年6月期も損失が続いたとしても、財務リスクが顕在化するようなことにはならないと見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KS>
2. 財務状況と経営指標
きちりホールディングス<3082>の2020年6月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比4,252百万円増加の8,335百万円となった。新型コロナウイルス感染症の収束に時間がかかり、既存店舗の収益状況はしばらく厳しい状況が続くとの判断により、安定した経営を行うための資金として、銀行から約50億円の借入を実施し、現金及び預金が4,082百万円増加したことが主因となっている。そのほかでは、有形固定資産が99百万円増加したほか、ソフトウェアやのれんの計上によって無形固定資産が70百万円増加、投資その他の資産では繰延税金資産が207百万円増加した。
負債合計は前期末比4,741百万円増加の6,955百万円となった。有利子負債が4,886百万円増加したことによる。また、純資産は前期末比489百万円減少の1,379百万円となった。親会社株主に帰属する当期純損失609百万円を計上し、利益剰余金が減少した。
経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は有利子負債の増加と純資産の減少により、前期末の45.5%から15.7%と大きく低下し、有利子負債比率は57.7%から454.2%と大きく上昇するなど財務体質は健全な状態とは言えない状況となっており、収益性に関しても大きく低下するなど、新型コロナウイルス感染症が経営に及ぼす影響の大きさが、これら指標からもうかがえる。喫緊の課題は、収益を黒字化させることにあるが、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せないなかで、既存店舗の売上回復にはなお時間を要すると見られ、前期末から取り組み始めたデリバリーやテイクアウト、D2C、除菌サービスなどの新たな事業や、ASP/SaaS事業の拡大でいかに既存店の落ち込みをカバーできるかがカギを握ることになる。ただ、期末の現金及び預金の水準は50億円超と潤沢にあることから、2021年6月期も損失が続いたとしても、財務リスクが顕在化するようなことにはならないと見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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