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―8日から新型コロナ「5類」移行、欧米に比べ規制緩和遅れ回復の伸びしろ大きい―
リオープン(経済再開)が本格化してきた。大型連休中の各地の賑わいがメディアで大きく取り上げられ、コロナ禍からの経済正常化が印象付けられたが、こうしたなか8日からは新型コロナウイルスの法的な扱いがインフルエンザ並みに引き下げられた。昨年の水際対策緩和や今年3月のマスク着用ルール変更を経て、名実ともに アフターコロナの時代が到来した格好だ。株式市場では既にリオープン関連に位置づけられる一連の銘柄群が物色人気となっており、この流れは今後更に強まっていくことになるだろう。
●WHOコロナ宣言終了、インフレ懸念・米銀破綻も経済正常化は進む
大型連休明けの8日、新型コロナの感染症法上の位置づけが「2類」相当から「5類」に移行した。5類には季節性インフルエンザや風疹、麻疹(はしか)、感染性胃腸炎など一般的な感染症が分類されており、移行に伴い外来受診などの医療費は原則通常の自己負担率になる。この直前、国内では連休中だった5日には世界保健機関(WHO)が新型コロナの緊急事態宣言を終了することを明らかにした。
欧米を中心に海外では、既に新型コロナに関する各種規制やルールはほぼ撤廃されつつある。「ゼロコロナ政策」と呼ばれる厳しい感染対策を講じてきた中国も昨年後半に事実上方針を転換し、今では経済立て直しを急ぐ姿勢を鮮明にしている。日本を含むこれら主要国をはじめ、世界的にアフターコロナに向けた動きが加速するなか、株式市場では経済活動正常化が追い風となるリオープン関連株への注目が根強く続いている。日本は新型コロナ規制の緩和が他国より遅れてしまったものの、これは見方を変えればここからの経済回復の伸びしろが大きいともいえ、レジャーや観光、インバウンド需要の回復を追い風に関連銘柄には息の長い相場が期待できる。
足もと金融市場を巡ってはインフレ懸念や米地銀破綻など不透明感も漂っているが、アフターコロナの流れはこうしたものとは違うベクトルで進んでいる点はポイントだ。今回、業績や株価の面で投資妙味が高まるリオープン関連株を7銘柄ピックアップした。
●投資妙味高まるリオープン関連7銘柄
ハブ <3030> [東証P]はスポーツ観戦ができる英国風パブ「HUB(ハブ)」「82(エイティトゥ)」を首都圏中心に展開。大型スポーツイベントが開催される際に客足増加への期待から思惑買いを集めることが多く、先のサッカー・野球それぞれの国際大会時にも人気化した経緯がある。今年夏以降にはサッカー女子とバスケットボール、ラグビーの3つのワールドカップ(W杯)が控えており、引き続き注目が必要となる。コロナ禍からの業績回復がようやく軌道に乗り始め、24年2月期は4期ぶりの営業黒字化を計画する。
ロコンド <3558> [東証G]は靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」を運営。積極的なM&Aで自社サイトを拡充させ、衣料品の「FASHION WALKER(ファッションウォーカー)」、サッカー用品の「SPORTS WEB SHOPPERS(スポーツウェブショッパーズ)」なども手掛ける。昨年には伊藤忠商事 <8001> [東証P]との合弁会社を通じて米スポーツブランド「Reebok(リーボック)」の国内販売を開始。業績は急拡大局面を迎え、24年2月期は売上高、営業利益とも過去最高更新へ。好業績見通しを受け、株価は足もと急上昇している。
トラース・オン・プロダクト <6696> [東証G]はデジタルサイネージなど各種IoT製品を開発販売する。AIを活用した電力コスト削減システム「AIrux8(エーアイラックスエイト)」、小売り店舗向け端末「店舗の星」を前期に相次ぎ本格展開し、AIrux8は加賀電子 <8154> [東証P]と組んで拡販を進めているほか、店舗の星は4月に大口受注獲得を発表。これら製品群の主な販売先となる小売業界がコロナ禍収束による人出増加の恩恵を受けることが期待され、同社業績にも追い風となりそうだ。24年1月期は6期ぶり営業黒字転換を狙う。
丹青社 <9743> [東証P]は展示ディスプレーの企画・施工大手で、総合ディスプレー業で乃村工藝社 <9716> [東証P]と双璧をなす。前23年1月期はコロナ禍の影響緩和に伴う需要回復が見えつつあったものの、原材料高などが響き大幅営業減益で着地。ただ、続く24年1月期は5倍近い増益で一転V字回復を見込む。百貨店などの商業分野やイベント分野に加え、大阪・関西万博やIR(統合型リゾート)関連周辺の需要獲得を目指す構えだ。
アイ・ケイ・ケイホールディングス <2198> [東証P]は邸宅風の会場を使用したゲストハウス型ウエディングを手掛ける。九州を地盤に国内20店舗を展開するほか、インドネシアのジャカルタに4店舗を持つ。業績は既に回復トレンドに乗っており、23年10月期は7期ぶりに営業最高益を塗り替える見通し。配当は前期比2円増の12円にする方針。3月に株主優待制度の拡充を発表するなど、株主還元に積極的な姿勢をみせている。
日本駐車場開発 <2353> [東証P]はビル駐車場の管理・運営が主力。傘下の日本スキー場開発 <6040> [東証G]でスキー場事業を展開するほか、「那須ハイランドパーク」などテーマパークの運営も手掛ける。コロナ禍からの観光需要回復を背景に業績は増収増益トレンドをまい進。今後のインバウンド本格回復が成長を更に加速させることになりそうだ。株価は昨年の急騰からひと押し入れたタイミングで、ここからの値動きが注目される。
大江戸温泉リート投資法人 <3472> [東証R]は、温泉旅館を運営する大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ(東京都中央区)をスポンサーとするホテル特化型REIT。政府の観光支援策を支えに客室稼働率は着実な回復をみせ、前22年11月期(半年決算)は営業減益ながら従来予想から上振れして着地。続く23年5月期(同)は小幅な増益を見込んでいる。分配金は前期実績が1404円で、今期は1442円、来23年11月期(同)は1324円の見通し。
株探ニュース
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