703円
きちりホールディングスのニュース
■業績動向
1. 2019年6月期の業績概要
きちりホールディングス<3082>の2019年6月期の連結業績は、前期の単独業績と比較して売上高で7.3%増の9,914百万円、営業利益で13.4%増の406百万円、経常利益で5.9%増の376百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で9.2%増の161百万円と増収増益決算となった。
売上高は既存店が前期比1.3%増と堅調に推移したことに加えて、2018年4月にオープンしたグローサラント業態の「Merca」が年度を通じて順調に推移したことが増収要因となった。「KICHIRI」等の既存店舗が月商10百万円前後であるのに対して、「Merca」については月商50~70百万円と数倍の規模になっており増収寄与度も大きかった。また、既存店では「KICHIRI」や「いしがまやハンバーグ」など主要業態すべてが前期比で増収となった。客数は伸び悩んだものの、メニュー提案の工夫等による客単価の上昇でカバーした。PFS事業に関しては導入店舗数が前期並みの約600店舗で推移し、売上高も1億円強と横ばいで推移した。
売上原価率が前期比0.5ポイント上昇の27.7%となったが、これは「Merca」が通年でフル寄与したことが主因となっている。「Merca」に関しては食事の提供に加えて一部物販も行っているため、原価率は既存店舗よりも高くなる事業構造となっている。既存店だけで見た原価率は前期比横ばい水準だった。一方、販管費率については前期比0.7ポイント低下の68.2%となった。賃借料の上昇が続いているものの、売上高減価償却費率が前期比1.6ポイント低下したことが改善要因となっている。ここ数年、上昇傾向が続いていた人件費率も前期並みの水準にとどまった。この結果、営業利益率は前期比0.2ポイント上昇の4.1%と2期連続で上昇した。なお、「Merca」の収益性に関しては既存業態とほぼ同水準で、月によっては上回るケースもあったという。
店舗の出退店状況を見ると、新規出店が4店舗、退店が2店舗となり、期末店舗数で前期末比2店舗増の95店舗となった。新規出店では、2018年7月にビビンバ専門店「VEGEGO(ベジゴー)」(東京都・新宿)、ウバ茶・抹茶・ほうじ茶を使用した本物志向のミルクティー専門店「CHAVATY(チャバティ)」(東京都・表参道)、同年11月に「元祖 変わりかつめし専門店 かつゑもん」(東京都・台場、同社初のフードコート店)などの新業態店舗を出店したほか、2019年5月にはグローサラント業態の2号店目として、スペインのバルと日本の横丁文化の融合をテーマとした「merca PASEO(メルカ パセオ)」を出店した。大阪のJR福島駅前「ふくまる通り57」内に阪急オアシスが出店する「阪急オアシス福島ふくまる通り57店」との複合業態となり、パエリア、ピッツァ、ハム&チーズ、タパス&ピンチョス、ローストミートなどそれぞれのエリアで購入した品を、店内や屋外に設置したイート・インで自由に飲食できる店づくりとなっている(坪数は26坪)。一方、退店の2店舗(KICHIRI、ajito)については店舗の老朽化が理由となっている。
会社計画比で見ると、売上高と営業利益は1%強上回って着地した。新規出店数は同社の条件に適う不動産物件が少なかったため会社計画の10店舗に届かなかったものの、既存店売上高で会社計画(前期比2.0%減)を上回ったことが上振れ要因となった。一方、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は若干未達となったが、これは営業外で持分法投資損失28百万円を計上したことが主因となっている。持分法投資損失は唯一の持分法適用関連会社であったイータリー・アジア・パシフィック(株)によるもの。イータリー・アジア・パシフィックは2015年に国内でイタリアの食文化の浸透を図ることを目的に、EATALY Distribuzione S.R.L(イタリア)と三井物産及び同社の3社で立ち上げた合弁会社だったが、創業フェーズにおける同社の役割を終えたことから、2018年10月に保有株(発行株数の34.0%)をすべて三井物産に売却している。また、特別利益として関係会社株式売却益8百万円、特別損失として店舗関連の減損損失153百万円を計上している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2019年6月期の業績概要
きちりホールディングス<3082>の2019年6月期の連結業績は、前期の単独業績と比較して売上高で7.3%増の9,914百万円、営業利益で13.4%増の406百万円、経常利益で5.9%増の376百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で9.2%増の161百万円と増収増益決算となった。
売上高は既存店が前期比1.3%増と堅調に推移したことに加えて、2018年4月にオープンしたグローサラント業態の「Merca」が年度を通じて順調に推移したことが増収要因となった。「KICHIRI」等の既存店舗が月商10百万円前後であるのに対して、「Merca」については月商50~70百万円と数倍の規模になっており増収寄与度も大きかった。また、既存店では「KICHIRI」や「いしがまやハンバーグ」など主要業態すべてが前期比で増収となった。客数は伸び悩んだものの、メニュー提案の工夫等による客単価の上昇でカバーした。PFS事業に関しては導入店舗数が前期並みの約600店舗で推移し、売上高も1億円強と横ばいで推移した。
売上原価率が前期比0.5ポイント上昇の27.7%となったが、これは「Merca」が通年でフル寄与したことが主因となっている。「Merca」に関しては食事の提供に加えて一部物販も行っているため、原価率は既存店舗よりも高くなる事業構造となっている。既存店だけで見た原価率は前期比横ばい水準だった。一方、販管費率については前期比0.7ポイント低下の68.2%となった。賃借料の上昇が続いているものの、売上高減価償却費率が前期比1.6ポイント低下したことが改善要因となっている。ここ数年、上昇傾向が続いていた人件費率も前期並みの水準にとどまった。この結果、営業利益率は前期比0.2ポイント上昇の4.1%と2期連続で上昇した。なお、「Merca」の収益性に関しては既存業態とほぼ同水準で、月によっては上回るケースもあったという。
店舗の出退店状況を見ると、新規出店が4店舗、退店が2店舗となり、期末店舗数で前期末比2店舗増の95店舗となった。新規出店では、2018年7月にビビンバ専門店「VEGEGO(ベジゴー)」(東京都・新宿)、ウバ茶・抹茶・ほうじ茶を使用した本物志向のミルクティー専門店「CHAVATY(チャバティ)」(東京都・表参道)、同年11月に「元祖 変わりかつめし専門店 かつゑもん」(東京都・台場、同社初のフードコート店)などの新業態店舗を出店したほか、2019年5月にはグローサラント業態の2号店目として、スペインのバルと日本の横丁文化の融合をテーマとした「merca PASEO(メルカ パセオ)」を出店した。大阪のJR福島駅前「ふくまる通り57」内に阪急オアシスが出店する「阪急オアシス福島ふくまる通り57店」との複合業態となり、パエリア、ピッツァ、ハム&チーズ、タパス&ピンチョス、ローストミートなどそれぞれのエリアで購入した品を、店内や屋外に設置したイート・インで自由に飲食できる店づくりとなっている(坪数は26坪)。一方、退店の2店舗(KICHIRI、ajito)については店舗の老朽化が理由となっている。
会社計画比で見ると、売上高と営業利益は1%強上回って着地した。新規出店数は同社の条件に適う不動産物件が少なかったため会社計画の10店舗に届かなかったものの、既存店売上高で会社計画(前期比2.0%減)を上回ったことが上振れ要因となった。一方、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は若干未達となったが、これは営業外で持分法投資損失28百万円を計上したことが主因となっている。持分法投資損失は唯一の持分法適用関連会社であったイータリー・アジア・パシフィック(株)によるもの。イータリー・アジア・パシフィックは2015年に国内でイタリアの食文化の浸透を図ることを目的に、EATALY Distribuzione S.R.L(イタリア)と三井物産及び同社の3社で立ち上げた合弁会社だったが、創業フェーズにおける同社の役割を終えたことから、2018年10月に保有株(発行株数の34.0%)をすべて三井物産に売却している。また、特別利益として関係会社株式売却益8百万円、特別損失として店舗関連の減損損失153百万円を計上している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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